March 29, 2007

本当に海に沈んでしまうのか

気候変動について、実感と誤解が交錯していることが明らかになりました。


先日発表された国立環境研究所の調査によれば、日本人の95%が実際に気候の変動を感じていると答えたそうです。今後の影響について深刻と考えているのは、「今までより極端な気候が起きる」が約46%と最も多く、次いで「海面上昇」と答えた人が約42%に上りました。

一方で、気候変動の原因は「オゾン層の破壊である」とする誤まった回答が5割近くに達し、「化石燃料燃焼による二酸化炭素発生」の4割を超えるという結果も明らかになりました。気候変動に対する関心は高まっているものの、正しい理解はまだ充分ではないということでしょう。

仮にオゾンホールが縮小に向かった時、それを理由に温暖化が収まると安心してしまうのでしょうか。今後もし、大きな気象災害がしばらく起きなかった時でも、気象変動への関心が一時的なブームに終わることはないと思いますが、やはり正しい知識の浸透が望まれます。

明らかな誤りはともかく、気候変動に関しては、さまざまな情報が溢れています。中には危機感を訴えたいあまりの誇張や専門家でない人の推論が信じられてしまうこともありそうです。そうした曖昧さが存在する背景には、問題の性質上、仕方ない部分があります。

そもそも、気候が変化するメカニズムは複雑で、これだけ科学が発達しても正確な変化の予測は困難です。その因果関係は推測できても、明確に証明できるものではありません。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書においても、その表現はあいまいさを含まざるを得ません。

つまり、「温暖化は進行しており、その原因は人為的な温暖化ガスの排出による可能性がかなり高い。」と地球温暖化に対して、これまで以上に強い警鐘を鳴らしているものの、はっきり断定することは出来ないわけです。研究者の中にも意見が分かれる部分もあるでしょう。

私は、もちろん気候変動問題の重要性を認めるにやぶさかではありません。温暖化についての危機意識も持っているつもりです。しかし、それがもたらす現象について言われていることは、推論と伝聞が混ざり、一部の事象が誇張して伝えられることも多い気がします。中には世論の関心の高まりもあいまって、行き過ぎの部分もあるのではないでしょうか。

元々は必ずしも正しいとは限らない推量の範囲だったのに、もはや避けられない事象、このままだと確実に起こるかのように伝えられ、いつの間にか衆知の事実のように扱われているものもあると思います。個人的に一番疑問を感じるのは海面上昇についてです。IPCCも海面上昇を予測していますが、その根拠が納得いかないのです。

確かに、北極海の海氷が観測史上最小を記録し、ヒマラヤの氷河は後退し、南極の氷山は崩壊しています。しかし、だからと言って海面が上昇するというのは、あまりに短絡的な議論です。仕方ない面はありますが、温暖化を示唆する場面ばかり象徴的に取り上げられているのも間違いありません。

言うまでもなく、北極の氷は海に浮かんでいるので、解けても体積が増えるわけではありません。海面上昇をもたらすと言われる地球上に存在する陸氷の9割以上は南極にあります。山岳氷河が縮小していると言っても、山岳氷河全体の割合ですら陸氷の1%にも満たないのです。

南極の氷の厚さは、平均でも2千5百メートルにも及びます。南極の氷山が崩壊して海へ流れ出すシーンがテレビなどで流されますが、実は氷山や氷床の崩壊は、南極大陸から突き出た、比較的緯度の低い南極半島の一部に限られていることについては、ほとんど触れられません。

最新の研究によれば、温暖化の影響が顕著な北極とは逆に、南極の氷床は予測に反して増えていることが明らかになっています。つまり、海面上昇をもたらす決定的要因である南極の氷は溶けるどころか増大しているのです。これは、ごく初歩的な物理の知識から考えても当然のように思われます。

南極の平均気温は氷点下数十度になります。ちょっとやそっと気温が上がっても氷が溶けるものではありません。物理学的には南極の平均気温が上がると空気中の水蒸気の許容量が増え、降雪量が増えると言われています。そのぶん積雪が積みあがり、南極の氷は分厚くなるはずです。事実、観測結果がそれを裏付けています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)もちろん北極の海氷の減少や氷河の後退も気候変動を引き起こし、雪解け水に依存する7億人以上と言われる人々の生活にも深刻な結果をもたらす可能性があります。しかし、海面上昇とは別の話です。絶対上昇しないとは言いません。異論も多いでしょうが、関心を持って調べれば調べるほど疑問は深まります。

日本でも海岸線が侵食されているとの指摘がありますが、ほとんどは砂浜の減少です。これはダムや護岸工事による河川の砂を運ぶ能力や土砂堆積の変化などが主因と言われています。南太平洋の島々の浸水の映像もよく見ますが、エルニーニョ現象などで海水温が上昇し、海水体積が膨張しているとの説もあります。

温暖化を否定するものではありません。しかし、そのもたらす影響や変動については、不明な面も多いわけです。危機感のあまり、広くその重要性を訴えたい気持ちもわかりますが、あまり極端な見解や推測・見通し、断定する言い方をして、いたずらに不安を煽っったり、はやし立てるべきではないように思います。

さすがに温暖化していないとする科学者は少なくなっているものの、炭酸ガスとの関係を否定している専門家もいます。京都議定書の批准を拒むアメリカの公式見解を挙げるまでもなく、否定的な見方やその根拠もあるわけです。あまりに温暖化による影響を誇張して逆の結果が現れれば、反対派を勢いづかせる結果につながります。

専門家でない人、いわゆる知識人としてメディア等で発言している人の中にも、世の中の風潮に合わせただけの無責任な発言もあります。関心を持ち、広く訴えることも重要ですが、あまりにセンセーショナルに騒ぎ過ぎて、飽きられたり反動で世論の関心が薄れてしまうのもマイナスです。

温暖化ガスの排出削減にしても、ただ周りが言うから仕方なくやるというだけでは、やがて疲れてしまう人も出るでしょう。自らの意思で考え、納得して自発的に行動してこそ生活の中にも定着すると思います。国民的なコンセンサスを進めるためにも、正しい知識と理解を浸透させることが大切なのではないでしょうか。



ここのところ、パソコンの調子が悪く苦闘しています。ふーっ(笑)。皆さんも、転ばぬ先の杖、バックアップをお忘れなく。

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