October 15, 2006

時間と空間をこえて利用する

日本各地、北と南でかなり差はあると思いますが、暑すぎず寒すぎず、ちょうどよい季節です。


気候のことを言えば、最近の日本列島は豪雪だったり猛暑だったりと、寒暖の差が激しさを増しているような感覚があります。東京などでは、ヒートアイランド現象が加わるからかも知れません。この暑さと寒さ、うまく相殺出来ないものかと考えている人たちがいます。

なんと、冬の北海道に降った雪を、夏の東京へ持って来ようというプロジェクトです。見た目に涼しくするため、雪ダルマ程度の雪を運ぼうと言うのではありません。オフィスビルなどの冷房として使おうと言うのです。まだ調査検討段階のようですが、ちょっと意表をつく計画です。

北海道が東京を冷やす北海道開発局などが中心となって進めている「雪氷輸送物流システム」という構想ですが、中身を知ると納得します。まず、冬の雪を夏まで保管しておくことは、断熱材を使えば容易なのだそうです。実際、米の低温保管用や夏場のマンションの冷房などに使われて実証済みだと言います。私もテレビで見たことがあります。

ただでさえ雪は簡単には融けないものですし、屋外にシートをかぶせて置いておくだけでも、夏まで、かなりの割合が残るという話も聞いたことがあります。しかし、その雪を東京へ運ぶコストがかかります。ここがポイントですが、実は現状で、東京から北海道へのフェリーでのトラックやコンテナ輸送の多くは空荷で帰っているのです。

その差は32万トンにも及ぶと言います。10トントラックで3万2千台分です。どうせカラで帰るなら雪を運んでしまおうというわけです。北海道から東京への荷物がないため、結果として物流コストが割高になっている問題を解消し、東京のヒートアイランド現象対策にもなる一石二鳥の計画なのです。

それにしても、わざわざ北海道から運ばず、東京で氷を作ったほうが安上がりではないかという疑問もわきます。実は深夜電力を使って氷を作り、それを昼間の冷房に利用するエコアイスシステムなども実際にあります。深夜電力を使うことにより電気料金も安あがりです。

しかし、これも夜間の製氷時に熱を出すことには変わりありません。一方、北海道の氷を持ってくれば排熱はないのです。冷やそうとすればするほど排熱が増える悪循環に寄与せず、またその悪循環を断ち切る意味で、大いに意味があることなのだそうです。

昔は北海道の炭鉱から東京へ石炭が運ばれてきて、石炭ストーブによる暖房に使われていました。今度は雪氷を運んで冷やそうというわけです。「黒いダイヤから白いダイヤへ」というキャッチフレーズだそうですが、冬の邪魔者を資源に変え、しかも環境に優しいという、まさに夢のようなプランと言えるでしょう。

雪氷輸送物流システムゴミ処理施設から出る熱を使って温水プールを営業するとか、無駄になっている熱エネルギーを活用する例は聞きますが、冷たい雪もエネルギーとして利用出来ることには、なかなか気づきません。計算すると、32万トンの氷を作るのにドラム缶1万6千本の石油が必要になります。

物流の問題にしても、飛行機を空席で飛ばすよりは、安くしても客を乗せたほうがいいのと同じわけです。言われれば納得ですが、当たり前になっていると、なかなか気づきません。そう聞くと、例えば原油を運んでくるタンカーも、帰りはバランスを取るため、バラストとして海水を運ぶわけですが、もったいない気がしてきます。

素人考えですから、おそらく何か事情があるのだとは思いますが、飲料水とはいかないまでも、せめて雨水などの真水を運んで砂漠の灌漑に使えないのだろうかと思ってしまいます。他にも似た例はあるに違いありません。私達の身の回りで考えても、クルマのトランクをはじめ無駄になっているスペースは少なくなさそうです。

身近なところでも、廃棄物のリサイクルや、使われずに捨てられる物の有効な利用の工夫は比較的よくあります。しかし、まだまだエネルギーや輸送、あるいはその組み合わせなど様々な形で「無駄」や「もったいない」が眠っていそうです。そんな視点をもっと持つべきなのかも知れません。



真冬でも真夏でもないのに、ちょっと季節外れの話題だったでしょうか(笑)。たまたま知って、その着想に感心したので取り上げてみました。気が早いですけど、また雪かき中の事故が多発しないよう、今年は雪が少ないといいですね。

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