September 20, 2005

二度と帰って来ないものたち

尾瀬の環境破壊だんだん秋らしくなってきました。


日本列島は縦長ですから、多少のタイムラグはあるものの、さすがにここに来てセミの声から秋の虫の声に代わっているところが多いのではないでしょうか。自転車に乗っていても耳にします。ところでこの秋の虫、言われないと気づきませんが、昔の虫の声とは違います。

場所にもよるのですが、例えばスズムシのリーン、リーンという声は最近聞きません。昔はどこにでもいたような気がしますが、最近はホームセンターなどで売られています。うろ覚えの文部省唱歌を諳んじてみても、もっといろんな鳴き声があったはずです。事実、キリギリスや、スズムシ、マツムシ、クツワムシなどは、都内や近郊の草むらから消えてしまったと言います。

クマゼミもっと違う虫の鳴き声が、うるさくて仕方がないという方も多いでしょう。もしかしたら、それは中国から入ってきたアオマツムシなどかもしれません。樹上に生息していたりするそうです。都会の中でも生態系が変化してきているのです。

メダカやトノサマガエルなど、昔から身近にいて親しまれてきた生物も今や絶滅危惧種になっています。レッドデータブックなどを見ますと、絶滅が危惧されている生物の多さにも驚きます。その影響か、逆に大繁殖している生物もあるようです。

関西では今年クマゼミが大発生したらしいですが、その生息域は年々北上し、以前はいなかった地域でも鳴き声が聞かれるようになりました。関東のセミの種類構成も変わってきているのも間違いないようです。

以前、アブラムシの大発生について書きましたが、最近ではカゲロウが大発生したというニュースもありました。エチゼンクラゲもここ数年大発生が続き、範囲も北上しているといいます。地球温暖化の影響などもあるのかもしれません。

でも、それとは別に生態系の破壊が進んでいるようです。その原因はいろいろ考えられますが、一つには外来種の移入があります。最近もサソリやピラニア、イグアナや熱帯系のヘビなど外来種の生物の目撃が話題になりました。ブラックバスなどの繁殖による漁業被害は、もはやニュースにもなりません。

ムシキングという子供のゲームが大ヒットして、外国のカブトムシ、クワガタムシの輸入が1000倍以上に増えたそうです。年間百万匹の単位で輸入されるようになっていると言うのですから、凄まじい量です。こうした虫やペットとして輸入された生物が逃げ出したり捨てられたりして、日本古来の固有種と交配したり駆逐するということもあるようです。

カゲロウ今は、異常発生などのニュースになるだけかもしれませんが、確実に生態系が崩れ、絶滅する生物が出てくるでしょう。そして、それらは昔のアルバムのように復刻したりすることはありません。ただ、虫の声として聞けなくなるだけでなく、我々の思いもよらない影響が出でくることもあるはずです。

それがウィルスや未知の疾病の流行になるのか、アトピーやアレルギーとして食物連鎖の頂点としての我々の体に現われるのか、作物の不作や自然災害などとして起きるのか、もっと未知の遺伝子レベルの障害として起きるのか、私にはわかりません。しかし、何らかの自然からのしっぺ返しが起きるのは必然と言っても過言ではないのです。

少なくとも、絶滅によって生物の多様性が失われて行きます。ハーバード大学の生物多様性の研究者によれば、もし昆虫その他の陸生の節足動物がいなくなったら、人類はおそらく2、3ヶ月しか生きてゆけないだろう、と述べています。生物の多様性が失われるということは、確実に人類の滅亡につながることなのだそうです。

子供の頃、近くの雑木林で捕まえた昆虫を飼育するうち、その寿命の短さを知ってかわいそうになった経験はないでしょうか。林に返したりした経験のある人も多いのではないでしょうか。今、外来の昆虫でそれをやると問題なのですが、子供には悪気があってのことではないのが厄介です。

もちろん故意にブラックバスなどを放流する確信犯もいますが、子供の悪気のない行為、無知によるもの、うっかり逃げられたりするものも少なくないでしょう。中には自分ひとりくらいと甘く考えてしまう人もいるかもしれませんが、小さなその行為がもたらす危険性について、もっと多くの人が知るべきだと思います。

クラゲ尾瀬のミズバショウは巨大化しているそうです。本来は大きくても拳くらいだそうですが、中には数倍もあるゾッとするような大きさのものも出現していると言います。観光客の弁当の食べかすなど、僅かなものがもたらす富栄養化の影響です。人間のちょっとしたわがまま、ちょっとした不注意が、自然を傷つけることを自覚しなければなりません。

自然に絶滅するのは約400年に1種と考えられています。それが人類の登場以後急増し、特に西暦1600年以降は加速度的に増えているそうです。すべての種で考えると、毎年2万7000種が消えているという推計もあります。

今、まさに大量絶滅が進行しているのです。現在進行している絶滅は、人間が引き起こしています。これまでの環境変動による絶滅は進化を生んできました。しかし、人間が原因となる急激な絶滅にはそれがありません。

生物の多様性が、ひとつ、またひとつと失われて行っています。地球上の生物は、過去にも大量絶滅に見舞われていますが、一番最近の大絶滅は、6500万年前の恐竜の絶滅です。スピードから言っても、それ以来の大絶滅の危機にあることは間違いないようです。

スズムシを一生懸命繁殖させて、放虫しているグループがあるそうです。ほかにも絶滅危惧種の絶滅阻止に努力している人たちがいます。尾瀬の環境破壊を必死に食い止めようとしている人たちもいます。そうした人々の努力も、我々の不注意で、結果的にあっという間に水泡に帰す危険性があります。ワシントン条約を遵守するなどは当たり前ですが、そうでなくても、我々の行為がもたらす危険性に、もっと自覚を持ちたいものです。


 ガーミン特集  ドイター特集    防災特集  


何の映画だったか、大量の虫が人間を襲うシーンに、ゾッとした記憶があります。そんなシーンが本当に起きないといいですが..。

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この記事へのコメント
TBありがとうございます。
>我々の行為がもたらす危険性に、もっと自覚を持ちたい
おっしゃるとおりで、無知・無邪気にともなう人為的な作用が、取り返しのつかない結果にむすびつくかもしれない潜在的危険性は時々刻々増しているような不安を覚えます。
Posted by サムディ at September 25, 2005 22:39
サムディさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
同感です。私たちに見えないところで、進行しているでしょうね。不気味な感じがします。もっと、危険性が広く周知されるべきですし、規制もされるべきだと思いますね。
Posted by cycleroad at September 26, 2005 07:27
TBありがとうございます。
本当に今は加速度的に環境、生態系の変化が進んでしまっていて、それは確実に人間の活動のせいです。
「子供達に悪気はない」本当にそのとおりだと思います、
子供達(大人も)に少しでも正しい知識を身につけてもらうことが重要ですが、それ以前に「わかっててやってる」業者などは意識だけではどうにもならないので、やはり規制が必要になってきてしまうでしょう。
「どうすればいい」のかはわかりませんが、こうやって危機感を持っている方の意見を少しでも知ることができて、輪が広がることが重要だと思います。
Posted by tacks at September 26, 2005 11:15
tacksさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
今話題になっているアスベストなんかもそうですし、薬害エイズなどの問題でも、後になって行政の不作為の責任が問題になります。この問題も、専門家が指摘しているように、将来大きな禍根を残す可能性があります。おっしゃるように、規制が必要ですね。
世界的に絶滅した種の、原状回復は不可能です。私たち一人一人も気をつけなければいけない事を、多くの人に知ってもらいたいですね。
Posted by cycleroad at September 26, 2005 19:26
 
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