July 27, 2007

未来のサドルの進化はいかに

オリックスと名付けられた自転車です。


Author:Thomas Schoch,under CC-BY-SA日本でオリックスと言うと、プロ野球の球団かその親会社を思い浮かべる人が多いかも知れません。元の社名オリエントリースからの造語のようで、アルファベットだと“ORIX”ですが、英単語の「オリックス」のスペルは、“Oryx”で、主にアフリカなどに生息する写真のような動物、別名レイヨウ(羚羊)、もしくはアンテロープのことです。

確かに、オリックスの長くてまっすぐな角を彷彿とさせ、未来を感じさせるデザインです。カスタムメイドのタイムトライアルバイクのモデルとして、Harald Cramerさんというデザイナーが発表しました。デザインコンテストの賞もとった作品だそうです。

エアロダイナミクス(空気力学)に基づいたというフレーム構造だけでなく、片側のみでホイールを支持するステーやフォーク部、クランクが内部に取り込まれたペダル部分などにも斬新さが感じられます。何といってもサドルの取り付けが特徴的ですが、どんな乗り心地なのか、ちょっと乗ってみたくなります。

Oryx

当然ながら、このまま一般向けに発売するには無理があるでしょう。コンセプトモデルにツッコミを入れても仕方ないのですが、カスタムメイドとは言え、一度決まったらサドルの位置を調整するのも難しそうです。ブレーキやディレイラーの取り付け、振動の吸収性や部品の強度なども気になります。

Oryx Bike

とは言っても、最近の身の回りの製品の多くがデザイン優先になりつつあるのは間違いないところですし、機能もさることながら、デザインがいかに洗練されているかによって売れ行きが左右される商品が増えているのも事実です。スポーツバイクもデザイン性がより重視されるようになっていくのでしょう。

Oryx実際に、現在市販されているモデルにも、カーボンを使ったバイクが増えてきています。金属のパイプを溶接してフレームにするしかなかった時代とは、明らかに技術的な環境が変わりつつあります。成型によって作られるのなら、今までのようなオーソドックスなフレームの形にする必要性は必ずしも高くないわけです。

フレームやその他のパーツに斬新なデザインが取り入れられた、この“Oryx”のような自転車が、近い将来発売される可能性もないとは言えません。私も別に、今の一般的なフレームの形に大きな不満があるわけではありませんが、何か新しい時代の到来を感じさせるようで、楽しみな気もします。

一方で、「未来のデザインもいいけど、サドルが硬そうで、お尻が痛くなりそうだなぁ。」なんて感じる人もいるに違いありません。自転車に限りませんが、当然のことながらデザインよりも実用性、見た目よりもラクさ、格好良さより快適さを求める人も多いわけです。

こちらの“Office Chair Bike”、デザイン優先とは180度違って現物重視、すなわち廃物利用で作られた自転車です。16インチの自転車をリカンベントに加工し、さらにサドルにエグゼクティブなオフィスチェアを配しています(笑)。普通のサドルだっていくらでも手に入ったでしょうに、革張りの重役用の椅子にこだわっています。

Office Chair Bike

おそらく小さくて硬い普通のサドルが、よっぽどお気に召さないのでしょう(笑)。せめてもう少しコンパクトな椅子にしても良さそうですが、あえてこの椅子をチョイスする背景には、普通のスポーツバイクのサドルが硬すぎるという強い主張があるような気がしないでもありません。

見ただけで笑ってしまいますが、そのユーモアのセンスと言うか絶妙のアンバランス感、個人的に嫌いではありません(笑)。でもジョークととってはいけないのでしょう。ふざけているようにも見えますが、本人は至って真面目に、その作り方のポイントを丁寧に公開しています。

オフィスチェアバイクエグゼクティブ“チェア”自転車

世の中には、スポーツバイクの乗車姿勢や固い乗り心地、速く走るため、あるいは悪路走破などに特化したスタイルを好む人ばかりとは限りません。自転車の用途やライフスタイルも様々です。例え多少不格好であっても、デザインよりも「お尻の痛みとの決別」のような実益を重視するニーズはもちろん相当数、存在するはずです。

こうした現実的な方向性にも、あっと驚くようなコンセプトを打ち出した自転車が出てくると面白そうです。昨今の技術力や素材の進歩によって、あるいはローテクであってもアイデアや新発想で今までの常識を打ち破る、スタイル一辺倒でない豊かな未来を予感させるような自転車の出現にも期待します。



もう関東でも梅雨明けかと思うような天気ですが、あらためてこの暑い中での避難所生活を余儀なくされている方がいらっしゃることを思うと、まことにお気の毒ですね。

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この記事へのコメント
こんんちは。世の中には色々な自転車があるのですねえ。特にオフィスチェアバイク笑えますね。取り付け部の写真なんか撮っちゃったりして大まじめですね。私もこういうの好きです。日本でもママチャリばかりでなくいろんな自転車を町で見かけるようになったら楽しいなと思います。
Posted by ベロモ at July 28, 2007 07:09
ベロモさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ほんと、いろんなことを考える人がいるものです(笑)。
クルマなどには改造を楽しむ人も少なくないですが、自転車を自分で作ったりするような人は欧米に比べても少ないと思います。
おっしゃるように、量販店のママチャリが圧倒的シェアを占めており個性に乏しいのは、いろいろな意味で残念な気がします。ベロモービルも含め、もっと広がりが出るといいですね。
Posted by cycleroad at July 29, 2007 21:32
 
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