August 31, 2006

手軽にハイブリッド自転車を

 疲れがたまっていて、今日は自転車に乗りたくないな、なんて時だってあります。


もちろん乗らなければいいだけですが、自転車じゃないと不便とか、自転車通勤をしているとか、どうしても自転車で出かけなければならないと仮定しましょう。前日慣れない作業をして筋肉痛がひどいにも関わらず、外は強風、なんてシチュエーションでもいいです。

RevoPowerThe Wheel

そんな、今日だけちょっとラクをしたい、なんて時に、このRevoPower社の、その名もThe Wheelがあったら嬉しいかも知れません。見た目はちょっと変わったデザインのホイールに装着されたタイヤです。前輪だけで後輪はありません。ふだん乗っている自転車の前輪だけ交換して使います。

しかし、ただの交換タイヤではありません。なんとホイール内にエンジンを内蔵しているのです。厳密には燃料のボトルとアクセルのワイヤーもついていますが、前輪を交換するだけで原動機付自転車に変身するというワケです。相変わらずペダルでも前進しますから、正確にはエンジンアシスト自転車ということになります。

日本で普及している電動アシスト自転車はペダルをこぐ力をアシストするだけなので、ペダルは軽くなりますが、こがなければ進みません。しかしこのザ・ホイールは、前輪駆動で、全くこがなくても進んでくれます。もちろん自分の脚力と両方使っても構いません。基本は自転車で、例えば坂道だけ使うのもアリです。

ザ・ホイールこがなくても進む

ガソリンと人力のハイブリッド自転車と言ってもいいかも知れません。それなら最初から原付バイクを買えば?とも思いますが、自転車と2台置くよりスペースを必要としません。見た目は自転車ですから、言わなければラクしていると気づかれないかも知れません(笑)。

26インチのMTBまたは、700CでもVブレーキの自転車でフォークに干渉しないなら取り付けは可能となっています。エンジンの大きさは25ccで1馬力しかなく非力ですから、最高速は平地で32キロしか出ませんが、燃費はリッター約85キロです。

重さは7キロ弱、増えることになりますが、通常の自転車のブレーキで充分制動出来ます。組み立ても簡単です。アメリカでは400ドル程度で、2007年にも売り出される見込みだそうです。今のところ日本で発売する予定は書かれていません。

MTBに装着多くのアメリカ人は8キロ程度の道のりでもクルマで通勤するそうです。このThe Wheelなら自転車でも汗をかかずに通勤でき、燃料費や駐車コストをセーブし、渋滞に並ぶクルマより早く着くとアピールしています。一人暮らしの全米1400万人の学生の足としても有力な選択肢と主張しています。

空港やマリーナ周辺の駐車問題などアメリカ特有の諸問題の解決にも貢献し、多くの人が、わずか5キロ程度しか移動しない買い物にクルマを使う状況も改善出来ると訴えています。毎年全米で200万人にも及ぶ免許停止者の足にもなると宣伝しています。

面白いアイデアですが、日本に輸入された場合、原付バイクと見なされれば、この辺は当てはまらなくなります。原付バイクとしての登録が必要なければ面白い存在かも知れませんが、ナンバーやウィンカー、ミラーなどもいちいち装着するとなると、手軽さというメリットは減ってしまいます。

日頃の運動不足がたたって、友人や家族で出かけるサイクリングについていけないお父さんにも(笑)、と書いてありますが、日本ではサイクリングコースは走れないかもしれません。と言うより、日本で発売されて歩道を走られたら、それこそ歩行者との事故多発で問題になりそうです。

チョッパー型レボパワー

いずれにせよ、前輪を交換するだけで、ほぼ自転車としてのデザインのままエンジンがつくというのは、考えたものです。圧倒的にクルマ社会で、まだまだ燃費の悪い大きなクルマに乗る人も多いアメリカの会社の製品とも思えません。この原油高も追い風にして売り出そうという腹積もりなのでしょう。

事情が違うので日本で使うのはともかく、もしアメリカで普及すれば、かなり省エネに貢献することは間違いなさそうです。こうした製品が果たしてアメリカ人にどれ程受け入れられるのか解かりませんが、さすがにガソリンがぶ飲み状態だったアメリカ社会、アメリカ人の意識も変わりつつあるのかも知れません。



最近はレイトサマーなんて呼び方もあるようですが、実は先週から、私も遅めの夏休みをとって、記事は出先から更新してます。しかし便利になったものです。

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この記事へのコメント
いや〜!すばらしいですね。私は以前メカニックの仕事をしていました(若い頃ですが…)が、知らないことって多いんですよね…。25ccの2ストローク・エンジンですから、かなりのショートストローク・エンジンなんでしょうね?昔なら耐久力に難がありそうですが、今の時代の研磨技術は最高ですからね…。大丈夫なんでしょうね?しかし、乗ってみたいなぁ(笑)興味深い情報いつもありがとうございます。
Cycleroadさん夏休みですか?いいですね…。みんなが仕事を再開した頃に取る休暇なんて…うらやましい…。
Posted by Taka at August 31, 2006 10:13
これはすご〜く気になります。
サッサと買って、日本の行政が間に合わないうちに
「既成事実を作ってしまう会」なるものを立ち上げましょう!

(^_-)-☆
Posted by kazupon at August 31, 2006 17:17
これなら、
普段自転車を本格的にやってる人じゃなくても、
自転車感覚で思いのほか遠くに行けそうですね。
私はロード、家族はコレで走ったら少しは
「私が自転車にハマるワケ」も理解してくれるでしょうか?(笑)
Posted by haru at August 31, 2006 20:21
Takaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
研磨技術の向上も貢献しているんですか。確かにホイール内に入ってしまうくらいの小ささですから、なるほど技術力にも裏打ちされた特殊なエンジンなのでしょうね。
私も、ちょっと使ってみたくなります。面白い商品ですよね。
そのぶん、お盆の時期も働いてますから(笑)。最近は「レイトサマー」などと言うらしいですが、交通機関なども空いてますし、休みをずらす人も増えているらしいですね。
Posted by cycleroad at September 02, 2006 08:41
kazuponさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
気になりますか(笑)。ちょっとくすぐられるアイテムですよね。
セグウェイなどは、かなり話題になりましたので、行政もあらかじめ対策をたてるでしょうが、これなら個人輸入して使っていても、誰も知らないので何も言われないかも知れませんね。周りにクルマが走っていれば音も目立たないでしょうし、警察官の前ではペダルを回していれば、普通の自転車に見えそうですし..(笑)。
Posted by cycleroad at September 02, 2006 08:42
haruさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど。メーカーは運動不足のお父さんを想定しているようですが、サイクリストが、逆に家族に使わせるというのは、いいアイデアですね。体力差をカバー出来ますから、いっしょに長距離でも出かけられそうです。
家族が本格的に自転車にハマる迄の「補助輪」の役割も果たしてくれそうですね(笑)。
Posted by cycleroad at September 02, 2006 08:43
もともとバイクのエンジンはタイヤの中に入った空冷のものでした。
チェーンで外に着いたのはその後です。

このエンジンはそれの改良版という感じですね。
Posted by kkk at March 12, 2011 22:41
kkkさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうなんですか。それは知りませんでした。
おそらく、タイヤの外にあったほうが何かと便利と言うことになったのでしょうけど、この製品は、昔の形をヒントにしたのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at March 13, 2011 23:10
 
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