May 10, 2007

自転車にも便利な駅がほしい

アメリカでは、連邦政府より州政府が地球温暖化対策に積極的になっています。


西海岸のカリフォルニア州でも近年、温暖化ガス削減に力を入れ始めています。カリフォルニア州は一つの州だけで日本の総面積を上回るほど大きな州ですが、その広さもあってクルマへの依存度は高く、輸送や交通部門の温室効果ガスの排出量が全体の4割以上を占め、産業や民生部門を大きく上回る構造になっています。

そのため、クルマのエネルギー消費効率の向上や代替燃料の促進など、さまざまな対策が行われているわけですが、最近では改めて自転車への注目も高まっています。都市部での道路渋滞もあって、市民レベルで自転車が見直され、利用され始めていることもありますが、それだけではありません。

自転車の駅

行政や公的資金の援助によって、市民の自転車の利用をサポートする施設が設置され始めているのです。NPOが運営するバイクステーションもその一つです。公共交通と連携する駐輪場に、さまざまなサービスを集積させた自転車のターミナルで、まさに「自転車の駅」と呼ぶに相応しい施設と言えましょう。

盗難の心配のない安全な駐輪場というだけでなく、空気を入れるなど簡単な整備も出来れば、プロに修理を頼むことも出来ます。通勤の人など、ここでシャワーを浴びてスーツに着替えて出勤することも出来ます。もちろん、列車やバスなど他の交通機関への乗り換えや搭載の利便性も図られています。

Bikestation

日本の都市では、公共交通網の発達度や都市の構造の違いなどから、単純に導入出来ない部分もあるでしょうが、ぜひ見習ってほしい政策だと思います。自転車レーンの整備なども求められますが、自転車利用者を支援・優遇する措置も有力な選択肢です。

こうしたバイクセンターを公的な資金を投入して建設し運営資金を補助することで、都市で自転車を利用することの利便性を高め、クルマの利用者より優遇すれば、自ずと自転車利用者は増えるでしょう。そうした政策を通して、クルマの利用を減らし、結果的に温暖化ガスの削減につなげようというわけです。

バイクステーション

日本でも、こんなバイクステーションが出来れば、自転車通勤をする人が増えそうです。夏場は特に汗をかくので、着替えの問題から自転車通勤できない人もあるはずです。忙しい人、ものぐさな人も、自転車店へ修理に持ち込む手間が省けて、より快適な状態で乗れます。駅前の放置自転車対策としても有効でしょう。

全米にも、こうした動きは広がりつつあると言います。場所によって状況は違うので、その効果は違ってくると思いますが、クルマの燃料消費効率を上げるために莫大なコストや資源、エネルギーをかけるより、クルマの利用が減らせれば、圧倒的に効率がいいのも間違いありません。

自転車ステーション

たかが自転車と考える人は多いでしょうが、決して小さな対策ではありません。それでクルマの利用が減らせるのであれば、渋滞、騒音、排ガス被害なども減らせますし、費用対効果から考えても、バイクステーションの建設は、むしろ現実的で効率的な対策となりうるわけです。

ただ日本への導入は、一般的に自転車に対する認識が低いのがネックとなりそうです。つまり、ママチャリしか乗ったことがないと、自転車が実用的で有効な都市交通の手段たり得るとは、なかなか考えない人が多いのです。政府や自治体の政策立案担当者も例外ではありません。

自転車ターミナル

先日のニュースによれば、霞が関で警察庁がマナー向上を目指して、中央省庁の職員を対象にした自転車教室が開かれたそうです。しかし、ママチャリでのマナー教室では、自転車の真のポテンシャルを実感するまでは期待できません。その意味で惜しいです。


省庁職員対象に自転車教室 警察庁、マナー向上月間

中央省庁の職員対象、霞が関自転車教室中央省庁の職員を対象にした「霞が関自転車教室」が8日、東京都千代田区の日比谷公園で開かれ、総務省や国土交通省などの職員約40人が参加した。警察庁が主催。利用者のマナー向上を促進するため、自転車メーカーでつくる協議会が定めた「自転車月間」に合わせたもので、昨年に続き2回目。

教室では、警視庁の女性警察官が自転車を使い、サドルの高さやタイヤの空気圧の調整など点検の仕方を説明。その後、参加者全員が自転車に乗り、ポールの間をジグザグに走るコースや幅40センチの8の字コースをはみ出さないように走る実技に挑戦。うまく自転車を操ることができず、立ち止まってしまう参加者もいた。参加した防衛省の男性職員(41)は「あまり意識せず自転車に乗っていたが、今後はマナーの向上に努めたい」と話していた。(5/8、kumanichi.comより)


バイクセンター

これが、温暖化対策としての成功事例、海外で広がりつつある対策となれば違ってきます。揶揄するつもりはありませんが、日本は古来、さまざまなものを海外から取り入れてきました。願わくば、バイクステーションがアメリカやヨーロッパなどで大きな成功例となって日本に入ってくることを期待したいです。



しかし、なんなのでしょう、ここのところの暑さは。時折あることだと言いますから温暖化とは言いませんが、今からこう暑いと先が思いやられますね。

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もちろんヨーロッパでも、先進的な都市にはバイクセンターがある。

今度は自転車で来てください
カリフォルニアでは、民間の施設でも自転車利用者を優遇している。



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この記事へのコメント
まったくもってごもっともなんですが、
トヨタみたいな企業(を代表する経団連)が
政治に対して強力な力を持ってる国では
なかなか厳しいんじゃないかと思いますが、
その辺り、どのように思われますでしょうか?
Posted by 通りすがり at May 11, 2007 23:06
初めましてw
ほんと日本が温暖化対策の一つに"自転車"をもっとバックアップして欲しいですね。
自分は車に積んで行った先で、景色を楽しみながら自転車で走ってみたいという願望があるので、自社利益ばかり追求しないでTOYOTAなんぞが自転車メーカーとタイアップして"自転車を積んでFUN to Drive!"とかやったら面白いのですが(笑
Posted by HIRO39 at May 12, 2007 12:45
通りすがりさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
トヨタのおひざ元、豊田市でも自転車の活用を推進する取り組みが報じられていますし、都市部では自転車とは関係なく、公共交通網があったり車庫などの維持費が高いこともあって、クルマの販売は頭打ちです。むしろ渋滞が減ってクルマの使い勝手が向上するのを歓迎する見方もあるでしょう。
一般的に自動車メーカーは、自転車をライバルとは見ておらず、必ずしもその普及がクルマの売り上げを減らすとは考えていないと思われるフシもあります。
アメリカでは「経済に悪影響を及ぼす」として消極的なブッシュ政権に対し、民間企業のほうが温室効果ガスの削減義務化を求めています。そうした圧力を強めるアメリカの民間団体、USCAP=アメリカ気候行動パートナーシップに、つい先日、自動車のゼネラル・モータースなど大手企業14社も新たに加入しました。(続く)
Posted by cycleroad at May 12, 2007 20:56
(続き)
アメリカの企業ですら、自らの利益を減らしてでも温暖化ガス削減義務化を求めざるを得ないわけです。日本企業にしても、もはや温暖化対策に消極的と見られては死活問題との認識が強まりつつあります。人々の環境への意識の高まりが、もはや止められない流れとするならば、こうした対策にも消極的には見られたくないでしょう。
仮に自転車の利便性を向上させる施策を妨害しても、クルマの売上には大した効果がないし、悪印象をもたれるよりは、むしろ積極的に支持したほうがイメージアップにつながり賢明な策と考えるのではないでしょうか。多分に希望的観測も含まれていますが..(笑)。
Posted by cycleroad at May 12, 2007 20:57
HIRO39さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
まさに、"自転車を積んでFUN to Drive!"なクルマを出しているメーカーがヨーロッパにはあります。この下の「cycleroad」の文字にリンクしておきましたので、クリックしてみて下さい。
ヨーロッパでは、メジャーな自動車メーカーでも自社ブランドの自転車を作っている会社は少なくないですし、そもそも自転車メーカーだった会社もあります。おっしゃるように日本のメーカーにも、自転車との連携を有効に活用したり、相乗効果を狙うような会社が出て欲しいですね。
Posted by cycleroad at May 12, 2007 21:03
 
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