
京都でギグレースの大会が行われたようです。あまり耳慣れない競技ですが、言ってみれば新しい自転車レースなのです。
実はギグレースとは、犬で自転車をひかせるレースです。ギグレースのギグ(Gig)とは、辞書を引くと1頭引き2輪馬車という意味となっています。欧米では下の写真のような、立ったまま乗る台車と言うかカートで競技を行うようです。映画「ベン・ハー」のイメージでしょうか。日本人はあまり馬車になじみがありませんが、ちなみに「バギー」「カブリオレ」「キャラバン」「キャリッジ」「チャリオット」「コーチ」「クーペ」「ワゴン」なども全て馬車の種類です。自動車の種類に引き継がれているものも多いですね。

さて、ここで言うギグレースは馬でなく犬ですが、元々は犬ぞりレースから来ているようです。雪がなくても犬ぞりレースが出来るようにカートになったようですが、日本では独自に、自転車でのギグレースが行われるようになったのだそうです。つまり犬ぞりのソリのかわりが自転車です。
自転車なら手軽に手に入ります。立って乗るカートでは、別途製作や保管も大変ですし、かと言って他にあまり用途もなさそうです。とりあえず、ハーネスと呼ばれる引き縄があれば練習も出来ます。競技の普及面でも懸命な選択でしょう。もちろん犬の足に負担がかかりますから、舗装路ではなく土のコースを走るので、マウンテンバイクなどが使われるようです。重心の低さや扱いやすさから、熟練した人はBMXを使う事が多いそうです。

昨今のペットブームを受けて、ドッグランと呼ばれる犬の運動場のような設備が各地に出来始めています。またフリスビーフドッグと言って、人間が投げたフリスビーを犬がキャッチして持って帰る競技や、アジリティと呼ばれる犬の障害物競走なども盛んになってきているようです。ギグレースもそうした流れの一部でもあるのでしょう。
ギグレースは、基本的には犬が自転車を引いて走りますが、人間は自転車を押して走ってもよく、もちろんペダルをこいでもいいそうです。そうするとダートの自転車レースになってしまいそうですが、実際には犬が走るのも速く、引っぱられる形になるようです。こぎ過ぎると、ハーネスがゆるので、犬は前のめりなります。遅すぎるとブレーキがかかって、犬は引っぱってはいけないと勘違いするなど、簡単ではないようです。

犬に詳しくない素人からすると、犬に自転車を引かせるのは、犬がかわいそうに思いがちですが、そんなことは無いようです。雪上の犬ぞりでもよく聞く話ですが、犬は走りたくて仕方がないものだそうです。とは言っても、馬に米俵をひかせるような力比べの競技と違って、ソリはひき始めると軽くなります。自転車の場合も車輪なので、同じようにひき始めると軽くなるのがポイントです。ですから決して虐待や重労働の強制ではなく、犬も走れて喜ぶようです。
早速試してみようと言う方もいるかもしれませんが、トレーニングには、いろいろ
守るべきポイントがあるようです。もちろん、散歩のついでに公道のアスファルトで練習するのは、いろんな面からNGです。そうでなくても最近のペットブームで、にわか飼い主が、自転車にのったまま散歩させて、トラブルになる例も多いようです。自分や通行人、他の自転車を引っかけケガをさせるなど事故もおきているようです。くれぐれも安全の確保が出来て、他の人に迷惑のかからない場所でやるべきでしょう。
まだまだ一般的ではありません。それもそのはず、単に犬ぞりのトレーニングの一つだったものが、自転車によるギグレース競技となったのが1994年と言います。意外にも発祥の地は京都だそうです。実は以前、
犬力自転車の話題や、
ウェーキードッグという犬の自転車での散歩道具も記事で取り上げたことがあります。犬と自転車をつないで、スポーツにまでなっていたんですね。私も実際の競技の様子を見たわけではありませんが、ちょっとやってみたい気もします。
健康診断などで胃のレントゲンの時に飲むバリウム、出なくて苦労したこと有りませんか。今日のニュースでは、なんだか副作用もあって、死亡例もあるとか。あまり騒ぐほどの話ではないようですが、今頃になって副作用ってのも..。予防接種だとか、治療法などもそうですが、今までの医療の常識が覆ることも出てきているようですね。
Posted by cycleroad at 07:00│
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