
昨日は道路の補修、維持についての話題を取り上げましたが、路面上の障害は、必ずしも破損や劣化だけとは限りません。

それは段差です。特にタイヤの細いロードバイクに乗る場合は、気を使うこともあるでしょう。車道でも路面の沈下や劣化で道路の継ぎ目が段になっていたり、アスファルトが盛り上がって段差になっていることもあります。そして街中では、乗る自転車によって程度の差こそあれ、歩道を通行することもあると思います。
車道と歩道との間には、まず必ずと言っていいほど段差があります。だいたいスロープが作られ、その段差も小さくなる傾向にはありますが、それでも数センチはあります。この段差について、自転車で通りにくいから解消しろと言うつもりはありません。基本的には自転車は車道を通るものですし、路肩の不備や規制などにより歩道を通らざるを得ない場合でも、減速して乗り越えればすむことです。

ロードバイクなら車道がほとんどかもしれませんが、ふだん街乗りが多く、住んでいる地域によって、広い歩道があるなど、歩道を通ることが多ければ、段差に強い自転車を使った方が楽でしょう。サスペンションがあったり、太めのタイヤを履くクロスバイクや、マウンテンバイクのタイヤをスリックの細めのものに履きかえる手もあります。段差を頻繁に超える場合には、その方がよっぽど実用的とも言えます。
自転車では、そんなに段差に悩むものでもないでしょう。しかし、車椅子にとっては大きな障害物になります。べビーカーやショッピングカートにとっても優しくありません。お年寄りの使う歩行器やシルバーカー(一番下の写真。クリックすると種類が見れます。)なども忘れてはいけません。子供用の三輪車も含めて、意外に段差に苦労している人はいます。社会の大きな方向性としては、段差の解消、バリアフリー化の方向に間違いありませんが、街中の歩道については、まだまだ対策が進んでいないところも多いです。

先日見て来た東京国際自転車展に、スポーツ車椅子などが出展されていました。バスケットボール用とかテニス用などの種類もありました。自転車も進歩していますが、パーツ的に共通する部分も多い車椅子も進歩しているようです。私は、プライベートで車椅子に接する機会があります。もちろん押したり、クルマで運んだりですが、自分で乗ってみることもあります。
いろいろなタイプもあると思いますが、昔に比べて最近の車椅子は軽くて良くなっています。自転車のパーツ加工の技術の進歩なども貢献しているのでしょう。しかし、実際に乗ってみるとわかりますが、それでも自分で移動するのは大変です。ちょっとした路面の傾斜、舗装の状態、タイルの凸凹、路面の標識、点字ブロック、排気口などの鉄網の蓋、マンホールなどによっても、走行は阻害されます。

路上の看板など障害物も邪魔になりますが、その看板のための電源コードをモールに通して歩道を横断させてあったり、足拭きマットが出ていたり、ゴミや落下物にも影響されます。一般の人が気づかないものも沢山あるのですが、その中でもやはり段差は大きな障害物です。
私などは、車椅子を使っている方の苦労の、ほんの一端もわかっていないかもしれません。それでも感じるのは、せっかく車椅子が良くなって、展示にあるようなスポーツタイプの車椅子も出来るなど、外出する条件が整ったとしても、街なかの段差の解消が進まないと、なかなか厳しいものがあると思います。


しかし、考えてみますと、歩道を高くする必要は認めますが、クルマの方が段差を乗り越える形に出来ないものでしょうか。もちろん大きな道路では無理でしょうが、小さな路地があるたびに歩道は途切れ、段差が作られています。逆に歩道の方をそのまま、平坦なまま連続させ、クルマの方が段差を乗り越える手はないのでしょうか。クルマも徐行するでしょうし、多少の段差があっても、クルマには動力があります。でも残念ながら、そういう議論はあまり聞かないようです。(冒頭の写真は一見そのように見えますが、実際はどちらにも段差がないようなので少し違います。)
また、ごく稀にですが、車道と歩道のスロープの数センチの段差を、さらにアスファルトで埋めて段差を解消しているのを見ることがあります。その周辺だけのようですし、アスファルトの付き方が整っていないなど、専門業者のやったこととは思えません。おそらく地元の方が工夫されたのでしょう。毎日通勤で自転車を使う人が、アスファルトを使って手作りで段差を埋めたのかも知れませんが、もしかしたら車椅子を利用されている方が必要に迫られてのことかもしれません。
おそらく、規格や設計施工要項が決まっているのでしょうけど、新しく作られた歩道でも、意外に段差が大きいことが多いのが現状です。一方で、段差のない、きわめて平滑な形状で道路につながる歩道も存在します。せっかく段差解消のためスロープをつけるのであれば、こうした細部まで是非考えて欲しいところです。
ちょっと前に、兵庫県相生市に「ど根性大根」が生えてきて話題になってました。あれもテレビで見る限り、横断歩道に接する歩道の段差に出来た亀裂部分のようでした。折られたとか、さらに抜かれたとか言っていました。
ところで、あれって本当に生えてきたのでしょうか。誰かが買い物帰りに落とした大根を、見つけた人がシャレで埋めたなんてことはありえないのでしょうか(笑)。
その後、大切に水栽培している市役所もご苦労なことですが、「ど根性ナス」が高松市と宇部市で、「ど根性キャベツ」が掛川市で、などと続々報じられているのも、なんだかなぁって感じです。それを言うならタンポポなんて、あちこちで根性出してますけど..(笑)。
Posted by cycleroad at 08:00│
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