March 15, 2006

自転車によって表現できる事

これまでにもいろいろ取り上げてきましたが、自転車でただ走行するだけでなく、タクシーや発電装置やパフォーマンスの道具など、様々な用途に役立てている人がいます。


バイクス・アゲインスト・ブッシュ(Bikes Against Bush)プロジェクトを企画した、ジョシュア・キンバーグさんは、自転車をプリンターとして使おうとしました。特製のドットインパクトプリンターで、道路上にチョークでメッセージを書こうというものです。一昨年ニュースにもなりましたので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

自転車プリンター昨日に引き続き、ネットと自転車を融合した例とも言えそうです。つまり自転車をある種のネットワークプリンターとして使おうとしたわけです。

仕組みとしては、人々からブッシュ大統領に反対するメッセージをインターネットや携帯電話のテキストメッセージを通して、このプリンター自転車に乗ったジョシュアさんが受信します。彼は口汚い文句を書きたいわけではないので、そこでメッセージを選びます。

それを自転車に搭載したコンピューターにブルートゥース経由で送信すると、独自の5×5のドットパターンで文字を道路に書いていくわけです。しかも、自転車のスピードに合わせて噴射タイミングを調整できるというから優れものです。120文字まで印刷、というか道路に描けるそうです。塗料は水溶性で、陸上競技などで使われるものと同じチョークです。容易に落ちないペンキなどではありません。

また後部の荷台に搭載されたウェブカメラで、道路上にプリントアウトされた文字を撮影し、その画像をGPSによる座標とともにキンバーグさんのウェブサイトに送信する予定でした。サイトにメッセージを書き込んだ人は、あとでこの抗議文の画像を電子カードとして、メール送信できるわけです。そして印字したメッセージすべてを掲載した双方向マップも用意するつもりだったようです。

ストップブッシュしかし1年がかりで準備をして、いよいよ実行という2日前にニューヨーク市警に逮捕され、自転車プリンターは没収されてしまいました。路上でテストをしながらマスコミのインタビューを受けている最中だったようです。容疑は、器物損壊および落書き用具の不法所持というものでした。その後キンバーグさんは24時間拘留されたものの、保釈金なしで釈放されました。

キンバーグさんは、当然計画は合法だと主張し、憲法に基づく言論の自由への侵害だと反発しました。非暴力的で平和的な手段であり、落書きではなく、水で簡単に洗い流せます。結局、一昨年の共和党全国大会の期間中に、この自転車プリンターは活躍できませんでしたが、ある意味では、言論の自由があまり保証されていないという主張が、より強く伝わったのではないかと思うと述べていたようです。

Bikes Against Bush911以降のアメリカの保守化傾向や、報道機関の偏向傾向、先制攻撃をも辞さないブッシュ・ドクトリン、テロとの戦いとの名の元に行われている様々な人権侵害とも関連しているのか、など政治的な部分についてここで述べるのは止めておきます。言論の自由と公共の秩序、法律の解釈についても考え出すとキリがありません。事件としては一昨年の話でもありますし..。

もともとジョシュア・キンバーグさんは、ニューヨーク在住の自転車便のメッセンジャーだったそうです。プリンターを自律式のロボットにしなかったのも、自転車に乗って、生身の抗議行動にしたかったからだと言います。この自転車を宣伝に利用したらどうかという提案をしてきたマーケティング担当者もいたようですが、すべて断り、抗議行動に専念したかったと語っています。その政治的主張はともかく、アイディアとしては純粋に評価できます。

日本でやったらどうなるのか、ちょっと興味もあります。やはり器物損壊でしょうか。もっとコンパクトで目立たない装置にすれば、これだけ自転車の多い日本なら、捕捉は困難な気もします。乾いた路面に水だけだったら、打ち水と同じですから問題ないでしょう。ただ目立つかどうかはわかりません。

文字を描く様子今どきは自転車に機材を積んでおけば、ネットを利用することも出来ます。ユビキタスコンピューティングで、自転車にもICチップが埋め込まれ、その走行情報をネット経由で取得するような時代も、すぐそこまで来ているのかも知れません。しかし、そうしたデータのインプットに使われるのではなく、何らかのデータをアウトプットするための道具として自転車を利用するというのは、なかなかありません。そう考えるとこの自転車プリンターのアイディア、まさに出色と言えそうです。

参考:実際に文字を描いている様子
参考:インタビューと逮捕された時の様子(こちらは音が出ます。)



話は違いますが、また最近になって、志布志とか南大東島とか玄界島とか、各地で「ど根性大根」が発見されたと報じられているようです。確かに健気かも知れませんが、どうしてこんなにウケるのでしょう。こんなに話題になるのであれば、役場の地域振興係長でなくても、道路の舗装の裂け目に大根の種を蒔いてまわりたくなると思うんですが..(笑)。

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