March 12, 2006

予防できるし予防すべきこと

交通事故によって、年間約8千人もの方が亡くなっています。


私も親しい友人を交通事故で失ったことがありますが、厳しい現実です。交通戦争と呼ばれた時期は年間1万人を越えており、最近減少傾向にあるものの依然として多くの方が亡くなることは間違いありません。ところが一方で、年間3万数千人が自殺によって命を落としています。過去最高の水準にあり、先進国中では1位の自殺率です。アフリカ諸国は統計がないので含まれませんが、人口比で日本より多いのは、主に社会体制の変化から変動と混乱の続く旧ソビエト連邦の諸国と東欧の国だけです。

自殺予防対策自殺は残された者に、精神的なダメージを含め多大な影響を与えることは間違いありません。個々の家族にとっても大きな悲劇ですが、純粋に社会的、経済的に言っても大きな損失です。所得にして2兆5千億円、消費にして6千億円、生涯の逸失利益にして1兆円、毎年失われているという試算もあります。日本のGDPの0.8%を毎年失っている計算になります。甚大な損失です。

日本がこれだけ豊かになったにもかかわらず、異常な多さと言うほかはありません。しかし、交通事故死者の4倍以上も年間亡くなり、日本人の死亡原因の第6位にもかかわらず、交通事故や疾病ほどには問題になりません。自殺サイトなどが話題になり、国会でも取り上げられたことはありますが、具体的な対策は形になっていません。他の死亡原因に比べると、問題と思わない人が断然多いのです。

自殺は多くの宗教で禁止されていますが、日本人の宗教観とも関係するのかも知れません。日本では、武士の切腹のように潔いと見られていた時代の精神的な名残り、あるいは自己犠牲に対する美談としてのイメージ、芝居などに見られる心中に対する共感、死をもって責任をとると言った考え方など、歴史的・文化的な側面の理由もあるのでしょう。自害、自決、自死、自刃など必ずしも悪い印象を与えない言葉もたくさんあります。自殺によって自分の名誉を守るとか、周囲も本人の判断ならば仕方ないと見るような傾向があるのかも知れません。

出来れば自殺は防ぎたいものですが、私がここで、いくら自殺はすべきでないと主張しても仕方ありません。そこに至るまでの当人の葛藤を考えるなら、自殺志願者を救いたいなどと言うのもおこがましい話です。私も身近にそういう人がいれば必死に止めるとは思います。自殺防止を呼びかけている人々がいることも知っています。でも「生きていれば、きっといいことがある」とか、「死ぬ気になればなんでも出来る」なんて言うつもりはありません。そんなことで思いとどまるくらいなら、とっくに自殺者は減っているでしょう。

うつ多くの人が少なからず交通安全に注意し、健康に気を使い、病気によって死に至ることのないよう心がけますが、自殺に対しては全く備えることはありません。当然、まさか自分が自殺するとは思ってないからでしょうが、実際には20代、30代の死亡原因の第一位でもあります。特に日本人は、精神的な部分が弱いとも言われています。年代によっては、一番死ぬ確率の高いことに対して、あまりに無防備なわけで、自分で未然に自殺を予防したいところです。

私も自分だけは自殺することはないと思っていますし、多くの人には自殺するなんて全く思いもよらないことでしょう。しかし自殺した人の多くも、自殺を考え始める前までは恐らく同じだったに違いありません。でも実際にこれだけの数、起きているわけですし、いつ何時自分の身に起きないとも限りません。もちろん、そこへ至る実際の原因はいろいろあるでしょう。しかし最近では、様々な要因によってうつ病などの精神疾患になることが、直接の自殺を引き起こす原因と言われています。

自殺の危機から立ち直った人が、あれほど死にたいと思っていたのに理由がはっきりしないとか、理由も無く死にたかったと話すことも多いと言います。言ってみれば、自殺にまで至ってしまうのは、うつ病という病気のせいの場合も多いはずです。ですから自殺と言うより、うつ病を予防すべきなのです。うつ病は誰でもなる身近な病気、心の風邪のようなものと言われています。しかし場合によっては深刻な結果をもたらします。

うつ病いろいろな環境において、精神の健康を維持し、心理的な苦痛への耐性を高めることも必要でしょう。ストレスや悲しい出来事も原因になります。でも何のきっかけもなく、うつ病になることもあるそうです。私もまだなったことはありませんが、うつ病も急増している病気で、今や10人に1人がうつ病患者とも、8割の人が一生のうちに1度はうつ病になるとも言われています。その反面、自分がうつ病だと自覚するのを無意識に拒否したり、自分がかかるわけがないと思っている人も多いのです。周囲もうつ病に対する正しい知識がないことが多く、余計に症状を悪化させます。

身体に不調があらわれて病院へ行っても、内科では異常なしと言われるケースがほとんどだと言います。うつ病とわかるのは精神科や心療科へ行った時です。うつ病は治る病気であり、しかも治療はクスリを使い比較的簡単なものです。なのに自分でも、なかなか気づくことが出来ずに最悪の事態を迎えてしまう場合も少なくないわけです。本人や周囲が気づいて治療できればいいですが、なった時には見えなくなっている可能性もあります。多くの人はうつ病などピンと来ないとは思いますが、その意味からも、うつ病にならないよう普段から注意しておくべきでしょう。

方法の一つとして、専門家も指摘しているようにやはり運動が有効のようです。ふだんから運動する習慣があれば、ストレスを発散し貯めない事にもつながります。日光を浴びたり、セロトニンなどホルモンの分泌を促すなど、科学的にもその予防効果が実証されています。すなわち運動の習慣は、生活習慣病などだけに限らず、うつ病の予防、さらには将来の自分を救うことになる可能性があるのです。忙しくても運動の習慣をつけたいものです。



パラリンピックのほうは、日本選手の成績も出だし好調のようです。栃東と白鵬、王ジャパンにも頑張ってほしいところですね。

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この記事へのコメント
久々の書き込みです。
重い題ですが現実なんでしょう。
五木寛之さんの本でこの日本の自殺者の多さが語られているものを読んだことがあります。
個人的なコメントは難しいものがあり控えますが、私の場合は年齢も定年に近くリストラに近い経験もあって、今ストレスやうつ状態のようなときには自転車で走ることで発散しているように思います。
私自身が単純なのかも知れませんが、歩行者の少ないサイクリングロードで汗をかきながら必死に走ったり、歩行者が多くなればゆっくりと走り、たまには休憩して海を見ながらおにぎりを食べたりしていると気分が晴れます。
そんな意味合いからも配偶者に勧めるのですが、お尻が痛い。肩がこると言ってなかなか付き合ってもらえません。
Posted by ousayt at March 14, 2006 14:21
ousaytさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
重いテーマにも関わらずお付き合いいただきまして、感謝いたします。
多いと言われる借金苦などは、日本人が律儀すぎるのも原因と思われます。国によっては借金苦で死ぬなんてあり得ないらしいです。その辺は民族的な倫理観などもあり、もちろんそれぞれの事情もあるでしょうから、軽々に論じるべきではありませんが、残念なことです。少しでも減って欲しいと思いますね。
発散については私もそう思います。もちろん好き好きなんでしょうが、ストレス解消しますよね。風になるとか言うとカッコつけすぎ(笑)ですが、無心になれたりもします。
私やousaytさんが単純なのではないと思いますよ。やはりスポーツならではの効果でしょう。
奥様を引き込めないのは残念ですが、それについては、ちょうど近々また記事にしようかなと思っていますので、よろしければ、またご覧下さい。
Posted by cycleroad at March 14, 2006 20:34
 
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