October 12, 2006

うつむいた自転車という名前

初めてスポーツタイプの自転車に乗ると、その前傾姿勢に乗りにくく感じる人も多いでしょう。


私の友人の中には、あの姿勢では上目づかいになって、目つきが悪くならない?と聞いた人もいました(笑)が、やはりママチャリしか乗ったことがない人は違和感を感じるようです。もちろん慣れですし、慣れれば、むしろママチャリのアップライトな姿勢で長く乗っているほうが、お尻が痛くなります。

実は体重がお尻と腕に分散するので、疲れにくく合理的な姿勢であることは言うまでもありません。それでも最初は肩や首、手などが痛くなることもあるでしょうし、中には物理的にお腹が邪魔をするとか、上半身を倒しづらい人もいるかも知れません。

PRONO BIKE

そんな人でも、この「PRONO BIKE」なら楽に前傾姿勢をとれそうです。PRONOはイタリア語で、「うつむいた」とか「下向き」の意味ですが、リカンベントとは逆に「うつぶせ」の姿勢で乗る自転車です。すれ違っただけなら、一瞬、普通のロードバイクで深く前傾姿勢をとっているようにも見えます。

うつ伏せ自転車

しかし、よく見るとペダルとクランクが後輪より後ろにあります。リカンベントは前輪より前にクランクがある場合も多いですが、なるほど、逆に後輪より後ろに持っていく手もあるわけです。リカンベントの仰向けに近い姿勢に対し、まさにうつ伏せに近い姿勢です。

普通のロードバイクでは、サドルの下方向にペダルがあるため、下半身に対して上半身を前に屈めた形になるわけですが、この四つん這いスタイルなら身体は曲げずに済むぶん楽かも知れません。しかもハンドルにヒジでも体重を支える形になっています。ただ視線は、上目遣いですが(笑)..。

独特のサドルを上から見たところサドルにも工夫があるようです。お尻が後ろへずれないよう、背もたれと言うほどではありませんが湾曲しています。サイトがイタリア語なので、なんと説明されているかよくわからないのですが、サドルの前がYの字型に割れているのは、つまり男性用ということでしょうか。

もちろん、決してふざけたバイクではありません。サイトには効率のことや設計思想、製作のきっかけ、その革新性や将来性、スピードとポテンシャル、呼吸のしやすさ、フレームの素材のことなどが書かれているようです。(たぶん。イタリア語に堪能な方、違っていたら教えてください。)

下の写真のようにファイバー素材などでカウルやフェアリングと呼ばれる覆いをかぶせた自転車、ストリームライナーなどとも呼ばれますが、その製作が元になっているようです。つまり高さを低くして空気抵抗を減らし、足の蹴る力をより効果的に使えるなどの利点から、スピードを出すのが主眼のようです。

実は、こうした自転車、英語ではプロン型と呼ばれ、この人の発明ではなく以前からあります。リカンベントもまだまだメジャーとは言えず、一般には知らない人も多いですが、プロンは更にマイナーです。おそらく一般に市販されているモデルは無いと思うので、オーダーメイドか自分で作るしかないようです。

リカンベントは必ずしも仰向けという意味ではなく、「横になった、もたれた」ですので、プロンもリカンベントの一種とされる場合もあるようですが、リカンベントをうつ伏せに乗ったのでは後ろに進んでしまうわけで(笑)、別の種類の自転車と言えるでしょう。

ストリームライナー

以前にも、上の写真のようなフェアリング付きの自転車の中で取り上げたことがあるのですが、下の写真のように前後輪の間隔を伸ばしたタイプでした。これは、さすがに姿勢が低くホイールベースも長いので、普通には乗りにくいと思われます。競技用または記録挑戦向きです。

フェアリング

しかし、後輪より後ろにクランクがあるタイプなら、形も普通の自転車と大きくは違わず、ずっと実用的と言えます。部品もサドルを除けば流用できるでしょうし、フレームも普通のタイプでよければ、少し改造すれば作れそうです。ヒジを支える部品もトライアスロン用が使えるでしょう。

プロンバイク

究極の自分用ポジションとスピードを追求するなら製作するのも面白そうです。ただ、今風に言うならば、そのポジションはまさに、_| ̄|○、もしくは、orz、です。街で乗っていたら、「失意体前屈自転車」か「がっくり自転車」と話題になってしまうかも知れません(笑)。



北朝鮮の船舶入港禁止措置がニュースになっていますが、テレビでみる貨物船、どれも古自転車を満載しています。特徴的だから映像に収められるのか、それとも、みな満載しているのでしょうか。ずっと以前からの光景なので相当量輸入しているはずですが、そんなに自転車ばかり需要があるとも思えません。何に使うのでしょうか..。

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この記事へのコメント
いきなり失礼します。ようやくここにたどり着きました。
普段は東北各地を家族4人トレンクルで旅しています。
今度機会があって夫婦で北京(←ブログ大変参考になりました。)に行くのですが、初めて愛車?を飛行機に持ち込もうとしています。
ー転車を飛行機に持ち込む際、空気を抜いていますか?実は自分も室内でタイヤがバーストした経験があり、気圧の低い飛行機の荷物室にそのまま積めるのか悩んでおります。
▲曠謄襪魎霤世冒りますので空気入れを持っていこうと思うのですが、自宅用のパナレーサー製のものはさすがに大きすぎます。一方でハンディタイプになかなか良いものがありません。普段どのような物をお使いですか?
もしも分かればで結構ですが、北京の自転車は英式バルブだったでしょうか?
可能な範囲でご教授ください。
Posted by チバジュン(44・♂) at October 15, 2006 22:32
チバジュンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。お答えします。
1.これは手を抜かずに絶対抜くべきです。必ずバーストするか試したことはありませんが(笑)、可能性は低くないでしょう。下手するとリムまで歪みます。
2.私もそれほど多く試したわけではありませんが、経験と友人等の評判から、信頼性と入れやすさなら、トピークの「モーフ」シリーズをお勧めします。詳しくは、この右下のcycleroadをクリックした先の2番目と3番目の写真です。さらに写真をクリックした先のサイトに、まだ他にも種類があります。大きさやスペック、フレーム装着用クランプの付属などの詳細がわかります。しかし、まだ大きいかも知れません。その場合は同じページの1番目crankbrothersのpower pump ultraも使っています。こちらは非常用と割り切ったほうがいいでしょう。小さくて携行には便利ですが、入れるのは疲れます。ただ、2段階ストロークで、頑張れば思ったより高い気圧まで入ります。同じシリーズでゲージ付きもありますが、大きくなります。(続く)
Posted by cycleroad at October 16, 2006 01:21
(続き)走行距離や日数にもよると思うので、モーフシリーズと、どちらがいいか判断して下さい。モーフシリーズはメジャーなので、お近くに自転車専門店があれば手に入る可能性は高いと思います。
3.カギの形などが珍しかったものがあり、じっくり見たのはほとんど英式でした。アップの写真も手元にあります。ただ滞在中、バルブをよく見たのはその時だけなので、日本のように、ほとんど英式ですとまでは言い切れません。稀にはMTBやロードも走っていましたので、仏式等もあるとは思いますが、私の見た感じでは多くが英式ではないかと思います。
外国人向けホテルならば、貸し自転車を置いているホテルもあるようです。その場合、空気入れも借りられると思いますので、何式か問い合わせる手もあるかも知れません。あと、盗難対策は厳重を期したほうがいいと思います。
北京旅行、楽しみですね。気をつけてお出かけ下さい。よろしければ、帰国後の体験談もお聞かせ下さいね。
Posted by cycleroad at October 16, 2006 01:25
早速回答有難うございました。しかも、親切なアドバイス助かりました。
1 空気は抜きます。
2 空気入れは教えを参考に週末に探してみます。
3 ホテルが決まったら調べてみます。しかし、どう聞くのでしょう。「日本の普通の空気入れ(=英式)」と聞くのでしょうか(笑)?
このように分からないことを調べるのが旅の楽しみですね。今回は大変お世話になりました。
これからもブログ楽しみにしています。
もし北京でのサイクリングが天気の関係で上手くいかなくても、持って行った経過や東北の話題を提供します。
Posted by チバジュン at October 16, 2006 21:50
チバジュンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、ホテルに備え付けの空気入れのバルブのタイプまで問い合わせる客は、なかなかいないでしょうね(笑)。英式バルブのことを英語ではDunlop Valveと言うようですが、中国語はわかりません。問い合わせを受けた人もサイクリストでもない限り、わからないかも知れません。
トレンクルには英式と仏式、両タイプがあるのでしょうか。北京の記事でも触れた街角の修車屋さんなら、どちらもありそうな気がしますが定かではありません。やはり出先での万一のパンクも考えて、小さいインフレーターでも持って行き、現地で借りられたら、入れやすいので借りるくらいのほうが安心かも知れませんね。
Posted by cycleroad at October 17, 2006 22:26
 こんにちは、はじめてコメントします。
 70年代のアメリカ(IHPVA)ではうつぶせをプローン、仰向けをスパインと
呼んでいました。当時はフルフェアリングのHPVの直線速度記録が毎年更新
されていた時代でした。80年ころからコミューターという動きがおこりま
した。それは、HPVのフェアリングを脱ぎ捨てて日常の用途(通勤)に使おう
というものです。その流れで 82年ごろから うつぶせ、仰向け両方の意味でリカンベントが用いられるようになりました(広義)。その後は仰向けの意味で使われることが多くなったようです(狭義)。イージーレーサー社やライ
トニング社はこのころ設立された老舗です。イージーレーサー社のスローガン
はメイク マイン スパインでした。
 ちなみに70年代の日本ではうつぶせ型、仰向け型とよんでいました。また
仰向け型をホリゾンタルとも呼んでいました。
Posted by ベーチャンカ at September 28, 2010 00:26
ベーチャンカさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど、いろいろ歴史があるんですね。うつぶせも仰向けもリカンベントだったとは知りませんでした。
それにしても、お詳しいですね。ユーザーでらっしゃるのでしょうか。
リカンベントの開発競争が進み、それに伴って最高速度が増し、普通のロードバイクなんかより、はるかに速くなってしまった結果、ロードレースで使用を禁止されてしまったという歴史を持つと聞いています。
その結果、今のようにマイナーな存在になってしまったのだと思いますが、人気が出て開発が進んだが故に、かえってマイナーになってしまうとは、なんとも皮肉な結果です。
そんなに速くならなかったら、今頃、みな当たり前のように乗っていたかも知れませんね。
いろいろと教えていただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at September 28, 2010 22:42
 
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