February 21, 2006

快適サイクリングを阻むもの

東京や大阪などの大都市、およびその周辺に住むサイクリストは、人口の分布から言ってもかなりの数になると思います。


中には、毎日自転車通勤している方や、平日に時間が取れる方もいらっしゃるでしょうが、週末ごとに自転車に乗るという方も多いと思います。そうした都市や近郊に住む週末サイクリストの方に、特に聞いてみたい気がするのですが、近年、おおまかな傾向として、週末が雨で自転車に乗れない日が増えた気がしませんか。しかも何週か連続して天気が崩れる気がしませんか。

もちろん気象ですから、週末に雨が降ることだってあります。東京も大阪も一緒に言うのも乱暴な話です。もともと日本は温暖多湿な気候で雨が多いわけですし、平均すれば3日に一度は降ることになります。太平洋側と日本海側と季節の関係、梅雨や台風、長雨など気候の変化もあるわけですし、週末に雨が降るのは、確率的にもある程度は当たり前です。

気候の変動

完全に雨で出かけられないとは限らないので、人によって印象は違うかもしれません。しかし、週末ごとに天気が崩れるパターン、しかも何週かに渡って続くことが、近年増えた気がします。私の単なる思い過ごし、気のせいと言われるかも知れません。でも実は、まだハッキリ証明されたわけではないものの、そうした説を唱える専門家もいるようです。都市やその近郊に於いて、週末に天気が悪くなる原因があると言うのです。

都市部には人口が密集しており、人間の様々な経済活動によって週末に向けて熱が蓄積し、その熱によって水蒸気も増えていくという説があるのです。またクルマや工場から排出される煤煙に含まれるチリも都市の上空に滞留する傾向があると言われています。

工場にしてもクルマにしても、昔ほどモクモクとした煙を出しているわけではありませんが、排出された、ごく微細なチリの粒子が雨の核になるそうです。平日の都市の経済活動による微粒子は週の後末にかけて蓄積していき、週末の雨となって洗い流され、地表に蓄積された熱も下がるというパターンが見られるというのです。

もちろん、もっと大きな天気の変化の要因もありますので、いつも必ず現れるわけではありません。しかし、他の要因の影響が少なければ、都市部では週末に雨が多い仕組みが出来ているらしいのです。また日本付近の低気圧の通過は3〜4日の周期であることが多く、2回でちょうど一週間です。同じ曜日が同じ天気と言うのは、もともと起こりやすいのだそうです。

こうした都市の局地的な天気の特徴を都市気候と言いますが、ほかにもあります。都市部の建物や道路による蓄熱、空調施設の排熱などによって郊外よりも温度が高くなるために上昇気流が生じます。地上では郊外から都心へ風がおこり、上空では逆になって循環が発生するのです。雨ばかりでなく、サイクリストにとって有難くない風の原因にもなるわけです。

さらに、この上昇気流は「ダストドーム」と呼ばれる、都市上空を汚染物質がドーム状に覆う現象もひき起こします。最近あまり聞かない光化学スモッグもその類かもしれませんが、雨風に加えて、大気汚染でも苦しめるわけです。そこに雨が降れば酸性雨などの問題もおきるでしょう。ほかには、都市気候のせいで、雪が積もりにくくなったという点も指摘されています。

積雪が少ないのは別としても、都市気候は、特に週末サイクリストにとって好ましい環境とは言えません。都市気候は、年間を通して、いろいろな現象を起こすようですが、なんと言っても一番わかりやすい例は、やはりヒートアイランド現象です。このヒートアイランド現象によってもサイクリストは影響を受けます。

地球規模の気候変動

まず昨今の熱中症の増加が挙げられるでしょう。自分は大丈夫と思いがちですが、いつ何どき熱中症になってもおかしくありません。そして集中豪雨の増加もあります。ヒートアイランド現象によって、都市であるがための雨も増えているわけです。しかも強い雨です。実際に夏場の東京区部では、1時間に10mm以上の強い雨の頻度が増しており、90年代まではあまり見られなかった50mmを超えるような豪雨も増えていると言います。

特に東京23区の西部に強い雨が多く、東京杉並などを襲った集中豪雨の浸水被害は記憶に新しいところです。夏場の夕立は風物詩ですが、夕立を越える、本当にスコールのような激しい雨も増えています。私も過去には覚えがないような凄い雨も何度か経験しました。増水もすごい勢いなので、下手な場所で雨宿りしていると本気で危険になる場合もあります。

そしてヒートアイランド現象は近年深刻化しつつあると言われています。こうなるとサイクリストの敵などと悠長なことを言っている場合ではなくなって来ます。都市の気温の上昇は、冷房用の電力消費を増やし、その排熱がまた都市を暑くさせる悪循環です。地球温暖化ガスの排出につながるだけでなく、都市部の年間平均気温が大きく上昇し、生物の生態系の変化や健康被害など、直接さまざまな影響も出始めています。

最近は都心の大規模な再開発によって、高層ビル群が都市の風の通り道を遮断するなど新しい要因も指摘されています。どれも簡単には解消できることではなく、今後、さらに都市気候が顕著になっていれば、週末の雨ぐらいでは済まなくなるのかも知れません。

私達は、とかく地球規模の温暖化の話や世界を襲う気象災害に注意が向きがちです。地球環境を考えることも大切ですが、人間の活動はもっと直接的な影響も引き起こしています。都市における局地的な豪雨の増加による浸水や土砂災害など、いつ巻き込まれてもおかしくありません。都市気候のもたらす影響についても、もっと目を向けていく必要がありそうです。





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