May 28, 2005

かつて来た道これから行く道

強引ですが、おばあちゃんの原宿、巣鴨地蔵通商店街先日、人通りの少ない住宅街のはずれの道を通ったら、おばあさんが地べたに不自然な形で足を投げ出して座っていました。


周りに同行者もいないようですし、気になったので「大丈夫ですか?」と声をかけました。最初は警戒したのか、私の人相が悪かったのか(笑)、はたまたよく聞こえなかっただけか、あらぬ方向を見ていましたが、声をかけること三度目くらいにやっと通じました。

結論から言うと、単に休んでいたそうです。まわりに腰掛けるところもなく、歩道もないような道だったので、仕方なく地べたに座っていたようです。ヒザが良くないのか、足を投げ出した格好で、ずいぶん不自然に見えたのも事実なのですが、本人には普通だったようです。

知らない人が心配して声をかけてくれた、というのがわかった時点で、それまでの表情からは想像もつかないような笑顔で話をしてくれ、別に何もしていないのですが、何度も何度もお礼を言われてしまいました。むしろ、私の方がその場を離れてからも、とてもいい気分でした。

自転車で郊外を走っていたりすると、気になるお年寄りに出会うことが、たまにあります。かなりきちんとした服装のお爺さんが、道端の芝生にうずくまって、不自然に倒れていたこともありました。驚いて声をかけたのですが、あまりの陽気のよさに眠ってしまって寝返りをうったらしく、結局は昼寝の邪魔をしてしまったこともありました。

おそらく、とぼとぼ歩いていたら駅やバス停から遠く離れて人通りもないような場所に来てしまい、道を尋ねる商店などもなくて途方に暮れていたお年寄りに行き会ったこともあります。その時は結局、目指していた療養所(郊外にあって、全然目立たない)を、一緒に探してあげて感謝されました。

敬老の日でもないのに、こんなことを書いて善人ぶっている訳ではありません。ただ私も実家に帰ると祖母がいます。ふだん一緒にいる母に聞くのですが、その歳になると、出かけた先々で、いろいろな親切をうけるらしいのです。近頃は殺伐とした話も多いですが、まだまだ世間も捨てたものじゃないと思わせるような事も多いそうです。

そんな話を聞くと、純粋にありがたく感じます。ふだん祖母と一緒にいるわけではないので、余計にそう思えるのかもしれません。だからというだけではありませんが、お年寄りには親切にしたくなります。自分の祖父母、あるいは父母が、どこかで善意を受けていると思うと、善意を返したくなるのかも知れません。

「子供叱るな来た道だ、年寄り笑うな行く道だ。」なんて言います。本当はお年寄りをいたわる気持ちがあるのに、実際の行動にはテレがあったり躊躇する場合もあるかも知れません。でも、お年寄りに対する日常のちょっとした善意や親切を心がけることで、少しずつでも循環して広がり、増えていくといいなと思います。




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この記事へのコメント
>>こんなことを書くと善人ぶっていると思われるかもしれませんが

いえいえそんな事ないでしょう。

ごく普通の行為だと思ってます。私にはすでに祖父祖母及び母も亡くしてしまいましたので、出来るだけ親孝行?してあげてください。
Posted by コージー at May 29, 2005 05:37
コージーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、書くまでもなく、人として当たり前の行為と言われればその通りなんですよね。ただ、最近老人の虐待とか、詐欺とか、引ったくりとか、ひき逃げとか、いろいろの事件の被害者になる話を聞くことも多いのが残念だなと思い、書いてみました。そうですね、孝行したい時には親は無し、ということもありますね。
Posted by cycleroad at May 29, 2005 06:13
自分もそうですが、
こういう当たり前の事が出来なくなってしまってますよね。

注意すると逆ギレする人とか・・・。
ほんと、イヤになります。
Posted by skin_head at June 01, 2005 22:35
skin_headさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、寅さんの世界とまで行かなくても、見知らぬもの同士のコミュニケーションがもう少しあってもと思いますが、どんどん希薄になっていますよね。何かあっても知らんぷりです。昔はもう少し違ったような気がしますが。
Posted by cycleroad at June 02, 2005 06:55
 
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