July 23, 2006

食べるものと食べさせるもの

食育言葉自体は明治時代からあったようですが、近ごろ「食育」という言葉をよく耳にします。


昨年6月には食育基本法が成立し、学校でも食育の授業が本格化しているようですが、なんとスナック菓子会社やファーストフードチェーンによる食育の出前授業が増えているそうです。学校にはまだ教えるノウハウの蓄積がないとの理由や、半信半疑ながらも試してみる学校が少なくないのだそうです。

例えばスナック菓子会社が、おやつのスナックの食べすぎを注意するそうですから笑い話のような話です。その矛盾の大胆さに驚く教師も多いと言います。それにしても泥棒に諭されているようなもので、いくら内容が妥当でも、頼むほうも頼むほうという気がします。

食事バランスガイドスナック菓子会社にしてみれば、全く敬遠されてしまうより食べ過ぎを啓発するほうがベターです。国が今春策定した食育推進基本計画にも、食品関連事業者等による食育推進が盛り込まれているわけですが、真剣に取組む食品会社の製品ほど、健康には良くない食品に思えてしまうのは、私の思い過ごしでしょうか。

栄養素の知識や摂取量ならまだしも、そのバランスや自然の味覚、食習慣といった話になれば、その矛盾は繕いようがないと思いますが、それでも取組まざるを得ない問題なのでしょう。アメリカでのハンバーガーチェーンのように高額の訴訟を起こされる恐れは少ないにしても、やはり会社側の危機感は小さくないようです。

その大手ハンバーガーチェーンも昨年あたりから、日本で食育の教材提供や出前授業を始めています。誰しも呆れる話です。同社の広報は、子どもが親しみを持つキャラクターが説明するから興味を持つとか、きっかけなるなどと強調しているようですが、いかにも苦しいものがあります。

最近、太るからとファーストフードなども若年層に敬遠されつつあるようですから、真剣に取り組まざるを得ないのでしょう。こうした企業の経営やマーケティング戦略の本を読んだことがありますが、そのしたたかさには舌を巻くものがあります。逆に、これくらい平気でやってくる厚かましさが当然なのかも知れません。

食生活情報本来なら、小手先の戦術よりも時代のトレンドから、自然素材を使い、低カロリーで栄養のバランスのとれたメニューの提供へと大転換してもよさそうなものです。しかし、フランチャイズや利益率の問題など、諸々の事情もありそうですから、あまり期待出来そうにありません。

むしろ、どんなに高カロリーで栄養のバランスが悪かったとしても、便利で安くておいしいと、利用する人が無くなることはなさそうです。結局、いくら子どもに偏食の弊害を教えたとしても、親が忙しいとか面倒だからとファーストフードを与えていれば、食育もむなしいものがあります。

今、子どもの食の危機は、非常に深刻だと言われています。朝食は食べず、夕食は菓子パンやケーキなどという子供も珍しくありません。それでも食べないよりは、と子どもの極端な好き嫌いを許す親の姿勢もありますが、そもそも親の食生活も、栄養のバランスより好きなものを食べるスタイルになってきています。

子供の肥満や生活習慣病など弊害が現れているのも事実ですが、一方で何を食べようと個人の勝手と言われればそれまでです。昨年成立した食育基本法にしても、「食」という個人の嗜好が強い部分に国が関与することに議論がありました。太ろうが早死にしようが、ほっといてくれという話です。

食育の情報それなら、例えばジャンクフード税を創設したらどうでしょう。当然反発もあるでしょうが、税金によってファーストフードやスナック菓子の価格がそれなりに高くなれば、バカバカしいと利用をやめる人も増えると思います。結果として、国民の健康向上に寄与します。突飛でしょうか。

たばこ税と同じことです。喫煙は個人の自由ですが、結果として国民医療費が増大すると言われています。病気になるのは個人の勝手としても、個人が全ての治療費を自己負担するわけではありません。全体として見れば、吸わなければ不要な国家の歳出が増えるとの理屈から、課税するという考え方です。

医療機関での禁煙指導に、吸わない人も負担している健康保険が適用されることについても、将来病気になる人が減ることで、結果としては国民の負担が減るからと説明されています。同じように、ジャンクフード税によって、国民の健康増進を図ると共に、税収は医療や福祉に充当したらどうでしょう。

食の重要性は今さら言うまでもありません。また、むやみに増税を望むわけでもありません。しかし、わかっていても便利でおいしいからと、ついファーストフードやスナック菓子を食べ過ぎてしまう人はいます。将来の健康な生活よりも、どうしても今のラクやおいしいを選んでしまいがちです。

最終的には、当人の自覚の問題ですが、個人の食の嗜好にまで口出しするわけにもいきません。ただ子供にいくら食育をしても、親の購買行動や食への意識が変わらなければ無意味なのも事実です。子供への食育も重要だと思いますが、親に対する何らかの仕組みも必要なのではないでしょうか。



最近、食の安全や添加物など、ほかにも食が話題になることが多い気がします。私も自転車に乗るようになって、より健康を意識するようになりました。その影響で改めて食にも注意がいくようになった気がします。ふだんは忘れがちですけど..。

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10日,食育基本法が国会で可決成立しました(条文はこちらです。)。 そもそも食育とは何でしょうか。簡単に言ってしまえば,子供のうちから食に対しての正しい知識をつけ,健全な食生活を身につけさせるというものです。 そして,この法律はそれを進めるために,国や地....
食育基本法が成立しました【あれは,あれで良いのかな?】at July 25, 2006 01:49
この記事へのコメント
食そのものもそうですが
飲料水にカルキ!
まず、これがいけませんなぅ〜
極少量の毒でも、毎日摂取し続ければ・・・
まぁ、それも命そのものから考えなくてはとは思いますが・・
m(__)m
Posted by kazupo at July 25, 2006 07:41
kazupoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど、カルキですか。水道水のカルキ臭さを敬遠する人は少なくないですが、言われてみれば、消毒のために使うわけですし、残留塩素濃度の基準もあるわけですから、いいものではないでしょうね。
最近、水に注意を払う人も増えていますね。そう言えば、塩素と反応してトリハロメタンでしたか、発がん性物質が生成されるなんて話も聞いたことがあります。
確かに、気にし出すとキリがありませんが、食は健康の基本ですから、なるべく気をつけたいところですね。
Posted by cycleroad at July 26, 2006 00:57
 
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