January 27, 2006

遊び心と自転車を愛する心と

電動アシスト自転車は街でも珍しくなくなってきましたが、アシストするための動力源はいろいろあります。


でも、今回取り上げるのは、以前に取り上げた燃料電池や太陽電池など、最近話題になっている自然エネルギーではありません。まず最初は、なんと蒸気機関です。原理は本物の蒸気機関車と同じです。オールドスタイルの自転車とあいまって、非常にレトロな感じを醸しだしています。

時には30分近く始動に時間がかかるのを楽しめる人でないと使えませんが、自転車の走りを「ほんわり」アシストするそうです。その名もJOKEE(ジョーキー)です。蒸気機関車ファンでなくても、懐かしさに涙を流す人もいるに違いない「汽笛」まで標準装備しています。蒸気機関車風に外見を覆って、客車を牽引して子供を乗せてあげれば、大人気間違いなしです。

蒸気アシスト

これは、電動アシスト自転車のパロディーとして作られたそうですが、展示品とはいえ完動車として受注販売可能だそうです。税別参考価格90万円ですが、本気で購入を検討する奇特な方なら売ってくれるようです。自転車メーカーのツノダのバックアップによって宿野輪天堂さんと言う自転車屋さんが製作しました。

蒸気圧が、ある水準を越えると約150度の蒸気が後方より勢い良く噴出されますし、煙突部分の温度は300度近くにまでなるそうです。火傷や引火にも注意が必要で、長ズボン必須だそうです。ちなみに最悪の場合は水蒸気爆発です(笑)。

まだ驚くのは早いです。お次は、本物のジェットエンジン搭載です。実際のジェット機と同じ構造を持つラジコン飛行機用のタービンジェットエンジンを装備し、音も熱風も臭いも、実機そのままです。ジェット戦闘機と同じ規格のジェット燃料を1リットル搭載し、約7分間の連続運転が可能と言います。

湯水のごとく消費されるタービンオイルを含めて、運転時のランニングコストは、毎分500円程ほど必要にもかかわらず、トルクが無いので加速感は子供に背中を押してもらう程度という贅沢さです(笑)。こちらの税別参考価格は100万円です。

ジェットエンジン

でも、音がかなりうるさいので、家を出るときは少し重いだけの普通の自転車として利用し、滑走路のような近所迷惑にならない場所で乗る必要がありそうです。プラス60万円で、双発になります。エンジンの始動には高圧空気タンクが必要ですし、こちらの排気ガスの温度は最高700度ですから、やはり股間の火傷も気になるところです。これらの作品は、自転車メーカーのツノダに保管されています。

飛行機ということでは、こちらのほうがイメージ湧きます。実際に翼をつけたいくらいです。ただ、このプロペラ、エンジンで回るわけではなく、風力発電の風車にあたるものです。ただ風力発電と違って、風が吹かなくても漕げば回るわけです。かざぐるまを持って走るようなものでしょうか。

電気を生み出すこともできる、電動アシスト自転車と言えそうです。風力発電機はバッテリーへの充電の他、ボイラーに直結したエスプレッソマシーンで芳醇なエスプレッソコーヒーを入れることが出来るというこだわりようです。こちらは95万円です。

風力発電

最後は、ペットボトルロケットの原理を推進力に利用した、水ロケットアシストの自転車です。フレーム上には並列8気筒のペットボトルが並び、水と高圧の空気を、後方に向けられた噴射口から一気に噴出することで、瞬間加速を得ます。

サイトの表現を借りれば、「その推進力は、動体視力を奪うほどに急激な加速を生み出す」ことを目標に製作されたにもかかわらず、微動だにしないそうです(笑)。でも、ペットボトルは打ち上げも可能で、8連装のロケットランチャーに早変わり。上空50メートル前後にまで打ち上げられます。

水アシスト

ペットボトルの圧力を利用したウオーターガン(水鉄砲)も標準装備しているそうなので、むしろ世界初の消防自転車に使えばいいのでは、と考えるのは私だけでしょうか。狭い路地でも活躍出来ますが、緊迫した状況で遊んでると思われて怒鳴られる可能性は否定できません(笑)。

こちらのランニングコストは水代のみですし、温度も高くならないので一番安全かもしれません。ペットボトルのリサイクルという観点からも、自然にやさしいパワーアシスト自転車とアピールしてます。お値段は一番安い80万円。でも、かなり重いことと、漕ぎにくさは我慢しなければなりません。

宿野輪天堂宿野輪天堂さんは、自ら山奥と称する大阪の郊外にある自転車屋さんで、小径車を中心としたカスタムバイクやオーダーメードの自転車などを扱ってらっしゃいます。

過去に、いろいろなサイトや他のメディアでも紹介されているようですので、ご存知の方も多いかもしれません。ご覧になるとわかりますが、ユニークで楽しいサイトです。ウキウキワクワクな自転車を企画・デザイン・設計・製作していると書かれていますが、このコンセプトはとても共感できます。

電動アシストのパロディを作ってしまうような遊び心があるところも魅力的ですが、私は、その姿勢にも共感します。「自転車をスポーツの道具としてだけでなく、乗り物としての自転車も愛しているというのであれば、輪天堂デザインの気負い無き主張に、ぜひとも耳を傾けてみてください。」

「そうすればきっと、今まで以上に豊かなウキウキワクワク自転車ライフを送ることができるでしょう!」と書かれています。また「普通の自転車に大した理由も無くこだわり続けるのが、いかに自転車の世界を偏って見る事になるか。」という事実にも気づかせてくれます。

もちろん変り種自転車に乗れと言うことではありません。ただ視野を広げることは重要ですし、普通の自転車しか知らないのも事実ですし、こだわる理由がないのも確かです。初めて乗ったカテゴリーの自転車に、ハマるかも知れませんし、乗るだけでなく作る楽しさに目覚めるかも知れません。

なるほど、市販の自転車に飽き足らなくなることもありそうです。自転車と一言で言っても、いろいろな世界があります。もしかしたら、スポーツや通勤手段ではない角度から見たとき、ますます自転車好きになる道が隠れているのかも知れません。



かなり以前からサイトは知っていたのですが、今回取り上げようと思って改めて見てみると、セグウェイならぬセグモクとか失敗作もあって、けっこう笑えます。私の所からでは遠すぎでなかなか行くわけに行かないのが残念です。結構ほかにも、ユニークな自転車屋さんてあるのかも知れませんね。

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この記事へのコメント
遊び心満載な自転車たちですね〜
なにより、どの自転車も実用的ではないところがミソですね(笑)

どれも危なそうですが、常に危ないのは蒸気機関を使った自転車じゃないでしょうか
最悪、水蒸気爆発というのは、思いっきり自爆ですし(笑)
煙突部が300度って、かるーくズボン焼き切って、大やけどもしますし
命がけですね

Posted by road fun at January 28, 2006 00:20
road funさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
笑えますよね。パロディーとは言え、バカバカしくも、よく作ったものだと思います。
ええ、そうでしょうね。蒸気機関の運転中は、水位を監視したり、手動のウォーターポンプを適時作動させるなどと書いてありますが、調整しながら自転車もこがなきゃならないわけで、万一空焚きになったらと気が気ではないでしょう。
ホントにこれで汽笛鳴らしながら走ってたら、相当変わった人ですよね(笑)。
Posted by cycleroad at January 28, 2006 22:30
 
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