February 09, 2006

企業としての目のつけどころ

TDLTDLと言えば、言わずと知れた千葉県は浦安市にある東京ディズニーランドです。


おそらく、かなりの割合の人がそう答えるに違いありません。本当はディズニーシーも出来て、ディズニーリゾートになったのだからTDRなのでしょうけど、東京ディズニーリゾートになってもTDLを使う人が多いようです。TDLと聞いて、ああツールドランカウィのことね、って答える人はまずいないはずです(笑)。

TDL今、マレーシアで行われているツール・ド・ランカウィという自転車ロードレースについて知っている人が果たしてどれだけいるでしょうか。一般的な人なら、かろうじてツール・ド・フランスは知っていても、ツールド北海道やツールド沖縄があることも知らないでしょうし、ジロ・デ・イタリアとかブエルタ・ア・エスパーニャなんて言ってもイタリア料理とスペイン料理の店かと思われるのがオチかもしれません。

もちろんスポーツ観戦は好き好きですし、面白いと思わない人に無理に勧めるつもりはありません。私はレース関係者でもなんでもないので、そんな日本の現状を嘆いたり憂いたりするものでもありません。野球を見ようが、サッカーを見ようが個人の勝手です。しかし個人的には自転車競技も、もう少しメジャーになるといいのにな、とは思います。

いつも思うのですが、ヨーロッパやアメリカと比較して日本には自転車をスポーツとして見る部分が少ないと思います。ママチャリとして非常に普及率も高く、あまりにも生活に密着していることが逆に影響しているのかもしれません。また、競輪のイメージが、どうしてもギャンブルと結びついて敬遠される向きもあるでしょう。

競輪と言えば、日本発祥の自転車スポーツとしてオリンピックの正式種目にまでなったわけですが、前回のアテネ五輪のケイリンで日本人は入賞すら出来なかったので、ほとんど注目もされませんでした。かろうじてチームスプリントで伏見俊昭、長塚智広、井上昌己の3選手が銀メダルに輝いたので、オリンピックに自転車競技があることを思い出した人も多かったのではないでしょうか。

TDL女子で500Mタイムトライアル10位の大菅小百合選手も、スピードスケートで知られた選手なので注目されましたが、他の種目に出場した選手の名前を知っている人は少ないに違いありません。

そもそも自転車競技の中に、チームスプリントやタイムトライアルの他に、個人のスプリント、個人追い抜きや団体追い抜き、ポイントレース、個人ロードレース、ロードタイムトライアル、マウンテンバイククロスカントリー、そしてケイリンなどたくさんの種目があることを知っている人も少ないと思います。

マディソンという自転車種目なんて聞いたことも無いかもしれません。これに次の北京五輪ではBMXも種目として加わります。全体の種目数を増やすことにIOCは否定的なため、廃止になる種目もあるようですが、世界的にはいろいろなタイプの自転車競技が盛んです。そう考えると日本での自転車競技全般に対する注目度はかなり低いと言わざるを得ません。

世界三大スポーツイベントと言った時に何を挙げるかは人によって違うようですが、サッカーワールドカップも日本が出場する前までは、今よりはるかに注目度が低かったことは言うまでもありません。モーターレースの最高峰、F1も、中島悟や鈴木阿久里といった日本人選手が出てくるまではテレビ中継もほとんどされていませんでした。大リーグ中継や世界陸上などもそうですが、やはり日本人が活躍しないと視聴率もあがらず、従って少なくとも地上波では中継されにくいのは確かです。やはり日本人選手の活躍がポイントになるでしょう。

チームヤフージャパンそんな中で、YAHOO!JAPANが日本人選手による自転車ロードレースのチームを作り、ツール・ド・フランス出場を目指すと言うニュースが伝わっています。既にご存知の方も多いでしょうが、昨年までブリヂストン・アンカーの監督だった浅田顕氏がヤフー株式会社をスポンサーに獲得して誕生させるものです。まだ正式発表ではないようですが、日本人選手ばかりで、日本チームとしてツール・ド・フランス初出場を狙う態勢のようです。

もちろん今までもブリジストン・アンカーとして頑張ってきたわけですが、自転車メーカーの活動として見られるのとは注目度も違ってきそうです。ヤフーとしてもロゴを使ったり宣伝になるでしょうが、逆にヤフージャパンとなれば、ロードレースへの一般の人の関心や話題も集めるかも知れません。そう簡単なことではありませんが、日本人がツール・ド・フランスで活躍するようになれば、少なくともロードレース人気は一気に盛り上がりそうです。

もちろん、スポーツは観戦するより自分でするほうが好きという人も多いでしょうが、自転車競技に限らず、スポーツ観戦が好きな人は多いと思います。日本人が出なくても好きな人は見ます。しかし、中継されないことには始まりません。

自転車競技の人気が高まり、普通にテレビ中継されるようになれば、自転車のスポーツとしての魅力を多くの人が知るチャンスになることは間違いないでしょう。単に駅までのアシとしか見てなかった人も、「スポーツ」あるいは「趣味」として見直すことにもつながります。

自転車の本当のポテンシャルを知ることになるでしょうし、自転車がママチャリだけでなく、いろいろな種類があることも認知されるでしょう。スポーツとしての自転車の楽しさとか、他にもいろんなことを再認識させるに違いありません。自転車の文化的、社会的な側面も見直されると思います。

影響として、スポーツとして自転車に乗る人も増えるでしょうし、社会的なコンセンサスも形成されていくはずです。自転車に対する理解や認識が一般的になっていけば、ゆくゆくは自転車を取り巻く環境が向上することも期待できます。そこまで期待するのは、かなり早すぎ(笑)ですが、自転車好きにとってはちょっと楽しみな動きと言えそうです。

今までも悪かったわけではありませんが、個人的にはヤフーに対する印象がさらに良くなった気がします。モータースポーツもいいですが、これからの時代、スポンサー企業にとっては自転車の持つエコロジーなイメージは見逃せません。日本ではまだまだマイナーですが、逆に有利に先行投資出来る部分もありそうです。ほかの会社も、もっと注目してもいいと思います。




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この記事へのコメント
TDFかぁ〜、夢のまた夢ですねぇ〜。トライアスロンもアームストロングみたいな負けなしの強豪選手はでてこないのかなぁ〜。それとも僕が実現させちゃったりして・・・っていっても全く現実味がないwまぁ、どっちも人気が上がるといいですね。
Posted by 沖縄の人 at February 10, 2006 16:57
沖縄の人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いやホントに実現しちゃって下さいよ、応援しますよ(笑)。マラソンや駅伝のように、トライアスロンだって元々もっと中継されてもいいような気がしますが、マスコミが注目するような選手が出てくれば、もっとスポーツとしての人気も出ると思いますけどね。
Posted by cycleroad at February 11, 2006 17:28
 
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