November 09, 2005

安全だけでない価格差の周知

BAA最近見ない気もしますが、一時期、自転車の新しい安全基準「BAA」のテレビコマーシャルが流されていました。なぜ今さら安全基準なのかという気もしますし、一般の関心も高くはないですから、どれほど周知されたのか疑問ではあります。


もともと、自転車にはJISマークやSGマーク、TSマークなどがつけられていましたが、最近特に安くて粗悪な自転車が売られるようになったことも背景にあって導入されたのが、BAAマークです。実際に、普通の自転車では考えられないような事故、自転車本体が原因による事故も起きているようです。フレームが折れたり、主要な部品が脱落したり、かなり粗悪で危険な自転車が出回っているそうです。

その背景には、この10年で自転車の輸入が3倍にも増えたことが大きく関わっています。逆に国内生産は3分の1になってその割合は逆転してしまいました。単価も大きく下がったのは、多くの人が感じていると思います。安くなったぶん全体の販売数は年間800万台程度が1100万台にまで増えています。

輸入の多くは中国産です。台数的には国内販売の8割を占めるほど圧倒的に多いです。次に多い台湾製ですら年間60万台程度です。それに比べアメリカ製は年間約1万台、ドイツ製約3千台、イタリア製約1200台です。単価を比べると、アメリカ製もドイツ製も平均単価は8万円以上。イタリア製は11万円以上です。それに比べ中国製は6千円にも満たない額です。

BAAマークいくら中国の人件費が安いと言っても、この値段では材料費や加工費が削られた粗悪品が混ざっていてもおかしくありません。事実、メーカーや輸入業者すら明らかでない自転車もあふれています。粗悪な廉価品の蔓延は非常に危険なだけでなく、自転車が使い捨て感覚になり、放置自転車の台数や廃棄台数も大幅に増やしています。

これだけ輸入状況が変わったのは、自転車の関税が撤廃されたからです。ガット(関税と貿易に関する一般協定、今は国際機関WTO。)における合意によるものです。例えばEUは、中国に対する自転車の反ダンピング関税を今年3割から5割近くに上げるなどの措置をとっていますが、日本だけ、なんと関税ゼロなのです。道理で輸入が増えるはずです。

関税でなくても、粗悪品を排除するために、安全基準に適合しない製品の輸入を規制すればいいのにと思ってしまいます。保護貿易主義を唱え、規制緩和に逆らうわけではありませんが、人々の安全に関わることでもあります。野放図な廉価品の流入はゴミを増やし、資源の浪費でもあります。放置自転車の増加という事態も引き起こしています。

ところが、やはり規制は非関税障壁でもありますし、なかなか難しい面もあるのだと思います。結果としてBAAマークの自転車を買いましょうというキャンペーンによって、消費者の選択を促すしかないのでしょう。それにしても日本だけ非課税という事実は、他の品目との兼ね合いだけでなく、外交下手のせいもあるとは思います。自転車業界の政治力のなさもあるのでしょう。

先週の東京サイクルショーでも、盛んにBAAの周知イベントをやっていました。しかしサイクルショーのようなイベントに来る人は、ほとんど6千円の自転車を買わないと思いますから、あまり効果も期待できません。結局、一般向けにテレビCMなどに頼らざるを得ないわけでしょう。そして最終的に消費者が買わないようにするしか、これら粗悪品を排除する方法は、現状では見当たらないわけです。

BAAマークというネーミングといい、安全だけではアピール度は高くありません。新しい安全基準と言われても、壊れる前は何も問題なく見えますし、あまり基準の重要性が実感できないのも事実でしょう。もっと具体的な事故の状況や危険性も知らせるべきですし、壊れやすさなどの現実的なデメリットも知らせるべきです。

もちろん安全性は重要です。しかし、粗悪品の排除するため、買わないよう啓発するには、消費者へのアピール度が低いのも事実です。例えば、同じママチャリだったとしても、値段が違うといかに走りが違うかを実感してもらえるような取組みも有効だと思います。スポーツタイプも含めて、高い自転車には当然それなりの違いがある事が理解されてくると、けっこう違うと思うのですが..。



以前記事にした「ホワイトバンド」ですが、購入者から疑問の声が大きくなったことを受けて、とうとう売り上げから2900万円を基金に拠出すると発表したようです。それにしても日本だけで400万本で300円、12億ですか。ずい分売れてたんですね。


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チャリンコ&ライトマニアじゃないけれど、【さぶちゃんblog】at March 07, 2007 00:15
この記事へのコメント
私はまだ自転車を本格的に乗り始めていないころに一度上り坂を登っていこうとしたときにチェーンがブチ切れたのを鮮明に覚えています。確かそのときの自転車は1万円未満のものだったような気が・・・やっぱり安い自転車は怖いです。有名な自転車メーカーで安いのであればまだまだ信用はできますが・・・乗り捨てられている自転車を見ると悲しくなりますね。長持ちさせようという気がなければ買わないほうがいいのでは?なんて思ったりします。せめて基本的なメンテナンス・洗車ができれば簡単に5年はもちますからね〜。そういうことをみんなにわかってもらえれば自転車を単なる”買い替え可能なもの”という考えだって消えるに違いないと私は思います。
Posted by 沖縄の人 at November 10, 2005 22:36
沖縄の人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
チェーン切れなんて滅多に起きないですからね。でも下り坂でブレーキだったりしたら、もっと怖いです。速度を出して、段差の衝撃でフレームが折れるなんてことも起きているらしいので、シャレになりません。安くても最低限、信用あるメーカーの安全基準に適合したものにすべきですよね。
捨てられた自転車を見ると悲しくなる気持ち、よくわかります。私も本格的に乗る前のママチャリでは、あまりまともなメンテナンスはしていませんでしたが、結構いい値段のものでしたから、かなり長持ちしました。
そうですね。買い替えるものと言うより、壊れたり消耗した部品を必要に応じて交換して乗り続けられるものということを知って欲しいですね。
ところで、沖縄は潮風ですぐ錆びるので自転車に乗る人が少ないと聞きますが、洗車やメンテナンスも大変なのでしょうか?
Posted by cycleroad at November 11, 2005 19:49
あぁー、ブレーキが使えないのは怖いですね・・・考えてみただけで冷や汗が出てきます。やっぱり沖縄は車を使う人が多いですね、電車もないので・・・私的には自転車で十分のような気もしますが人間は便利なものばかりを求めてますからね。でも本格的な自転車のりは結構いますよ〜、特に北部は道もいいので乗りにいく人がいます。潮風はあることはあるんですが私は自分の部屋にとめていますのでさほど影響はないような気がします。cycleroadさんのブログはいろんなことが書いてあっていつも楽しませてもらってます。今後もよろしくお願いしますね〜!!
Posted by 沖縄の人 at November 12, 2005 00:05
沖縄の人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど、そうでしたね。電車がないと、駅まで自転車というパターンはないですから、いきおいクルマになるでしょうね、やはり。
そうですか。まあ沖縄県内でも地域にもよるのでしょうね。ほかの県でも坂が多い地区は少なかったりするでしょうし。私もそうですが、スポーツ系の自転車に乗っているような人は、室内保管も多いですから、塩害はあまり関係ないですね。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いしま〜す!!
Posted by cycleroad at November 12, 2005 09:33
 
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