December 01, 2005

遭ってからでは遅すぎること

こちらは訓練です毎日、いろいろな事件が起きます。


深刻な社会問題から芸能スキャンダルまでいろいろですが、事件や事故の報道がメディアを騒がせます。一方で報道されないものもたくさんあります。(冒頭の写真は本文と直接関係ありません。)

特にテレビの報道は、ワイドショー化というフレーズが使われることがありますが、芸能スキャンダルばかりか、社会問題や政治・経済のニュースまでもが、一つ集中的に取り上げられる傾向が高まっているような気がします。どこの局を見ても同じニュースで、しかもそのニュースばかり、という傾向が強まってないでしょうか。

もちろん、社会が注目するニュース、大きな社会問題や関心事はあります。しかし、視聴率を意識した、センセーショナルな事件報道に偏ったニュース構成になっている報道番組も多いと思います。どの局も同じニュースの報道合戦に終始し、広い視点や不偏な報道という観点が失われているようにも思えます。

またそれによって、個人のプライバシーの侵害が起きたり、被害者や関係者の心情を無視し、その神経を逆なでするようなリポートが問題になることもしばしばあります。記者やレポーターが警察の捜査まがいの取材を行い、早朝深夜であろうと周辺住民の迷惑お構いなし、と言った姿勢も見受けられます。確かに掘り下げられた報道になるかもしれませんが、必ずしもその必要のない犯罪や事件も多いでしょう。

週末などに、ニュースごとの取り上げられた時間のランキングを紹介する番組がありますが、その週のトップニュースとその関連ニュースに大きな時間が割かれ、圧倒的な割合になることも多いようです。一方で、必ずしも視聴者の関心は高くないが重要なニュースが葬られ、結果として国民の目からそらされてしまいます。

こちらは訓練です最近の劇場型選挙や、ポピュリズムもまた別の意味で問題がありますが、ほかの国と比べると、極端に政治や国際問題などに関心がない市民を増やす結果になっています。一億総愚民化させるメディアとも言われますが、日本の政治が二流なのは、選挙民の意識の低さこそが原因なのでしょう。

もっと身近な事件事故についてはどうでしょう。よく「検挙に勝る防犯なし」と言われますが、事件発生時は、報道されて注目されたのに、その検挙・送検は大きな報道にならない例もあります。すると、そういう事件があったという記憶はあっても、逮捕され有罪になったという認識はないことになってしまいます。もちろん良識ある大人は良くても、未成年などには、そうした事件を起こしても捕まらないという間違った認識を与えることにもなりかねません。模倣犯、真似してみる愚か者も増えます。

例えばこのブログでも5月に取り上げましたが、広島の可部線などで、線路に相次いで自転車が置かれていた事件を覚えておいででしょうか。その当時は、線路に置石でなく、線路に置き自転車と報道されていました。その後千葉などでも、似たような事件が続発しましたので、覚えておいでの方も多いでしょう。

では、その犯人が逮捕されたことはご存知でしょうか。もちろん、この事件の検挙だけが大きく報道されることは期待できません。でも逮捕検挙されたことばかりか、有罪が確定し、どのくらいの刑罰に処せられたのか、また民事上の責任として鉄道会社に対する賠償が、どれほど大きくなったのかについても報道されると、再発抑止に対する効果は大きいと思います。

実はつい最近でも、あいかわらず北海道や神奈川などで似たような事件がおきています。大きく報道もされていませんし、あまり話題にも上がっていませんが、列車往来危険という重大な犯罪です。死傷者が出る大事故につながりかねません。鉄道会社などだけでなく、警察の捜査や再発防止措置などの社会的コストの増加も馬鹿になりません。

静岡では、国道上に架かる陸橋の上から、下を走る道路に向かって自転車やコンクリートブロックをクルマめがけて投げ込んだ少年3人も逮捕されました。テレビで報じられるほどの大騒ぎになるとは思わなかったなどと話しているそうです。罪の意識の希薄さにも唖然とします。

置石などをする浅はかな人間は多くないとする意見もあるでしょう。しかし、その僅かな人間が起こす事件が相変わらず後を絶ちません。置石に限らず、詐欺でも窃盗でも傷害でも、いかに犯罪が割に合わないか、検挙され有罪になった犯人がどのような代償を払うことになるのか、その後の人生にいかに影響するのか、なども知らせる必要があるでしょう。

また、犯罪被害者にも目を向けるべきです。いかに理不尽な目にあったか、どんな苦しい思いをしているかを知って、他人事でないことを実感すると、犯罪の抑止についても考えます。もちろんプライバシーは別として、多くの人に知ってもらい、考えてもらう事が必要です。テレビでは、当然視聴率の問題がありますし、見てもらわなければ意味がないところが難しいところです。

犯罪や事件が起きてからでは遅すぎます。報道と別枠の番組でもいいですから、こうしたことを啓発する番組があってもいいと思います。場合によっては、政府や自治体が番組提供をしたっていいでしょう。地道な警察の防犯活動も重要ですうが、未然の犯罪抑止という視点で、出来る事もあるのではないでしょうか。




◇ ◇ ◇

今日は映画の日です。先日映画の話題で、お勧めの自転車の映画についてコメントをいただきました。自分の趣味じゃない映画とか、自分では見ようとは思わなかった映画を見るのも、たまにはいいですね。意外と視野が広がったりするかも知れません。

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息子に『ひったくり』を教える母【奥田健次の教育改革ぶろぐろ部】at December 01, 2005 22:03
これまでの4回の記事で、世界システム論のおおまかな姿を紹介してきましたが、ここで紹介 した世界システム論は極表面的なものに過ぎません。 世界システム論は、世界の貧困問題、とりわけ南北問題においてはその問題の正体を捉える ことに役立つと思われます。 ...
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