November 15, 2005

あなたを触発する人生の先輩


今日11月15日は坂本龍馬の生まれた日です。しかも、今年は生誕170周年にあたるということで、各地で記念行事などが行われているようです。坂本龍馬ファンは多く、全国に「龍馬会」などの組織がありますが、今年から千葉県にも発足し、残る空白県は戊辰戦争の激戦地でもあり、会津藩のあった福島県だけだそうです。


坂本龍馬については、私が改めて述べるまでもなく、その気宇壮大な志といい、自由闊達な思想といい、時代の常識を越えた行動力といい、維新の回天を切り開いた短くも熱いその生涯は、多くの人を今もひきつけて止みません。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」をはじめとする多くの小説やドラマに取り上げられたおかげで、本来の人物像との乖離も指摘されるところですが、それだけ取り上げられるほど日本人に好かれていることも間違いありません。

ところで、龍馬と同じ土佐勤皇党の志士、武市半平太の弟子に檜垣清治という人がいました。この人は坂本龍馬に心酔しており、鏡心明智流の一流の使い手でもあったそうで、腰に自慢の太刀をさしていました。江戸で檜垣と会った龍馬は檜垣の長大な刀をジロリとみて、「無用の長物じゃ。刀が何尺長いからといって偉くもなかろう」と言って自分の短い差し料を見せたそうです。

檜垣にしてみれば、長い太刀を操る力量を誇示したい気持ちもあったのでしょうが、確かに実戦では長くて重い刀を振り回すより素早く操れる方が勝ります。ましてやこの時代、伏見寺田屋事件ではありませんが、彼らは座敷で刀を使うことが想定されたわけです。長くては、鴨居や柱に打ち込んでしまい、致命的な隙を見せることになりかねません。合点の行った檜垣は短い差し料を作ります。

次に檜垣が龍馬に会った時に短い刀を見せると、竜馬は笑いながら懐から西洋短筒、今で言うピストルをとり出すと、空へ向かって一発ぶっ放したそうです。もはや刀剣の類は時代遅れと悟った檜垣は、非常な苦労をして、当時入手困難だったピストルを手に入れたそうです。しかし、また次に会った時、龍馬は懐から一冊の書物を取り出し、「これからは世界を相手にしなければならん」と「万国公法」を見せたそうです。

司馬遼太郎や童門冬二などの作品にも出てくる有名なエピソードです。ご存知の方も多いと思います。このエピソード、今だったら何だろうなと考えてしまいます。時代も違いますし、直接関係ないのですが、私が何となく連想するのは、乗り物についてです。

私も経験ありますが、多くの高校生が、先輩や周囲の人などに刺激を受けて、原付バイクの免許を取ります。またすぐ周囲に影響されて自動二輪に乗ることになるでしょう。その頃先輩はクルマに乗っています。それで18歳になるとクルマの免許を取って、オートバイを卒業します。クルマも、だんだんグレードアップして、大排気量の高出力車になっていきます。

でも次に会った先輩は、主に自転車に乗っているかもしれません。クルマに乗ることもあるでしょうが、あえて必要もない時は乗らない。「これからは環境のことも考えなければならん」と言うかもしれません。クルマのスピードやパワーを追い求めるのは時代遅れだと悟ることでしょう。多くの男性は、若い頃は当たり前のようにクルマやオートバイに熱中しますが、やがて自ら変革し、考え方を変え、成長していかなければならないことに気づく人もいます。

私も高校の頃はオートバイに乗っていましたし、その後クルマにも乗ってきました。決して偉そうなことを言える立場ではありません。でも今、自転車に乗っていると言うと、主に私よりも若い連中には、理解されないことがあります。まだ、何か自転車に乗っていることが、カッコ悪いとか、貧乏くさいとか、クルマにあまり興味がない変わったヤツと思う人もいるようです。

人それぞれですから、文句を言うつもりはありません。別に地球環境だ温暖化防止だと、エコロジストぶって、偉そうに言うつもりもありません。ただ、一つの価値観の延長線でだけで考えていたら、見えないもの、見ても理解できないものもあることは確かです。むしろ、いつまでも時代から取り残された考え方をしていることに気づかず、周りから密かに笑われているかも知れません。


北辰一刀流の免許皆伝で、千葉門の塾頭にまでなった龍馬は、この時代屈指の剣の達人でもあったわけですが、伏見寺田屋で、長州藩が護衛として派遣した三吉慎蔵と共に奇跡的に大人数の中を切り抜けた時でも、結局刀は抜かなかったと言います。稀代の剣豪ながら、襲撃されても刀を抜かない、古今東西、類をみない剣客だったと書かれています。

もちろん、尊皇攘夷に凝り固まらず、脱藩して幕臣にも師事し、薩長連合を構想し、亀山社中から海援隊を起こし、新政府の構想も暖め、世界との交易を夢見るなど、非常に柔軟に新しい考え方を入れ、時代の常識からも超越するような、客観的かつ進歩的で、新進の気概にあふれ、優れて向上心のあった人物です。

坂本龍馬の話とは比べるべくもありませんが、何となくこのエピソードから連想したので書いてみました。時代の傑物、坂本龍馬は、170年前の今日生まれました。ちなみに、亡くなったのも、その32年後のやはり今日でした。



あの話、どの辺に書いてあったっけ?という時、特に長編の場合は、本の中身を検索できると便利ですね。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどが蔵書検索の分野へ進出し始めているようです。日本の場合は、また少し事情も違うようで、著作権の問題でどうなるか、いつのことになるかわかりませんが、実現すれば調べ物をするときには便利になりますね。

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11月15日は、坂本龍馬の誕生日、及び命日でした。 高知市では、盛大なる誕生祭がおこなわれたようですが、町の人にも 情報があいまいで「よさこい踊り」もあるという話が、ほうとう? というぐらい知られてなかったらしいです。  「寒いのでコートをきてこの場所に集まって...
龍馬誕生祭【幸せの雲と整体師】at November 17, 2005 18:41
この記事へのコメント
はじめまして。
龍馬の本、かなり詳しく書かれていますね。
今年、新たに読んだのは、竜馬の手紙と龍馬と旅するです。
車のない時代に、遠くまで歩き回っていますよね。
Posted by 金星 at November 17, 2005 18:44
金星さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本の写真と、書いた記事の内容は直接は関係ないのですが、いろいろな作家の本が出ていますよね。私も幾つか読んでいます。
いろは丸とか、船も使っているのもあるでしょうが、確かにあの時代の人としては、かなり動き回った人でしょうね。日本初の新婚旅行もしてますし(笑)。
Posted by cycleroad at November 18, 2005 07:10
 
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