
住みやすい県の第1位に輝いたこともある
福井県には、私も何度も行ったことがあります。また長寿でも知られ、県のポスターのキャッチコピーは「なぜか長寿」です。
福井県の県別平均寿命は沖縄についで、男女とも2位です。ほかにも県別で比べると、住まいの広さ、火災発生件数、失業者の少なさも2位です。2位ばかりではありません。貯蓄率は東京を抑えて1位、食物繊維摂取量、粗暴犯の少なさ、社長輩出数や女性の社会進出も1位です。さすが住みやすい県ナンバーワンです。もうひとつ、世帯当たりのクルマ保有台数でも1位です。

同じように長野県の男性は1位、女性は3位です。今のお年寄りはとても健康ということですが、将来はわかりません。
読売新聞の記事によれば、一昨年長野県内の4〜50代の健康不安が明らかになったそうです。データでは肥満、高血圧、糖尿病の兆候を示す値などが、いずれも全国平均を上回りました。原因はクルマ社会が進み、大人から子供まで、本当に歩かなくなっていることだと言われています。長寿で有名な沖縄県でも似たような傾向があると聞いたことがあります。
クルマ保有台数1位の福井県では、幸いそのような健康上のデータは出ていないようです。にもかかわらず、
日刊県民福井の記事は、そんな福井県が、『自転車』奨励に本腰を入れると報じています。健康長寿や自然環境保護の観点から、自転車の積極的な利用を呼び掛け、新年度から自転車の活用の促進に向けた事業を大幅に拡充するそうです。冬は雪が多い県でも、自転車利用に積極的になってきているわけです。
ふだん、都市部の自転車道について書くことも多いのですが、実は私も、電車網が少なく、ほとんどクルマで移動するような地域で生活した経験もあります。実感として思いますが、本当に歩かなくなります。個人差もあるでしょうが、首都圏などで、ほとんど立ったまま電車で移動し、歩く距離も多い生活と比べると雲泥の差があります。健康のためには、そうした地域こそ歩くべきですし、自転車に乗るといいと思います。
ただ、読売新聞の小見出しに、「『自分で気づく』が第一歩」とありますが、まさにその通りで、なかなか健康不安に気づくのは難しいものです。クルマで当たり前のように移動していると、自転車に乗ろうとも思いつきません。郊外の国道など、歩道や路側帯もほとんど無かったりしますし、あまり乗りたくなる環境が少ないことも、自転車に乗る気にさせないかも知れません。そうした地域では自転車向けのインフラ整備を進めることも必要でしょう。
しかし記事にもあるように福井県は、新たな事業費を必要としない方式での実施を検討しており、財政負担は避けたい考えだそうです。でもスローガンやキャンペーンだけでは、利用が進まないのは、過去の例を見るまでもありません。もちろん地方財政の厳しき折り、仕方ない面もあるでしょうが、幾つかの自治体で過去に何度も繰り返されてきたように、一時の話題で終わらせるのが一番無駄です。そのためには、どれだけ本当の「本腰」を入れられるかにかかっています。

「ふるさと自転車散歩会」を開いたり、休日の電車への自転車持込み推進も、地道ですがいいアイデアだと思います。しかし、もっと出来ることもあるはずです。例えば、自転車利用に徹していると認めた県民には証明書を発行し、様々な優遇を行ってはどうでしょう。県内各種団体や事業所とも連携して割引サービスを設定してもらうのです。施設の入場や商品、サービスの割引、優先予約でもいいですし、県内金融機機関で金利の優遇なども考えられます。県として、事業所単位での推進には税制面での優遇措置なども講じたいところです。
細かいことですが、自転車利用者は、クルマの人より移動に時間がかかるわけですから、役所の手続きの順番待ちに、サイクリスト用の優先列を設けるなんてどうでしょう。私だったら嬉しい特典です。他にいくらでも考えつくと思います。言ってみれば、政策的に「サイクリスト・ファースト」を広げていくわけです。「本腰」を入れると言う以上、いくら予算がないからとは言え、啓蒙を進める政策だけでは、実効性に欠けます。
そうした取組みが広く県民に受け入れられ、そのコンセプトに支持が得られれば、従来のクルマ優先だけのインフラ整備では不満だと言う声も出てくるはずです。予算配分のシフトも現実になり、ハード面の整備も広がることでしょう。ハードが整備されれば、本格的な利用も促進されて、県民医療費の伸びが抑制されるかも知れません。福井県民の健康にケチをつけるつもりはありませんが、「なぜか長寿」が、将来にわたっても続いて欲しいものです。
このブログでは、以前からいろいろな自治体の、自転車関連の取組みに注目しています。その自治体の住人ですら、下手をすると目にしないようなニュースであることも多く、微力ながら多くの人に知ってもらえたらと紹介しています。あちこちの自治体に対して多少失礼なこと、偉そうなことも書いており、もし関係者がご覧になったら気分を害するかもしれません。ただ批判的な書き方になってしまうのも、気持ちとしては多くの自治体に、自転車関連の地味ながらも住民のための政策を、もっと競い合うくらいになって欲しいと思うからでもあります。
実は「サイクリスト・ファースト」というフレーズ、私が今作りました(笑)。ありそうですが、他に使っているところもないようです。でも現状では、自転車利用者は冷遇される面も多いです。自転車奨励に取り組むことを公言する自治体も増えつつある中で、そうした政策の中には、是非「サイクリスト・ファースト」、自転車に乗る人優遇の考え方を取り入れて欲しいと思います。欧米の環境先進国では、クルマより自転車優先の考え方は当たり前です。是非こうした考え方が理解されていって欲しいと思っています。
これだけでも、四百字詰原稿用紙6枚分くらいあります。もう少し短く簡潔に書くようにしなければいけませんね。言いたいことに力が入ると、どうしても長くなってしまいます(笑)。伝えたい内容を削るのも残念ですし、2日に分けるのも、もったいぶった連ドラみたいですし..。
最後まで読んでいただける方にはホント感謝です。推敲の時間の問題もありますが、短く簡潔かつ解りやすい文章というのは難しいですね。もう少し努力しなくては。
Posted by cycleroad at 07:00
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