September 14, 2005

世界と自分の為に食べるもの

日本でも、最近台風や集中豪雨による、浸水やがけ崩れなどの被害が目につきます。


もともと日本は非常に雨の多い国で、年間を通して、世界の平均降水量の2倍もの雨が降ると言います。水不足の年もありますが、基本的に、水による災害については考えても、水不足ということはあまり意識しません。しかし、世界的に見ると、かなり深刻なものがあるようです。

最近、読んだり聞いたりすることも多く、気になったので、あらためて調べてみました。よく言われているのは、20世紀は領土紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になるだろう、というのです。それほど、水問題は深刻です。我々には実感が乏しいですが、水資源をめぐる国家対立や紛争は過去何度も起きています。

確かに、安全な飲み水が得られない人口が世界の5分の1もいるなどの問題もあります。年間400万人が、水を原因とする病気で亡くなってもいるそうです。そういった意味で、飲み水の問題も重要です。しかし、本当は水資源の不足が問題なのです。

量的には、飲料水の割合は微々たるものです。考えてみると、一人一日2リットル飲むとしても年間730リットルです。ミネラルウォーターにすると、けっこうな金額になりますが、日本の水道料金で言えば年間100円前後です。実際には、その100倍以上の生活用水を使っています。風呂や洗濯やトイレに炊事、食器洗いなどです。

しかし、その生活用水も、工業用水や農業用水の膨大な量に比べれば、水資源のごく一部にすぎません。最近、バーチャルウォーター、仮想水という考え方が取り入れられるようになってきました。それによると、穀物1キロを作るために1000リットルの水が必要とされています。

穀物1キロ食べると1000から2000リットル、種類や耕作条件によっては、それ以上の水を消費したことと同じになるのです。たった1キロで飲料水一年分どころではありません。さらに、牛肉1キロにつき穀物が十数キロ必要とされていますから、牛肉を1キロ食べたら、数十キロリットルの水を消費したことになるのです。

肉の消費量は、人によっても違いますが、いずれにせよ1年間の飲み水と比べたら、膨大な量になります。今はBSEの問題もあって、アメリカ牛肉の輸入はストップされていますが、穀物や肉の輸入を考えたら、日本は、こんなに降水量に恵まれているにもかかわらず、膨大な量の水を輸入していることになるのです。

この膨大な仮想水の輸入の問題は、食料安全保障の問題だけでなく、保護貿易や関税障壁、穀物価格と投機的資金、遺伝子組み換え技術と食糧増産、南北格差や貧困問題、気候変動と砂漠化、それに伴う紛争まで様々な問題をはらんでおり、一言では語れません。

しかし、今後深刻な問題になってくることは間違いなさそうです。世界的には、水がないことにより食糧生産が不足すると予想されます。飲み水がないのではなく、食べ物がなくて人々は死んでいくことになるのです。日本にとっても他人事ではなく、まさに真剣に考えなければならない問題です。

日本は先進国の中でも極端に食料自給率が低く、原油をはじめとする、あらゆる資源を輸入に頼り、こんなにも食料を輸入している先進国はなく、ある意味、非常に危機的な状態にあります。しかも、そんな中で1日に3000万人分の食料が、廃棄物や残飯として捨てられていると推計されています。

先週の調査で、国産牛肉の価格が史上最高値を記録したそうです。もともとアメリカ産牛肉の輸入禁止措置が継続しているところへ、台風の影響が重なったようです。私たちは、ふだん何も考えずに飽食の時代を生きています。先進国の中でも、極端に水資源の不足に疎いとも言われています。

いい機会だから牛肉を食べるな、なんて言うつもりはありません。しかし、食生活によっても大きく仮想水の輸入量は変わってくるのです。世界全体の食糧生産能力で、どれだけの人数が養えるかという試算は、いろいろな説もあるようですが、世界中の人が全てアメリカ人なら20億人、全て日本人なら40億人、全てインド人なら110億人という試算があります。つまり食生活によって、それだけ違ってくるのです。

最近、欧米型の食生活の弊害がいろいろ取りざたされています。一人一人が食生活を考えることは、自らの健康や体重の制御だけでなく、有効な食糧安全保障にもつながるのです。また、すぐには食生活を変えられないとしとも、せめて残したり無駄にならないようにしたいものだと改めて感じます。

ちなみに、冒頭の本は、少し前になりますが、たまたま大きな書店で目にして読んだ本です。「愉しく食べて、ビジネスで成功するための体質と脳質をつくる」「シーフードベジタリアンというライフスタイルの素晴らしさ」というところが気になって手に取りました。自分の食生活を考えてみようという方には、是非一読をおすすめしておきます。





ふと気づいたのですが、偶然にも今日は9月14日で、食いしん坊の日かなと思ったのですが、そんな日はないようですね(笑)。

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梅雨はじめじめと鬱陶しいものだけど、そのおかげで水不足に悩まされなくて済むかと思
梅雨と水不足と世界事情【人魚の涙】at September 29, 2005 10:32
梅雨はじめじめと鬱陶しいものだけど、そのおかげで水不足に悩まされなくて済むかと思
梅雨と水不足と世界事情【人魚の涙】at November 19, 2005 18:59
この記事へのコメント
東京でも大雨が降りましたね、けっこう近所で神田川や善福寺川も氾濫し。環七したの貯水調整池も初めて一杯になったようです。
最近、庭木の水遣り用に雨水を溜めだしましたが、今はポリバケツは一杯です。
環境の為に何が出来るのか、考えることの多くなった此の頃です。
Posted by 凛太郎 at September 15, 2005 00:11
凛太郎さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ホント最近の大雨は、熱帯のスコールかというような、凄い降り方をしますよね。打ち水に雨水を利用して、ヒートアイランドを和らげようなんて話もありますが、いったん降ると浸透しにくくなっているだけに大変です。
雨は、多くても少なくても困りますが、気象は制御できませんので、少しでも気候の激変を防ぐために、何が出来るかということですね。
Posted by cycleroad at September 15, 2005 05:37
 
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