August 12, 2005

レンタサイクルに出来ること

国土交通省道路局昨日書いた岐阜市だけでなく、最近、愛媛県松山市などの観光地でレンタサイクル事業を始めるところが相次いでいるようです。


すでに貸し自転車がある場所はたくさんありますし、今始まったことでもありません。でも始めては、いつの間にか廃れ、また始めては、いつの間にか立ち消えているという地域も多いようです。一方でうまくいっている場所もあります。何が違うのでしょうか。

厳密に検証したわけではありませんが、うまくいかない所は、無料のところが多い気がします。最初は人気が出るかもしれませんが、そのうち自転車が減ったりします。なんでもそうですが、無料だと扱いもぞんざいになるものです。勝手に乗り捨てられたりもします。また無料な分、整備にもお金をかけないことが多く、乗っても快適でないことが多いです。結果として利用されなくなります。

放置自転車を捨てるのが、もったいないからというだけで、レンタサイクルを始めるところもあります。再利用の観点からは、理解できますが、ただ自転車を配置するだけで、戦略も構想もありません。自転車も、ひどい状態のものばかりだったりします。特に観光客へ配慮しているとも思えません。

一般的に言って、特に自治体が運営するものは、工夫がなく、ただ継続しているだけの場合も多いと思います。自治体の方には悪いですが、やはり民間と違ってサービスの視点が弱く、事業としてのモチベーションも決定的に欠けています。官がやる事業は、どうしてもそうなります。

国土交通省道路局逆に、うまくいっている所は、上手に新しい需要を生み出しています。例えば、単に駅前だから、運動公園内だから、サイクリングコース沿いだから、ということでなく、新しい観光コースや、観光スタイルを生み出し、それ自体が観光資源となっています。

今まで、観光スポットだけを訪問していたのを、スポットとスポットを結ぶラインの部分でも楽しめるように提案していたりします。観光ポイントを結ぶだけでなく、その間の街自体を味わったり、景色を楽しんだり、快適な走行を楽しんだり、地元に密着した楽しみを提供しています。近隣が連携して、相乗効果を生み出していることも多いです。

古都や、何とかの街、何とかの里といった、地域全体を味わうには、自転車はもってこいの交通手段です。今まで、いくつかのポイントしか見なかったのが、線や面として、効率よく回れます。地区の観光客の滞留時間や、全体としての客単価もあがるでしょうし、知名度アップやリピーターの確保にもなるかもしれません。

お客から見ても、観光地での効率的な交通手段が確立されれば、もっと利用しやすくなり、より魅力的になるはずです。渋滞が懸念されるのに、現地での足がないからと、あえてクルマで行く必要もなくなるかも知れません。

レンタサイクルとしても、自転車のクォリティーの向上とか、従来にない車種の充実とか、パンクなどのケアとか、雨が降り出したら即送迎するとか、もっと、いろいろ出来ることがあるはずです。安全快適な自転車レーンを充実させたり、案内表示を整備したり、景観を整備したり、休憩場所を設けたり、国や県に路面の整備の要請をするなど、自治体でなければ出来ないこともあるはずです。

政府も、観光立国とか、海外からの観光客の誘致が、いかに経済効果があるかに気づき、力を入れ始めています。その面からも、魅力ある観光地を整備してほしいものです。その中で、自転車と自転車道の果たす役割は、決して小さくないのではないでしょうか。




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