February 28, 2006

日本の将来にも関わる重要性

オーライ、オーライ。ガシャーン..。


クルマがバックするのを誘導していて、誤って電柱にぶつけた場面ではありません(笑)。ドラえもんなどの漫画に出てくる、草野球のシーンをイメージしてみました。空き地での草野球でジャイアンが打ったボールがのび太の頭上を越えて、カミナリさんの家へ飛び込みガラスを割るシーンです。漫画に最近出てくるかどうかは知りませんが、実生活では目にしたり、耳にするようなことは全くと言っていいほどなくなりました。

空き地はともかく、住宅地の中に点在する小さな公園ばかりか、比較的大きな公園ですらボール遊びは禁止というところが増えています。公園でキャッチボールする少年達の姿を見ることも少なくなりました。もちろん公園に隣接する住宅の迷惑もあるかもしれませんが、防球ネットなどを設置する予算も、管理責任を問われてまで球技を解禁する余裕も今の自治体にはないようです。

子どもの体力向上キャンペーン施設を整備したところで、今の子供たちはボール遊びなどしないという指摘も正しいかも知れません。ゲームなどを買い与えている大人が子供を外で遊ばせなくしている面もあるでしょう。

いずれにせよ、子供の体力の低下が深刻な状況になっています。文部科学省の調査によれば、子どもの体力・運動能力は、昭和60年ごろから現在まで低下の一途だと言います。

30年前と比較すると、身長や体重などの体格は上回っているのに、体力や運動能力のほとんどのテスト項目において下まわるというのは、実は相対的にみて深刻な状況です。

体力どころか、靴のひもを結べない、スキップができないなど、自分の身体を操作する能力すら覚束なくなっている子供も増えています。

子供の体力の低下は、将来的に国民全体の体力低下につながります。体力がなければ、スポーツへの参加も減ります。日本人の全体の体力の底上げがなければ、オリンピックで欧米選手との基礎的な体力差が縮まることも無いでしょう。オリンピックはともかく、大きな流れとしては、日本人はスポーツが苦手な国民になっていくのかも知れません。

問題は、スポーツへの参加機会が減少して運動不足になることです。生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下、アレルギーなどを引き起こすことも懸念され、ひいては社会全体の活力が失われるという事態に進展しかねません。

もちろん経済活動にも影響するでしょう。日本の将来の活力を奪うのは少子化だけではないのです。個々のレベルでは実感が沸きませんが、体力が落ちるということは直接医療費や介護費用などに響くだけでなく、様々なことに影響を与えるはずです。

事実、少し走っただけて息を切らす子供は増えています。肥満の児童も増えていますし、食生活の変化ともあいまって子供の生活習慣病が真剣に心配されている状況があります。ストレス耐性の減少から学校でも家庭でも子供が「キレる」など、様々な問題もおきています。こんなに子供が病的になっている背景にも、子供の運動不足があることは否めません。

子どもの体力向上子どもの体力低下の原因は、親や教師も含め国民の意識の中で、屋外で遊ぶことやスポーツの重要性を学力と比べて軽視する傾向が進んだことにもありそうです。

もちろん交通が便利になり、生活様式が変化したことも日常生活で身体を動かす機会の減少を招いています。ゆとり教育で子供の学力低下が心配されていますが、学校や塾で勉強する時間が増えれば必然的に運動不足にもなります。

ボール遊びが出来るような公園、空き地や生活道路といった子ども達の手軽な遊び場の減少も影響しているでしょう。少子化や高齢化によって外でいっしょに遊ぶ友達が減っていることもあるかも知れません。親も子供と遊ぶ時間がありません。

受験や就職などでも、相変わらず学力は重視するものの、身体能力は軽んじられています。子供の遊び場においては、子供の体力増強よりケガを心配し、施設の管理責任もあって遊具は次々と撤去され、ボール遊びなどは禁止されていきます。

子供をめぐる犯罪の増加もありますし、そもそも大人自身も運動不足です。たとえ生活習慣病の危険があろうと、仕事が忙しくて運動する時間がとれません。目先の経済的価値より、後から病気になる損失のほうがよっぽど大きかったとしても、です。

スポーツはエンターテイメントや広告的な価値として注目し、その経済面は計算しても、自分でやるものと捉えていない人も大勢います。単なる余暇、時間の無駄と考える人もいます。スポーツを見るのは好きでも、運動神経が鈍いからと敬遠する人も少なくありません。

健康に気をつかい、サプリメントを飲用し、体重は気にするのに、忙しくて運動時間はとれない人も大勢います。健康管理は、必ずしもスポーツばかりではありませんが、どうしても自分でやるスポーツ、健康維持や増進のための運動は軽視されがちです。

結果として日本人の体力は、どんどん落ちていくことになる可能性があります。運動習慣は、単に娯楽や遊びとしてだけでなく、社会生活においても重要なものだということを、もっと認識すべきです。運動は体力を維持し、身体のバランスを整え、ストレスを解消し、健康でいるためにも必要不可欠なものですが、現代社会においては大人も子供も、かなり欠乏しています。

個人的には、せめて自転車を移動に使うなどすれば、手軽に運動できるのにと思ってしまいます。継続しやすく、一人でも楽しく、運動能力もあまり関係ありません。そうした意味からも身近なところでの自転車環境の整備を進めて欲しいとも思います。

もちろん、それだけでは解決しません。さまざまな方面で、運動不足を解消したり、子供に体力をつけさせるための環境づくりが必要となるでしょう。そのためにも、日本人の体力が長期的に低下していくことに、私たちがもっと危機感を持つ必要があります。子供たち、すなわち将来の日本人の体力の低下が何をもたらすのか、多くの人が認識しなければならないのかもしれません。



トリノ五輪のメダル数を巡って、もっと強化費を増強しろとか、むしろ選手団をスリム化しろとか、いろいろ議論もあるようです。でもまず国民の多くがもっとスポーツをするようになれば、関心も高まり環境も整備され、各種の予算も取れたり競技人口も増えて底辺が広がるなど、いろいろいい循環が出てくるように思いますね。

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この記事へのコメント
毎日の更新乙です。

トリノ五輪も終わってしまって寝不足or昼夜逆転から回復しつつありますが、やはり日本人全体の体力がダウンしてるからメダル数も伸びないのかな?w
しかし、今大会はマスコミが過度に期待しすぎたために、国民全体で残念がってる感じが否めないのは自分だけでしょうかw
特にそんなに強く無いのに期待された、上村、清水、安藤など。
まぁ記録保持者の加藤はドンマイ・・・(苦笑
Posted by えんぴつ at March 01, 2006 00:14
 うちの近所の公園にも「ボール遊び禁止」と書いてあります。息子(中1)は平気でキャッチボールをしては近所のおばはんとケンカしてます。市役所には再三「老人のいこいの場を増やすのもけっこうだが子供達はどこで遊べばいいのか?」とメール出したりしてますが解答はナシノツブテ。うちは男子ふたり、元気に外で走り回って追いかけ回して育てて来ました。でも、皆自分の子供が大きくなってしまうと忘れてしまうのでしょうか?近所の子供達が迷惑に変わって行く。恐ろしい事です。自分達の子供の頃の事を忘れてはいけません。たとえ一昨日の夕食が思い出せなくても・・・。
Posted by キルワニ at March 01, 2006 00:43
えんぴつさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに期待しすぎというのはあるでしょうね。長野が多すぎただけで、前回のソルトレイクでも銀1銅1ですし。おかげで過度にプレッシャーがかかった選手もいたでしょう。
しかし、112人と海外のオリンピックとしては過去最大の選手団でしたし、期待しないのも選手に失礼です。結果として1個は何より選手達が残念に思っているでしょう。
40人で11個の韓国、85人で23個のオーストリア、35人で9個のオランダの例もありますから、人数を絞れと言われてしまうのも仕方ない部分もありますね。
Posted by cycleroad at March 01, 2006 07:08
キルワニさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
子供はそうでなくちゃ(笑)。よその大人に怒られてる子供というシーンも少なくなりましたからね。
そうですか、なしのつぶてですか。役所の人だけに限らず、最近は多くの大人の意識から、子供は風の子なんていうイメージは無くなっているのでしょう。下校時にフラフラしていても危ないご時世ではありますけど。
確かに、子供を近所の大人みんなが見守るという意識もなくなりましたね。我々が子供の頃にいたような、おっかないおじさんとか親身になってくれるおばさんもいなくなりました。大人に余裕が無くなったのか、無関心になったのか..。
Posted by cycleroad at March 01, 2006 07:26
 
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