December 26, 2006

ブランドが無名なことの影響

自転車のメーカーやそのブランド、どのくらい知っていますか。


おそらく趣味のサイクリストなら、欧米のメジャーなブランドがスラスラ出てくるに違いありません。でも、特に自転車に興味のない人であれば、国産の著名なメーカー2、3社でも思い浮かべばいいほうでしょう。そもそも自分が乗っている自転車のメーカーすら意識していない人がほとんどかも知れません。

写真は本文と関係ありません。国内に8千万台の自転車があり、毎年1千万台からの自転車が売れていると言いますが、その大部分がいわゆるママチャリですから、欧米のメジャーなブランドは一部のサイクリストには知名度が高くても、国内でのシェアから言えば、かなりマイナー(少数)です。一般には、ほとんど知られてもいません。

昨今の自転車の低価格化傾向で、国産の著名なメーカーのママチャリの割合も低下していますので、中国などから輸入する業者の扱うノーブランドや無名ブランド、大手流通業者独自のブランドなどの占める割合が、実は自転車市場の中で大きな部分を占めていることになります。

ノーブランドや無名ブランドの自転車以外に、取扱い業者は無名でも、他の分野で知名度の高いブランドをつけて売っている自転車があります。自転車雑誌などには出て来ない自転車ですが、決して小さな市場ではなく、ホームセンターやスーパーマーケットといった量販店などで主に売られています。

写真は本文と関係ありません。先月出かけたサイクルショーでは、有名な自転車メーカー以外にも、多くの取扱業者やパーツメーカーなどが出展していました。その中にはファンシーグッズや、ライター、アウトドア用品、それにクルマといった他の製品で有名なブランドをつけた自転車も、多数出展されていました。

クルマのメーカーの自転車については、いろいろあります。今は自動車メーカーでも、元々は自転車メーカーだった会社も少なくありません。自動車メーカーとしてのブランドを生かし、ディーラー網を通してオリジナル自転車を売り始めたものの、メンテナンスなどが出来ずに反発を買って断念した会社もあります。

今では全く自転車を作っておらず、ブランド名だけを他社に貸しているメーカーもあれば、今でもクルマと共に自転車を販売しているメーカーもあります。一概にクルマのブランドイメージで自転車を売る便乗商法とは言えないわけです。

写真は本文と関係ありません。自転車は様々なパーツの組み合わせで出来ていますが、部品それぞれに多くのパーツメーカーがあり、どんなメジャーブランドでも、各部品メーカーのパーツを組み合わせて製品にしています。全ての部品を自社で生産している会社は、少なくとも市販メーカーにはありません。

逆に言えば、誰でも部品を組み合わせてオリジナルブランドの自転車を作ることが可能です。中身は同じ商品でも、ブランドがついただけで高く売れるものは少なくありません。そうしたブランドの価値は否定しませんし、自転車以外のブランドを自転車にまで商品展開するのが悪いわけではありません。

信頼の置ける自転車メーカーのブランドが一般にはあまり知られていないこともあって、他の分野で有名なブランドをつけた自転車が、むしろ自転車に詳しくない普通の人には人気が出てもおかしくありません。ただ、その中には自転車としての品質に疑問が残る場合もあるようです。
(注:ここで写真を載せた商品についてではありません。写真は先月の自転車展のスナップです。)

写真は本文と関係ありません。品質的に違いがなくても、その価格差がブランドの価値ですから、納得して買うなら消費者の勝手です。しかし、中には過剰にコストダウンされ、その安全性にすら疑問を感じるケースもあり、実際に海外でも問題となるケースが出ています。

自転車はとても身近な製品ですが、フレームや部品の違いによって、性能や乗り心地などに思ったより大きな違いが出ることは、あまり知られていません。日本では、あまりにママチャリという商品が普及しすきている弊害として、ごく低性能なものが当たり前になっているという事情も影響しています。

日本では、ほとんどの人はママチャリしか知りませんし、それも低品質の低価格車が蔓延しています。知名度のあるブランドというだけで、値段が相対的に高い割には品質的に疑問でも、実際にはあまり不満が出ないのかも知れません。粗悪な自転車が流通する土壌があるとも言えます。

写真は本文と関係ありません。どんなメーカーでも、製造物責任法(PL法)や先ごろ成立した改正消費生活用製品安全法(SGマークの根拠となる法律)をはじめとする法令を遵守しているなら批難されるものではありません。もちろん製品に問題があれば、結局は淘汰され、長い目で見れば妥当な商品が残って行くでしょう。

しかし、昨今の自転車の低価格化や使い捨てに近い状態が拍車をかけ、ブランドだけで売ろうとする低品質な商品が淘汰されていく状況にはないようです。悪貨が良貨を駆逐するの例えもあります。危険でないまでも、自転車の楽しさをスポイルするような自転車も氾濫しています。

私の身の回りなどで聞いてみても、一般のユーザーは、ある意味自転車の商品知識など全くないに等しい状態です。一見してまともに見える粗悪品や、耐久性の低い危険な製品を見分ける知識もなければ、判断の基準となるような大手自転車メーカーの名前すら、ほとんど知りません。

写真は本文と関係ありません。現在のような状況で商品知識云々を言っても仕方がないのかも知れません。しかし、使い捨てのママチャリとは違う自転車の世界があり、性能に対して値段を払えば、それに応じた品質が得られ、それは快適性や楽しさの大きな違いに結びつくことは知ってほしいものです。

最近注目が高まっていることもあり、ちょっと値段が高くても少しお洒落な自転車やスポーティーな自転車を買おうとする消費者が増えていると言います。せっかく単価が上がっても、楽しく快適な自転車が増えずに、必ずしも性能が伴わず、自転車の楽しさを味わえない自転車が増えるのでは残念です。

実際に、一般には知られていない自転車メーカーのブランドより、他の分野で有名なブランドを選んでしまい、結果として「多少高いのに快適ではない自転車」を買ってしまう例は少なくありません。見せかけの自転車に惑わされ、本当の自転車の世界と出会う機会を失う人が増えるのも、いろいろな面で残念なことです。

好きなキャラクターや色使いなどで自転車を選ぶのも否定はしませんが、やはり自転車として快適でなく、楽しくなければ、その魅力は半減します。お菓子メーカーの家電や、家電メーカーの化粧品、化粧品メーカーの洋服を買わないように、よく聞くというだけで自転車を選ばないでほしいものです。



クリスマスも終わって、いよいよ年の瀬ですが、交通事故も多い季節です。慌しさに押されて油断しないよう気をつけたいものですね。

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