July 29, 2006

日本人を密かに太らせる原因

木陰でダイエットや体重の増加を防ぐなどの目的で、自転車に乗って運動不足の解消を図っている人も少なくないと思います。


知り合いに、体重を減らしたがっていたので、私が勧めたことがキッカケで自転車に乗り始めた人がいます。結果、順調に体重も減って喜んでいました。その後も習慣として変わらぬペースで乗り続け、体重を維持し続けていた人なのですが、ここへ来て太り始めたと言うのです。

体重が変わらなかった期間も長く、いわゆるリバウンドでもないようですし、サイクルコンピューターで距離やペースも管理しているので、自転車による運動の消費カロリーが減ったということでもないようです。酒は飲めない体質ですし、間食をするようなこともないと言います。

「不思議なんだよ。なんでなんだろう。頼む、教えてくれ。」そう言われても、私も医者やスポーツトレーナーではないので困るのですが、話を聞くうちに思い当たることがありました。体重が増える原因となるような変わったことは何もないとは言うものの、ここのところ忙しくてずっと寝不足らしいのです。

最近、睡眠に関する研究が進み、数々の興味深い結果も明らかになっています。アメリカの大学が実施した30歳から60歳まで2万人規模の調査では、8時間前後眠る人に比べ、4時間以下の睡眠の人は70%以上肥満になりやすく、5時間では50%、6時間でも20%以上太りやすかったそうです。

その原因を探る研究もなされています。食欲を抑制するレプチンや、逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンがあって、分泌されて脳の視床下部に働きかけるのですが、このバランスが睡眠不足によって崩れるのだそうです。これらのホルモンが分泌される量は睡眠時間によって明らかに変化し、睡眠時間が短いほど肥満度が高くなる相関関係も確認されています。性別や食習慣の違いなどには左右されないそうです。

睡眠不足によるホルモンバランスの崩れが、脳の視床下部に与える影響は、食欲の増減だけではありません。身体が消費するエネルギーである基礎代謝を変化させたり、インスリンや中性脂肪合成のコントロールなどにも変化が現れるようです。食事のカロリーや運動で消費するカロリーばかりに目が行きがちですが、実際に身体に摂取されるカロリー量や体重の増減は、インスリンなどの働きによっても違ってくるのでしょう。

また、他の実験によれば、二晩程度睡眠を短く制限しただけで、これらのホルモンの影響は出てくるそうですから、ある程度続けば、体重にも変化が現れてくるのは避けられないと言えそうです。もちろん、個人差はあると思いますし、必要な睡眠時間は人それぞれ違うといわれています。それでも寝不足は、体重の増減にも密接に関わってくるようです。

私の知り合いも寝不足は自覚していたものの、起きて活動している時間が増えるわけですから、消費カロリーが増えこそすれ、太るとは思っていなかったようです。夜食など食事の回数が増えることはなかったと言いますが、知らずに食が進んでしまうこともあったのでしょう。



たかが寝不足と片付けられがちですが、最近は睡眠時無呼吸症候群など、睡眠障害の研究も盛んになって来ています。よく言われるのは、アメリカのスリーマイル島原発事故やスペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故、当時ソ連のチェルノブイリ原発事故といった重大事故の原因に睡眠障害が関わっていることです。

日本でも山陽新幹線で居眠り運転が起きたりして話題になりました。世界では、そのほかにもインド・ボパール化学工場ガス爆発事故、巨大タンカー・エクソンバルデス号の原油流出事故、客船「スター・プリンセス号」座礁など数多くの事故の原因と特定、または強く推定されています。

身近なところでも、睡眠不足による日中の傾眠(けいみん)、いわゆる居眠りによって交通事故が起きています。目を開けたまま瞬間的に寝てしまう現象「マイクロスリープ」や、本人は眠っている自覚がないのに、高速道路などを運転中、半覚醒状態になってしまうなどの現象も明らかになってきています。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸症状に陥ることで、苦しくて半覚醒状態を続けることになり、熟睡できないため昼間睡魔が襲うわけですが、そうでなくても、睡眠不足でボーッとしていれば危険です。自転車であっても信号を見落としたり、単調な道路で気を失って落車くらいでは済まない可能性もあります。





社会の24時間化が進み、現代人の睡眠時間は短くなる一方です。子供も夜更かしになっており、学校で眠気を感じて学習を阻害したり、寝不足による神経伝達物質セロトニンの減少により脳内のバランスが崩れ、いわゆる「キレやすい子」が増えているとも言われています。睡眠は決して軽視すべきではないようです。

最近は衛星放送なども含め、海外のスポーツを深夜に中継していることも多くなりました。録画しても結局深夜に見ていたりします(笑)。大リーグにゴルフ、NBAにF−1、ツール・ド・フランス。今年は特にオリンピックやWBC、サッカーワールドカップもありました。

日本人にとっては時差のあるスポーツイベントが目白押しだったわけで、日本全国で寝不足に陥った人も多かったでしょう。あまり人には言わないものの、体重が増えた人も多かったかも知れません。日本全国の国民総生産ならぬ国民総体重を計ったら、今年はかなりプラスになっていそうです(笑)。





慢性的に寝不足を抱えている人も多いでしょうね。事情が許せば昼寝がいいとも言いますが、なかなか難しいですし..。これから寝苦しい季節本番ですが、うまく工夫して、ぐっすり眠って快調に過したいところです。

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