December 03, 2007

何が出来て何が出来ないのか

インドネシアのバリ島で国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)が始まりました。


ロイターの報じるところによれば、各国閣僚など参加者の移動手段に自転車を使用することが検討されているそうです。温暖化ガス削減の象徴としてのアピールか、多分にパフォーマンス的演出かはともかくとして、短い距離でしょうから、自転車で充分なら自転車に変えるべきでしょう。

気候変動に関する国際会議でなくても、警備上の問題など他に特段の理由がなければ、無駄に燃費の悪い大排気量車を使う必然性に疑問を感じる人が増えているということなのでしょう。環境負荷を考えない行動に対する視線が冷ややかになっていることも背景にあると言えそうです。

こうしたシンボル的なものでなくても、地球温暖化をはじめ、さまざまな理由から、今まで別の手段に頼っていたものを自転車に変える動きはいろいろあります。自転車に変えたほうがいいもの、自転車の方がいいとまでは言えないものの、自転車でも構わないものが多々あるわけです。

例えば、ベロタクシーが各都市に登場し始めています。明らかに機動力は劣りますが、観光などなら、のんびりとしたスピードが、むしろ向いていることもあります。ゆっくりのスピードでなければ見えないものもあるでしょうし、沿道の景色がじっくり楽しめ、歩くようなスピードなら街の空気まで感じられます。

駐車違反の摘発強化が直接の理由でしょうが、宅配便の会社でも都市中心部では台車や、自転車でリヤカーを引いて集配するところも増えたようです。駐車取締り対策のための苦肉の策という色合いが濃いですが、渋滞している都市部では集配拠点から自転車を使ったほうが、かえってスピードアップになる場合もあるようです。

通勤手段を電車やバス、マイカーなどから自転車にする人、すなわち会社までの自転車通勤も、その一つです。通勤者全体から見れば僅かでしょうが、健康に良い、定期代やガソリン代がタダ、満員電車に乗る必要がないなど、さまざまな理由から自転車に変えても問題ない、むしろ変えたいと言う人たちです。

都市部では自転車を使ったメッセンジャーも見られるようになってきましたし、ほかにも生活の中や仕事の上で、自転車に変えられるものはいろいろあるでしょう。パリでは公共交通としてレンタサイクルを使うヴェリブが大好評と言いますし、日本でも自転車の積極活用を掲げる自治体が出てきました。

しかし、当然のことながら自転車に置き換えられないものもあります。いくら、ここのところ原油価格が高騰しているとは言え、例えば運送会社がトラックを自転車に変えるわけにはいきません。距離や所要時間、それに荷物の大きさや重さなど、自転車に出来ない部分はたくさんあるでしょう。

と、思ったら海外には、なんと引っ越しまで自転車でする人がいます。さすがに一人で自転車引っ越しをするのは大変ですが、友達がみんな自転車に乗ってやってきて、一台ずつは少しでも、一気に大勢で運んでしまおうというスタイルです。その様子、下の動画を再生してみてください。

move by bike

考えてみれば、日本でも昔は、みな大八車やリヤカーで引っ越ししていたわけです。その当時と比べれば、生活道具も大幅に増えていますが、遠距離でなく、単身者など比較的荷物が少ない引越しなら、充分自転車で事足りるのかも知れません。それにしても、自転車で引っ越しなんて、ちょっと虚を突かれた感じがします。

Bike Move自転車で引っ越し

みんなで分散して荷物を運びます。積み込みも力を合わせて。いったい何人くらい集まっているのでしょうか。

引っ越し荷物を分散してソファなどの家具も

大きな荷物を運ぶ人もいます。“Bike Move”とアピールすることも忘れません。

ベッドだって運ぶバイクムーブと看板をつけて

このBike Moveはアメリカ・オレゴン州ポートランドでの話ですが、これだけではありません。これを自転車引っ越しと呼ぶか、人力引っ越しと呼ぶかは別として、全く別に、カナダなど他の地域でも思いついて実行している人たちがいます。でも、みな大勢で少しずつ運ぶというスタイルは共通しているようです。

結構な量を運べるリカンベントの人もいる

左はネブラスカ州、右や下はカナダのオタワでの引っ越しです。

一人あたりでも案外運べる荷崩れが心配

日本人からすれば、クルマ社会の典型とイメージする北米のアメリカやカナダで、自転車での引っ越しが行われていたというのも意外です。日本では、大きな荷物が運べるカーゴバイクやトレイラーを牽引した自転車に乗る人は少ないですが、日本人が発明したリヤカーがあります。自転車でも牽引出来ます。

リカンベントの二人乗りなら力も出そうカヌーだって積み込む

こちらは、また別件です。かなり大きなトレーラーを牽引して大きな荷物を運んでいます。

デスクもそのまま積み込むThe Human Powered Move

動画で見ると、なんだか楽しそうですし、自転車関連のクラブやサークルなどに属している人なら、人も集められるでしょう。ひょっとすると、「自転車引越センター」なんて会社が出来て、引っ越しを頼むと大挙してサイクリストがやって来て荷物を運んでくれる(!)というサービスが生まれるかも知れません(笑)。

引っ越しを自転車でやるなんて、普通は誰しも思いもよらないことに違いありません。しかし、考えてみれば、自然と自転車で出来ないことという固定観念が出来ていたような気もします。世の中に、自転車で出来ること、自転車に変えられることは、もっともっとあるのかも知れません。



今年の流行語大賞は「ハニカミ王子」と「(宮崎を)どげんかせんといかん」が選ばれましたね。でも、この結果に納得いかない人は半数以上に上るようです。私も、もっと他の言葉が選ばれると思っていました。別にいいんですけど..。

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こちらの記事を見れば、自転車で運べないと考えていた思い込みに気づくはず。

運ぶ自転車と運ばれる自転車
地域によって差があるようだが、宅配便の業者も自転車を集配に使い始めてる。

どこかで見たことがある風景
中国あたりでも、まだ自転車とリヤカーで荷物を運ぶ光景が当たり前に見られる。

自転車でもいいなら自転車を
引っ越しとまではいかなくても、トレイラーを使えば、運べるものは増えるはずだ。


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この記事へのコメント
日本でやったら駐車違反で切符を切られそうですね。
土地が狭いですからね。
駐車違反の昔のブログに戻る話ですね。
Posted by honohono at December 05, 2007 10:29
honohonoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、日本の狭い道で荷物を分散して積み込みをするのは現実的とは言えませんね。運ぶときも、あんなに大きなトレイラーを牽引して道路を通行すれば、たちまち大渋滞になりそうです。やはり、日本では無理がありそうですね。
Posted by cycleroad at December 06, 2007 12:33
私は学生時代を思い出しました。レンタカーを借りるお金もなく、もちろん免許もなかったのでリアカー借りて友達の引っ越しをわいわい言いながら手伝いました。たのしかったなー。
今日本でも、宅配便でリアカーの利用が進んでますよね。歩道を爆走するのはどうかと思いますが、紹介された内容は、これからの時代に合った自転車の使い方を示唆していると感じましたよ。私は。
Posted by matta at December 07, 2007 15:23
mattaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
それ、私もやりました!もちろん、その当時でもトラックが普通でしたけど、同じ町内への引越しで距離が近かったこともあって、リヤカーを借りて引越ししました。やはり友人とワイワイ言いながらやった覚えがあります。お金があれば、せめて軽トラックでも借りたでしょうけど、今となれば学生時代のいい思い出ですね。
欧米と比べると、日本ではトレイラーや、カーゴ付のバイクを使う人は圧倒的に少ないですからね。確かに、もっと普及しても良さそうです。さすがに、引越し荷物を人海戦術で運ぶのには無理があるかも知れませんが、私も、もっと自転車を運搬に使えるのでは、と思いますね。
Posted by cycleroad at December 07, 2007 23:10
 
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