July 08, 2006

決して納涼肝だめしではない

取替え前昨年ごろから、時々見かけて気になっているニュースがあります。


時折り各地のローカルニュースになるのですが、駐輪場などに青色の防犯灯が導入されて犯罪が減ったという報道です。具体例として最近のニュースから典型的な記事を拾ってみます。


JR豊川駅駐輪場 青色蛍光灯で 盗難防止 / 心落ち着かせる効果

愛知県豊川市は4日、自転車の盗難が多いJR豊川駅駐輪場の蛍光灯の色を、犯罪抑止効果があるとされる青色に取り換えた。東海三県では初の試みだが、すでに導入している奈良市や広島市などでは、実際に犯罪件数が減るなどの効果が出ている。青色の照明灯は2000年ごろ、イギリス北部の都市グラスゴーで景観改善のために導入され、犯罪件数が減ったことから注目を集めた。

豊川市によると、今年1〜5月の自転車盗難は146件で、うち約30%は駅前駐輪場付近で起きている。青色は興奮を静め、心を落ち着かせる心理的効果があるといわれるほか、青い光は遠くまで広がるため、犯罪行為をあきらめさせる効果も期待できる。(以下略)(2006年7月5日 読売新聞)

参考:沖縄・昨年12月石川・6月奈良・6月/ 他に、各写真もそれぞれの記事にリンクしています。

取替え中昨年から一部で話題になっていました。本当かな、というのが正直な感想です。もちろん犯罪抑止になるなら悪い話ではありません。しかし、なぜ抑止されるのか不思議です。科学的には立証されていないそうですが、それでも積極的に導入しているのは、お役所らしからぬ柔軟な姿勢だと言ったら叱られるでしょうか。

科学的に立証され、広く認知されてから初めて採用される事例が多いことを考えると、なぜ青色灯は、はっきりとした因果関係が不明なのにも関わらず採用されているのでしょうか。単に蛍光灯を取り替えるのが手軽だからでしょうか。比較的少額とは言え、普通の蛍光灯よりも割高なのにも関わらず、です。

他国で効いている実績があるから未確認でも新薬を許可するとか、他国の人が普通に食べているから無条件に輸入を許可するとか、他国でもやっているから無制限に遺伝子操作を認める、といった事例とは話が違うかもしれません。たかが青い蛍光灯に替えたぐらいで文句を言う人も少ないでしょうし、まして犯罪が減るならなおさらです。

愛知でしかし、本当に効果があるのか疑問も残ります。地区の半年の自転車盗難が3件から0件になったのは、劇的な効果と言うより単なる偶然か誤差の範囲ではないか、という議論もあります。県内で100件が15件なら結果は認めるとしても、青色灯を導入するくらい積極的な防犯姿勢や、むしろ防犯パトロールなどの効果が高いのではないかという意見もあるでしょう。

事実、全国的に耳目を集めた凶悪事件を契機に導入された地区もあり、住民の危機感や防犯意識が高かったという面も無視できません。見慣れない街灯に交換されていたため、とりあえず様子を見ただけ、むしろ街灯が割れたりしていたものが整備されて暗闇が減っただけ、というのもあり得ます。オレンジ色の街灯でも同じ効果があがった可能性だってあるわけです。

難癖をつけたい訳ではありませんが、無作為に抽出した地区に普通の街灯と青い街灯をそれぞれ整備して比較し、他の条件を厳密に一定にして、サンプル数も増やさなければ統計学的に正確な数字は得られません。例えば、防犯カメラも設置当初は効果があっても、やがて薄れていくそうですが、時間的な検証も必要かも知れません。

青い光には、人間の副交感神経に作用して神経の高ぶりや興奮を落ち着かせる効果があるから、という説明がなされていますが、そもそも気持ちを静めるだけで、窃盗を思いとどまるものでしょうか。青い光の効果と言うなら街灯に限りません。全て青色をしたものは青い反射光を出しているわけですから、青い家の犯罪被害率は低いことになります。青いクルマやバイクは盗難されにくいという話も聞きません。

奈良で昼間、街灯が消えている時間のことを考えて、駐輪場などを全て青く塗れば更に効果的でしょう。学生の制服や靴も青くして、大人もみな青い服を着るとか..。子どもを非行に走らせたくなかったら、青いレンズのメガネをかけさせると有効なのでしょうか。それより犯罪者の執行猶予中に義務付けるべきかも知れません。

信号の色が心理学的に決められているという話も聞いたことがあります。でも赤は制止で黄は注意喚起ですが、青は制止ではありません。青い色の鎮静効果や脈拍を下げる効果も、カッとなって暴力を振るう行為なら抑止するかも知れませんが..。報道でも、科学的な根拠は検証されていないと書かれていますが、専門家の説明も盗難については、やや説得力に乏しい気がします。

そもそもイギリスのグラスゴーで何故青い光が有効だったのかわかりませんが、もし他の理由だったら大笑いです。また、非常に穿った見方をすれば、わざわざ税金を投入して青色防犯灯を導入しているのだから、効果があるものという思い込みが、数字の集計をゆがめている可能性はないのでしょうか。

福島でもよもや、その為に立件が甘くなる事はないとは思いますが、仮にも行政がやること、効果を広報する必要もあります。無駄でしたと言う訳にはいきません。社会保険庁のごまかしのような酷い例を挙げるのは酷ですが、要するに、第三者が客観的かつ公正にその効果を判定したわけではないのも事実です。

青色灯だと、同じ電力でも照度が半分以下に落ちるようなので、色より照度の問題の可能性もあります。いずれにせよ違和感があるのは、なぜ効果があるのか、科学的に明快で説得力のある説明が得られないことによる気持ち悪さが存在していそうです。無意識に人間をコントロールするような印象もあり、大げさに言えば、不気味な感じがするからでしょうか。そう、青色灯を当てただけでおとなしくなるなんて、まさに不気味です。

映像の間に、普通の人間の知覚では認識出来ないほど短い画像を瞬間的にはさむと、見た人はコントロールされているとは全く気づかずに影響下に置かれてしまうという「サブリミナル効果」については議論もあるようですが、テレビ放送や映画では禁止されています。青色街灯に、なぜか防犯効果があるなどと聞くと、これと同じように無意識に影響されているような気味の悪さがしないでもありません。

たかが青い電球にと笑われるかも知れません。私も電球が青いだけでは罪がないと思います。しかし、昨今の脳科学研究の進歩等により、実際に人間をコントロールするような技術が開発されても不思議ではありません。事実、脳の特定の部位を刺激することによって、本人の意思とは無関係な感情が起きることも確かめられつつあります。

高知で将来、それと解からない様な光線とか超音波とか電磁波などを使って、犯罪を抑止する技術が開発される可能性は少なくありません。そうなれば、例え犯罪抑止という正しい目的のためであっても、人間を意思に反してコントロールすることが、果たして人道的、人権的に問題がないのか議論になりそうです。

決してSF映画の中のことではなく、実現の可能性があるのですから、考えてみると恐ろしい話です。密かに為政者の手に渡れば、市民を去勢し、思いのままに操ることが出来てしまいます。もちろん、青色防犯灯を無批判に認めると、そうした考え方まで認めることになると言うつもりはありませんが、近い将来の実現が充分ありうるとすると、不気味な気がするのは、考えすぎでしょうか。

「暗いから不気味!」という方も少なくないようですが、まあ、現時点では単に青い街灯です(笑)。また半年くらい経って、日本列島がどんどん青くなっているのか、「えっ、なんの話?」と忘れ去られているのか興味深いですが、私は後者のような気もします。



それはそうと、誰か「将軍様」の部屋の蛍光灯を青いヤツに替えてくれませんかね...。
国内では、在日の人に対する嫌がらせなどの話も聞きますが、かの国の市民は、むしろ被害者でしょうし、まして在日の人に罪は無いのでは、と思います。冷静になる必要がありますね。

ここ数日、書き込んでいただいたコメントが即反映しないことが時々あるようです。変だなと思っていましたらアナウンスがありまして、サーバーのほうの問題でした。せっかくのコメントが消えていた方がいらっしゃったら申し訳ありません。
ところで、関連記事を載せたため目立たなくなっていますが、下の「人気blogランキングへ」も、他の自転車ブログが見られますので、よろしければ。

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この記事へのコメント
2年以上も前に、このような意見を書かれていることに
関心いたしました。
イギリスグラスゴーの件も犯罪が減ったのではなく、
静脈が見えにくくなったために、麻薬常習者が減ったと
言うのが事実だったようで、青色では防犯カメラに
弊害があるので、今では白に戻しているとか・・
ですが、日本での間違った、さも検証がなされたような
情報により、さらに広がりを見せとどまりません。
蔓延した背景には何か裏があるのではとさえ思えます。
数年後にはすっかり消えて笑い話で終わって欲しい。
Posted by hitomo at December 24, 2008 15:54
hitomoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いえ、この記事を書いた時点で、私も特に否定する根拠があったわけではなく、科学的な検証やその説明がないのに用いられていることに、疑問を感じただけなのです。「海外で評判」だとか、「自治体が導入」などと言うだけで、なんとなく受け入れ、信じてしまいがちですが、素直でないと言いますか..(笑)。
しかし、科学的に見えて、実は全く科学的ではないという話は、私たちの身の回りにあふれていますよね。
業者が宣伝文句に、いかにも「科学っぽい」フレーズを使うことで、消費者を惑わせる確信犯的なものから、何かの拍子に、もっともらしく見えてしまい、悪気はなくても人々に信じられてしまうようなものまで、いろいろあります。
私たちも、変なものに引っかからないようにしたいですが、税金を使うような公的機関は、くけぐれも予算を無駄に使うようなことは避けてほしいものです。
Posted by cycleroad at December 25, 2008 23:25
 
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