November 18, 2005

助けてもらうと弱くなるもの


電動アシスト自転車を見るようになりました。


各社呼び方が多少違う場合もあるようですが、いわゆるバッテリー駆動のモーターが、人力を補助してくれる自転車です。1994年初登場ですから、もう10年以上も経っています。最近、全般的に人気も高まってきており、国内の生産量の1割を占めるまでになっているそうです。

ペダルの踏む力や回転数などをセンサーで検出して、モーターによりペダルの踏力を低減させるわけですが、道路交通法により人力とモーター動力の補助の比率は最大 1対1と決まっています。それも時速15kmまでです。以降割合は減って、時速24km以上では補助はなくなるようになっています。もちろん原付バイクとは違うので免許は不要です。

ペダルをアシストするタイプ、後輪をアシストするタイプ、前輪を駆動して、後輪の人力と合わせて両輪駆動になるタイプなど、各種方式があります。日本では数社が製造していますが、いずれも性能が上がってきており、OEMでプライベートブランドの製品なども出てきています。中には、下り坂やブレーキをかけたときに充電するものまであります。



問題だったバッテリーの持続時間やメモリー効果、バッテリーが切れたときの重さなどもかなり改善され、軽量化もはかられてきているようです。値段も下がってきています。いわゆるママチャリタイプが多いですが、最近は、折りたたみや、マウンテンバイク風のものも販売されるなど種類が増えたことも、人気に拍車をかけているようです。

起伏等の地域の特性によるものだと思いますが、普及のバラつきも見られるようです。坂が多いところだと、引き合いも強いでしょう。かなり普及割合が高い所もあるようです。よく、長崎などの坂が多い街では自転車が少ないなどと言われますが、電動アシストの普及により変わってくるのかもしれません。もちろん平坦でも、お年寄りなどにとっては有益でしょう。

私も、特に興味がなかったのですが、実際に乗ってみると確かにラクです。ペダルが驚くほど軽くなり軽快です。特に踏み出しが軽くて、使いやすいと感じます。私はママチャリを持っていませんし、乗る気も予定もないのですが、欲しがる人の気持ちは理解できるようになりました。もし普通にママチャリに乗っていたら選んでいたかもしれません。




電動アシスト自転車は、今後も低価格化が進んでいくとは思いますが、現在、最低数万円はします。数千円の格安のママチャリが普及することによる「自転車の使い捨て化」の傾向への歯止めの効果も期待できるのかもしれません。ママチャリは、かなりの割合が電動に置き換わっていく可能性があります。

ただ、私がイマイチその商品性に疑問を感じるのは、何かマッチポンプ的と感じるからです。もともとのママチャリが重すぎるからこそ、坂を登るのが大変なのであり、電動アシストが必要になるわけです。電動アシストにすることによっても、かなり重量が増加します。それを電気で補おうというわけですが、あくまでもアシストです。電動にせずとも、単純に重量を軽くすればいいような気もします。どちらにしたって、漕ぐわけですし..。

例えるなら、最近の薄型テレビの大型化もそうです。やたら画面を大きくするものだから、画像の荒さが目立ちます。だからハイビジョンで精細な画像が必要になるわけで、小さければハイビジョンでなくても問題ない気がします。

クルマでも、重くなると大排気量が必要になり、その分また重量が増しますが、軽ければ小排気量でも充分なわけです。結局余分なものをつけることにより、その分、余分にエネルギーが必要な構図と言えるでしょう。もちろん作るための資源も増加しますし、廃棄物も増えるので、無駄も大きくなります。




そうは言っても資本主義の世の中ですから、需要があれば作られます。需要を作り出す意図も当然あるでしょう。経済とはそういうものでしょうし、環境保護や省資源とは相反する仕組みなのですから、致し方ありません。商品でも、会社や行政などの組織でも、人間の生活や欲望でも、何でも肥大化するのが常です。

電動アシスト自転車は、遅くて重いママチャリという日本独特の事情、商品、あるいは日本の道路行政が生んだとも言えるかもしれません。それに対し、余分なものをそぎ落とし、自転車本来の速さ、軽さを求める方向へ発展したものが、スポーツ系の自転車です。

一般的にスポーツバイクに乗る人は皆そうだと思いますが、伸びたと言っても、航続距離が30キロ程度ではお話になりません。スピードも出ませんし、重いです。単に駅までの交通手段とするなら便利かもしれませんが、何より、乗っていて楽しくない面があるのも否めません。別にアンチ電動アシスト自転車派ではありませんが、やはり私はあまり乗る気がしないのも確かです。




◇ ◇ ◇

映画、「ALWAYS・三丁目の夕日」が好評のようです。私はもちろんまだ生まれていない時代なんですが、予告編なんかを見ると、なぜか懐かしい感じがするのは何故でしょうか。ふだん、あまり邦画は見ないほうなんですが、なんか惹かれます。見に行こうかな。

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