June 09, 2005

千里の道へと一歩を踏み出す

モッタイナイで地球は緑になる今月3日、日本で初めてのワンガリ・マータイさんの著書「モッタイナイで地球は緑になる」が発売されました。この機会に、前からどうしても書きたかった事を書こうと思います。


ご存知のように、ワンガリ・マータイさんは、環境保護運動や民主化への取り組みなどが評価され、ノーベル平和賞を受賞した初のアフリカ女性です。国連の会合の席上で「もったいない」を唱和させたシーンが印象に残っている人も多いでしょう。

あらためて、「もったいない」が世界の普遍的な概念でないことに驚いた人も多かったと思います。そして日本の独自の文化に誇りを持った人も多いに違いありません。発売されたばかりなので、私もまだこの本は読んでいませんが、マータイさんが有名なグリーンベルト運動を始めた経緯には、とても感銘を受けています。

当時のケニアは、ただでさえ貧しいのに、その日の薪を得るために木を切り、それによって更に土地は痩せ、水は枯渇していく悪循環の中にありました。政治的にも民主化にはほど遠く、貧困と劣悪な環境にありました。そのような状況を打開するための資金もなく、教育もなく、集会を開く自由すらなかったのです。

そのような絶望的な中で、ケニアの人々が苦しみながらも、どうにも出来ないでいることを誰が責められるでしょうか。当然のごとく、苦境の中、政府や国連、及び他の国の援助や、NGOなどによる活動、一部の指導者による状況の打開を待ち望んでいたわけです。

しかし、マータイさんは、他人の援助や、誰かがどうにかしてくれるのを待っているだけではいけない、と人々に説いたのです。助けてもらったり、恵んでもらったり、誰かが変えてくれるのを待っている状態になっていることを、人々に気づかせたわけです。

そして、周囲の人々に働きかけ、たった7本の苗木を植えることから始めました。日本で植樹するのとはワケが違います。今日の煮炊きの薪にも困る中で植樹をしても、全くの焼け石に水です。千年たっても何も変わらないと誰もが思う状況だったのです。しかし彼女は、行動しました。

それが今では、なんと20カ国10万人以上が参加し、植樹活動も3000万本という大きな数にまで育ちました。世界中がその功績を認め、アフリカ女性として初めてノーベル平和賞を受賞し、世界の人々の考え方に影響を与えるまでになりました。あらためて凄いと思います。

ひるがえって、我々日本人はどうでしょう。全く比較にならないほど恵まれた環境にいて、地球環境に対して危機感を持っている人も大勢います。しかし、政府の施策はけしからんとか、あの企業の取り組みは、などと批判はしても、自らは行動しているでしょうか。

頭ではわかっていても、誰かがやってくれるだろうと傍観するのに慣れてしまってはいないでしょうか。自分が何かやっても、それは微々たるもの、無駄なことだと、やる前から諦めていないでしょうか。そんな自分と向き合わず、現実から目をそらしてはいないでしょうか。

マータイさんは、「『何かを変えたい』と思うのであれば、まず『自分自身から』変えなければならない。」と語っています。個人がまず、身近な生活から変えていくことは、今、この瞬間からでも出来ることです。やり方だって制限されているわけではありません。

「誰かがそのうち、」ではなく、「今、自分が、始めなければならない。」と思う人がどれだけいるでしょうか。「みんなが始めたら、」とか、いつの間にか自分だけ除外して考えている人も多いのではないでしょうか。始めなくては、と考えているたげでは、いつになっても始まりません。

一人がクルマに乗る代わりに自転車で行く、なんて全体から見れば大した影響はありません。でも、そのこと自体は小さくても、そんなところから何かが変わっていくかもしれません。周りの人へ何らかの影響を与え、その影響が広がっていく可能性だってないとは言えません。

なかなか文明の利器になれた暮らしは変えられるものではありません。今さら洗濯機や冷蔵庫、エアコンを使うなと言っても無理があります。無理なことは長続きもしません。でも、自転車に乗るくらいだったら続きます、楽しいですから。もちろん自転車じゃなくてもいいのです、他にもたくさん方法はあるでしょう。

少なくとも私は行動することにしました。まあ、確かに自転車以外を合わせても微々たるものです。でも、自分が変わると共に、少しずつでも、広げて行きたいと思っています。それが、この「サイクルロード」なのです。ただのブログにすぎませんが、ネット時代の手段としての可能性を秘めているとも思うのです。

偉そうに聞こえたらすいません。別にマータイさんがきっかけで始めた訳ではなく、なぞらえるものでもありません。もちろん、グリーンベルト運動に比肩して、サイクルロード運動なんて言うつもりは毛頭ありません(笑)。滅相もないです。

でも、楽しみながら自転車に乗る人が増え、自転車の有用性が見直され、また利用者が増えることで自転車の走行環境の整備がすすみ、実用的にクルマの一部代替の都市交通として成り立つようになれば、その効果は決して小さくないと思います。

単純にエネルギーを節約し、CO2の削減に貢献できるだけでなく、医療や公害や渋滞などにかかるコストの削減や、人々の意識の変化など、いろいろに波及していくかもしれないと考えているのです。いかがですか、あなたも一歩を踏み出してみませんか。




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この記事へのコメント
TB 有難うございました。
マータイさんの言われた、
「何かを変えたい」と思うのであれば、まず「自分自身から」変えなければならない、という言葉。
その通りだと思います。

ところで、私も自転車(ママチャリですけど)好きですので、これからも訪問させて頂きます。
Posted by 山口博行 at June 09, 2005 22:44
TBいただきありがとうございました。今夜、ある会合でマータイさんの話をしてきました。2月16日、彼女と挨拶を交わすことができ、人間的な温もりとスケールの大きさに触れたことは、わが人生の記念碑の一つであります。未来に、美しい地球を遺すために、ストップ温暖化をライフワークとして取り組んでいきます。明日、書店に走ります。
G3こと橘 正弘
Posted by 橘 正弘 at June 09, 2005 23:42
山口博行さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、もったいないを気づかせてくれた事以外にも、含蓄のある言葉をたくさん語ってらっしゃいますよね。お待ちしてます。
Posted by cycleroad at June 10, 2005 00:09
橘 正弘さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
それはいい経験をされましたね。多くの人に影響を与える大きな方なのでしょう。本は私もまだ入手していませんが、是非読んでみたいですね。
Posted by cycleroad at June 10, 2005 00:38
TBありがとうございました。
万博の開会式で小泉首相の引用がありましたが、「もったいない」という言葉ではなく、考え方を世界共通にしなければいけませんね。
Posted by kohri at June 11, 2005 11:19
TBありがとうございました。
自転車で環境に貢献されてるんですね、すばらしいです。
札幌は冬は自転車、というわけにはいかないですが、できることからしていこうと思います。
「今できることからする」っての、大切ですもんね!

本も興味深いので近々読んでみます。教えていただいてありがとうございました。

また寄らせていただきます。
Posted by 環境調査マン@札幌 at June 12, 2005 00:22
kohriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、京都議定書もそうですが、日本はこういう分野でリードできるといいと思いますね。
Posted by cycleroad at June 12, 2005 01:18
環境調査マン@札幌さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いえいえ、とんでもない。貢献だなんて言えるほどの話ではありません。ただ、おっしゃるように、自分の出来ることをしているだけです。そうだな、もうちょっと自転車にしてみようかなという人が増えれば、とは思っていますが。
Posted by cycleroad at June 12, 2005 01:28
はじめまして、kuuです。

つやつやさんのBLOG経由でおじゃましました。
マータイさんの本が出たのは嬉しいことですね。

「でも、楽しみながら自転車に乗る人を増やし、自転車道を増やして整備をし、実用的にクルマの一部代替の都市交通として成り立つようになれば、おもしろいと思います。すると単純にエネルギーを節約し、CO2の削減に貢献できるだけでなく、医療や公害や渋滞などにかかるコストの削減や、人々の意識の変化など、いろいろに波及していくかもしれないと考えているのです。いかがですか、あなたも一歩を踏み出してみませんか。」

激しく同意・共感します。

出来ることから、実行する。
それが一番大切。
でも、結構難しかったり。

だから。
楽しく出来ること。
希望を持てること。

自転車。
いいですね。

僕も9月半ばに、1週間、北海道・道東を自転車(&車)で旅してきました。


Posted by kuu at October 11, 2005 23:00
kuuさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、マータイさんの来日や著書を通して、触発される方が増えると思います。
拙い文章に共感いただき、嬉しいです。ありがとうございます。
なかなか人に伝えることは難しいですし、私の出来ることにしても、とるに足らないものですが、あまりのとるに足らなさに諦めてしまうと何にもならないと考えています。
もちろん、私一人ではどうしようもありませんが、思いを共有できる人、共感する人が少しずつでも広がっていくと、何か変わっていくかもしれません。
道東ですか、いいですね。北海道も久しく行ってないなあ。
Posted by cycleroad at October 12, 2005 05:16
 
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