September 21, 2006

いかに危なっかしく見せるか

Giroアニマスイギリス発のとても気になる研究の成果が発表されました。


クルマの購入者や乗用車のドライバー向けのサイトのニュースなのですが、その記事から引用しておきます。


自転車でヘルメット、かぶっている方が危険?/2006年9月20日

自転車に乗る際には、ヘルメットをかぶっている方が危険である、という意外な調査結果が、イギリスで発表された。これは、英バース大学で、交通心理学を研究しているイアン・ウォーカー博士によってまとめられたもの。同博士自らが、超音波でクルマとの距離を測定する装置を搭載した自転車に乗って、2500件のクルマによる追い越しのデータを収集した。

OGK-W5(記事とは関係ありません)これによると、自動車のドライバーが自転車を追い越す際に、ヘルメットをかぶっている人に対しては、かぶっていない人よりも、近い距離を通って追い越していくという。その理由は、ヘルメットをかぶっている人は、サイクリストとしての経験が豊富であり、周囲の状況にも配慮ができている、とドライバーは考える傾向にあるからだという。

同博士のデータでは、追い越しの際のクルマと自転車の間の距離の平均は133cmだったのに対し、ヘルメットを被って自転車に乗っているケースでは、その距離は平均で8.5センチも近くなるという。また、トラックとバスは、自転車の近くを通り過ぎていく傾向が強く、トラック全体の平均では19cm、バス全体の平均では23cmも近くなっている。同博士は、この研究中にトラックとバスに、それぞれ一度ずつぶつけられたという。

「ヘルメットを被っているサイクリストは熟練しているというのはドライバーの一方的な思いこみに過ぎない。自転車の初心者にヘルメットを被ることを奨励しているのが現実だ」と、こうした状況に警告を発している。


Giroアドバンテージ意外と言うか、盲点と言うべきか、サイクリストにとっては気になる調査結果ではないでしょうか。しかし、よくこんな調査を思いついたもので、この博士の着眼点もユニークです。これはイギリスでの調査ですが、日本とイギリスに程度の差こそあれ、同じ傾向があることは充分考えられます。

追い越し時の間隔については、他にも性別や年齢、背格好や乗っている自転車、走り方に至るまで、いろいろな要素に左右されそうな気がします。でも一人、ヘルメットの有無だけを違えてデータをとったのであれば、他の条件は同じと言えますから、やはりヘルメットによっても差が出るのでしょう。

Giroフルム言われてみれば、私も車道を走行していてクルマに抜かれる際、悪意とまでは言わないまでも、危ない追い越し方をするドライバーがいるなぁと感じることがあります。ヘルメットを被らない普通のママチャリの人より、むしろヘルメットのサイクリストのほうが、余計に危険に感じる場合が多かったわけです。

ヘルメットだけに限らないでしょうが、ドライバーの立場から考えれば、確かにヘルメットを見て、経験豊富なサイクリストとイメージするのも当然と言えます。フラつきそうもありませんし、クルマ側へふくらむ時には、後方をちゃんと確認しそうです。

Giroフラック無意識であっても、追い抜きの際の間隔が狭くなるのは頷ける話です。いかにも危なっかしい人なら余裕をみて避けるでしょうが、サイクリストにとって近くて危ないと感じる追い抜き方も、ドライバーは、あまり注意すべき対象と警戒していないことの表れなのかも知れません。

せっかく安全を考えてヘルメットを装着していても、かえってそれがアダとなるのであれば、何か割り切れなさがあるのは否めません。しかし、だからと言って、せっかくのヘルメットを脱ぐのも本末転倒な気がしますし、わざわざ初心者を装って危なく見せるのも無理があります。

Giroアトラス ツーヘルメットの有無で差が出るのであれば、いっそのことオーストラリアなどの国のように、全ての自転車乗車にヘルメット着用を義務付ける手はあると思います。しかし、これだけ生活に密着している日本で全員にヘルメットを義務付けるのは、現実問題としてもかなり難しいものがありそうです。

そもそも、スピード・怪我の危険・転倒しやすさ・視認性など、どれをとってもクルマと大きく差がある自転車が同じ車線を走行すれば危険が伴うのは明らかであり、一番理想的には自転車レーンの整備が望ましいのは間違いありません。

しかし、我々サイクリストにとっては、明日にでも事故に巻き込まれるかも知れないわけで、そんな悠長なことも言っていられません。何か上手い方法はないでしょうか。私には、例えば黒一色で、パッと見ただけでは、ヘルメットを被っているように見えないヘルメットにするくらいしか思いつきません(笑)。

今までは、ヘルメットも目立つ色のほうがいいだろうと思っていましたが、目立つのは、ある意味で逆効果だった可能性があるわけです。場合によっては手持ちのヘルメットも黒く塗り直すことも必要かも知れません。それでも形から分かりそうですし、いっそのこと、ヘルメットの上からカツラでも被りますか(笑)。



最近、飲酒運転が大きくクローズアップされていますが、いつ何時そんなクルマにハネられないとも限りません。普通でも脇見や死角に入ることもありますし、クルマが、きちんと必ず避けてくれるとは限らないわけです。それを考えればヘルメットは必要ですし、やはり自分の身は自分で守るしかありませんね。

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安全にも役立つブレイクスルー
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ヘルメットは自らかぶらせる
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Bitacle Blog Search Archive - いかに危なっかしく見せるか【bitacle.org】at September 22, 2006 09:55
この記事へのコメント
なるほどねぇ…。私は車も運転しますし、バイクにも乗ります。双方の気持ちが理解できるつもりなのですが、ついつい今乗っている方の自分を優先してしまっているのも事実です。車に乗っていれば「自転車危ないなぁ…」って思いますし、バイクに乗っていると「あの車危ないなぁ…」って思う事もしばしばです。身勝手なのでしょうね?せっかくの楽しい自転車と車生活を送っているはずなのに、それらを凶器に変えてはいけません。常に相手を思いやる気持ちの余裕を持ちたいものです。
Posted by Choko at September 21, 2006 11:42
Chokoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
正直、誰でもそんなところではないでしょうか。クルマの少ない場所ならともかく、実際に日々大量の交通量の中では、危なく感じる人も多いですし、周囲の他者全てを優先する運転が出来るものでもありません。
しかし、だからと言って事故の加害者にもなりたくありません。私も運転しますので、おっしゃるように余裕をもった運転を心がけたいですね。
Posted by cycleroad at September 21, 2006 20:05
はじめまして。
香川県で「サイクルタウン香川 自転車ワールドフェスタ2006」というイベントがあります。
その一環として、自転車に関するストーリーを募集しています。気軽にご応募いただけたらと思い、書き込ませていただきました。
http://www.cycletown-kagawa.jp/
Posted by サイクルタウン香川 at September 23, 2006 00:43
サイクルタウン香川さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
サイトを拝見しました。もし期間中に高松へ行くことがあれば、是非のぞいてみたいと思います。
わざわざお誘いいただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at September 25, 2006 21:10
 
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