June 22, 2005

ただトラックだけが悪いのか

とらっく とらっく とらっく昨日はトラックの長時間アイドリングの問題について取り上げましたが、東京などの都市の慢性的な渋滞は、実はトラックが原因だという話を聞いたことがあります。


確か交通工学の専門家の話でしたが、なるほど納得します。確かに、東京などの道路には、トラックやバンが大量に走っています。路肩にもたくさん停まっていて、自転車で通ると、乗用車と違って先の見通しがきかないので気を使います。なぜこんなにトラックが増えたのでしょうか。

トラック輸送の増大の背景には、様々な要因があると思いますが、消費や生活スタイルの変化も大きな原因であることは間違いありません。同じ産物でも、地域ブランドや名物などを求めて産地が多様化し、多くの場所から物が届くようになりました。商品も差別化のため、多品種少量の販売、輸送になり、流通の効率が落ちています。

消費サイクルも早まり、店頭に並ぶ期間が短くなり、品揃えを頻繁に換えるようになっています。流通形態も、スーパーやコンビニなど多様化し、配送する店舗数も増えています。産地から消費地への輸送だけでなく、各小売店などへの流通も増大しているというわけです。

確かに、コンビニ弁当の賞味期限から洋服などの流行商品、書籍の店頭に置かれる期間まで、あらゆるものの種類が増え、かつサイクルが短くなっています。当然運ぶ回数が増え、仕入先も多様化し、いろいろなものを少しずつ運ぶため、トラックの荷台の効率も落ちているわけです。一方で台数は増えます。

もうひとつ、トヨタ自動車のカンバン方式の弊害も挙げられると思います。トヨタのカンバン方式と言えば世界的に有名ですが、これをいろいろなところがお手本にしたのです。つまりジャストインタイムということですが、工場や問屋から店舗まで、在庫を持つリスクやコストを減らすため、ちょうど必要な時に配送させるわけです。

お店には最低限の店頭在庫だけにして、売れた分だけ何度でもすぐ配送させます。商品の陳腐化による売れ残りを防ぎ、倉庫のスペース代も要らなくなるメリットがありますが、その分トラック輸送の頻度は増えます。また売れた商品を配送する需要や引き取る集荷需要も増えています。

さらにジャストインタイムでは、時間を厳守するため、トラックが路上に待機することになります。本家のトヨタの工場でも、もし遅れて工場のラインが止まったら大変なことになるので、渋滞やアクシデントのことも考えて余裕をみます。結果早めに到着し、工場周辺で待機することになるわけです。

工場周辺住民も迷惑でしょうが、都内などなら、それがさらに渋滞を生む悪循環です。荷捌き場が取れるところも限られますから、路上で積み下ろしをします。その順番待ちの列が、また渋滞の原因になっています。つまり、トラックが増加した上に、あちこちで止まっていることも増えたのが、慢性的渋滞の元凶だと言うわけです。

こうして考えると、単純な駐車禁止ではトラックの荷降ろしや停車を防げませんし、迂回するバイパスや環状線などの整備などでも、渋滞の元凶となるトラックが都市中心部へ集中する状況は変わりません。これらの方法では渋滞を減らせないことになります。

しかし、我々の志向や消費スタイルが、このような物流を必要としているのも間違いありません。都市の渋滞や交通問題、環境への影響を考えたとき、公共交通の利用だとかモーダルシフトだとか、いろいろなことが言われますが、結局の原因は我々一人一人の生活スタイルにあることになるわけです。

今さらこの便利さ、快適さ、豊かさを手放せというのは、言うは易く行なうは難しです。渋滞の問題、環境の問題、都市計画の問題はバラバラではありませんし、東京一極集中や地方分権の問題など、政治や経済まで複雑に絡み合っています。そして根本的なところから変えなければ解決は困難でしょう。

そう考えると溜息の出る話です。でも、地球環境や市民の健康を考えれば、その原因となる公害をもたらす渋滞の問題から目をそむけるわけにもいきません。道のりは遠いですが、全ては、私たち一人一人を意識を変えていくことから始まるのかもしれません。




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