December 18, 2007

無尽蔵のエネルギーを活かせ

最近は、新聞やテレビなどに「地球温暖化」や「気候変動」といった言葉が出て来ない日はありません。


再生可能なエネルギーや環境への負荷の低いライフスタイルが注目を集めています。エコでクリーンなエネルギーということで太陽光発電だとか、CO2を出さない乗り物として自転車が話題となることも増えています。そんな中で誰もが組み合わせたくなるのが、太陽電池と自転車なのかも知れません。

人類は、乗り物を様々な動力で走らせようとして来ました。その中で内燃機関が一番経済効率が良かったことから、クルマがモータリゼーションの中心として発展してきたわけですが、その恩恵の一方で大気汚染をはじめとした問題も顕在化し、ここへ来て温暖化ガスの排出源としての面もクローズアップされています。

タイヤ面が太陽電池・E-V Sunny BicycleSolar Electric Bicycle

太陽電池のイニシャルコストは安くありませんが、何よりCO2や排気ガスを出さず、冷却水などの必要もなく、シンプルな構造も魅力です。太陽電池を搭載したクルマ、ソーラーカーのレースが開催されるなど、その能力も向上し、身近になってきました。バッテリーの進歩も目覚ましいものがあります。

まだ必要な電力を得るためには充電に時間がかかるなどの問題点はあるでしょうけど、このソーラー発電パネルを自転車に搭載しようと考える人は少なくないようです。ソーラーカーとなると大変でしょうが、自転車にパネルを搭載して電動アシスト自転車の電力を得るくらいなら、そう難しくない気がします。

Solar Vehicleソーラー自転車

最近、家電量販店などでも売っていたりしますが、日本では電動アシスト自転車が、地味ながら着実に売り上げを伸ばしています。この電動アシスト自転車のバッテリーが太陽電池式なら、日照時間にもよりますが、走行のたびにいちいち充電する手間が省けるかも知れません。

それだけではありません。電動アシスト自転車も家庭の電源から充電している限り、間接的に温暖化ガスを排出していることになります。一台ずつは大きな電力ではありませんが、依然日本の電力の半分は火力発電ですし、全国の自転車が電動アシストになっていけばいくほど、環境負荷が増大することになります。

太陽電池自転車solartrike

太陽光発電で電動アシストの電力をまかなえれば、はじめて温暖化ガスの排出がゼロに出来ます。通常の電力は送電でも大きなロスがありますから、使うエネルギーをその場で発電するのは理想的です。ソーラーパワーと自転車を組み合わせるのは、その意味でも理にかなっています。

電動アシストは、あくまで人がペダルをこぐ力を補助するもので、ペダルをこがなければパワーは発生しませんが、電動自転車として、太陽光発電で得た電気の力だけで自転車を走らせようとする人達もいます。十分充電すれば可能なのでしょうが、充電時間やパネルの面積、価格など、実用レベルに至るのは、まだ難しいようです。

ソーラー自転車太陽電池三輪車

スポーツタイプの自転車に乗っている人なら、こうした方向性に疑問を感じるかも知れません。わざわざ太陽電池やバッテリーなどを搭載して全体の重量を増やすくらいなら、余計なものを一切取り除いて、自転車本来の走行性能を追求したほうが良いと考える人も多いでしょう。

確かに私も、自分で購入するなら電動アシスト自転車より、軽くて走行性能の高い自転車のほうを選びます。電動アシスト自転車にも乗ったことがありますので、そのメリットも認めますし、人気も頷けるのですが、モーターや蓄電池で重くなるのは本末転倒のような気がしないでもありません。実際、バッテリーが切れたら重くて大変です。



まして、電動アシストではなく、電動のみで動く自転車は、もはや自転車ではありません。オートバイがガソリンを燃料とするか、電気で動くか、その電気を何から得るかの話です。自転車のカテゴリから外れたものであり、自転車と比較するのは違うかも知れません。

自転車は人力のみで十分であり、太陽電池やバッテリーの生産の際にも二酸化炭素が排出されることを思えば、そうしたパワートレーンを搭載するのは無駄であり、わざわざ重量を増加させてまで、人力以外で動かす意味が感じられないという意見も聞きます。私も賛同できる部分はあります。



しかし、世の中全体を考えたならば、スポーツバイクに乗る人はむしろ一部です。多くの人は電動アシストでラクになればいいと思っていますし、できることならペダルをこがずに移動したいのです。もちろん、さまざまな理由からペダルをこげない人だっています。

そう考えると、自転車にクリーンなエネルギーを搭載して、環境負荷の小さな乗り物として開発することには意義があります。最初はクルマやオートバイも馬車や自転車にエンジンをつけただけのようなものだったわけですが、進化につれて大きく重くなってきたことを考えれば、原点に返る意味もあります。



すなわち、たった一人の人間を移動させるため、(実際に一人しか乗っていないクルマはたくさん走っています。)あれほどの重さのボディが必要か、考える余地があるはずです。その重いボディを動かすために、余計なエネルギーを大量に消費するのは無駄と考えられます。

安全面はあるでしょう。しかし、都市部でのクルマの平均速度は自転車を下回っています。ソーラー自転車の貧弱な車体でも、自転車の速度なら十分安全は確保できるはずです。メーカーの戦略によって、クルマの装備も重量も排気量も、どんどん膨らんで来たことに留意すべきです。

ベロタクシーにもソーラーパワー自転車

いっそのこと、長年の贅肉を一切そぎ落として、自転車にモーターを付けたくらいの乗り物に戻るのも悪くはないでしょう。現在のクルマと混在することを考えると危険な気がしますが、未来において、まわりが皆自転車ベースの乗り物になるならば、なんら問題はなさそうです。

人力で走ってもいいし、嫌な人は電動自転車でラクに移動するのも可です。電動自転車が全てソーラーパワーでまかなえるようになれば、こんなクリーンなことはありません。現状からすれば夢のような話ではありますが、地球環境への危機感が急速に人々の間に広まる中、必ずしも非現実的とは言い切れないのではないでしょうか。

バッテリーも進化COP13

折しもCOP13が閉幕し、そこでの議論が報道されています。数値目標や枠組みへの参加国の数も大切ですが、本当に大幅削減を実現するための行動段階においては、相当にドラスティックな変革が必要になるのは間違いないでしょう。そう考えれば、ますます現実味を帯びてきます。

未来の都市において、人の移動は全てソーラーパワーか人力の乗り物を利用し、長距離は列車、物流は電気自動車などになってもおかしくありません。このくらい劇的な変化が起こっても、交通分野だけでは地球温暖化を止められないのも事実であることを考えれば、むしろ必然の方向とすら言えなくもありません。

実際に太陽電池自転車が標準となるかはわかりませんが、次世代の交通と呼ぶには頼りない気もします。でも必ずしも重厚長大なクルマをベースにする必要はありません。発想を転換して、ソーラーパワーと、充電が足りなければペダルをこぐくらいで丁度いいのかも知れません。



佐世保の乱射事件が話題になっています。猟だ競技だと言えば合法的に銃を所持でき、実際30万丁も身近に存在しているというのも、考えてみれば恐ろしい話です。猟や競技で使うときだけ、その場所で貸し出されるようには出来ないものでしょうか。

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将来は燃料電池自転車という選択肢も、出てくるかも知れない。

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中国では、電動アシストでない電動自転車が普通に走っている。

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この記事へのコメント
自転車に動力を付けたものといえばソーラー以外にもモペットバイク(原動機が付いた自転車)がありますね

自分もモペットバイクに乗っています
自転車自体としても申し分ないですし燃費も結構いいですよ。

ソーラーで動くのも自分で作ってみたいですけど金が高そうで・・・

今はコツコツと自転車発電機を製作中です。
Posted by 田舎者 at December 20, 2007 22:24
田舎者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
モペットバイクですか。私は使ったことがないのですが、経済的だし、自転車としても走行できて融通が利くなど、メリットは多いみたいですね。
経済性や実用面から考えると、今のところソーラー自転車がかなう相手ではないでしょう。まだソーラーパネルが高いですからね。安くキットでも出てくれば、取り付けてみようという人も増えるのかも知れませんが..。
へぇ、発電機を作ってらっしゃるんですか。どのような用途を想定されているのでしょうか。
Posted by cycleroad at December 21, 2007 23:26
モペットは燃料入れれば直ぐ?動きますからね〜
あと価格もやっぱり目先の金は大きいですから・・
難しいところです

ところで写真にあったZETA兇辰瞳觜修いい任垢諭
初期のZETAより格段に良くなってるし、
日本で売ってたら欲しい・・・

自転車発電の用途は・・特に考えてないです(笑)
まあ自分で電気を作る喜びを味わいたいんす、
用途・・としては非常用ですかね?

Posted by 田舎者 at December 23, 2007 22:05
田舎者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
日本では、安いママチャリが圧倒的に普及していますから、なかなかこうした意欲的な自転車が市場に受け入れられるのは難しい部分があるかも知れませんね。
日本は、太陽電池パネルなどの部品の供給や技術力などでは先進的であるにもかかわらず、消費者サイドは、まだまだ意識の部分で遅れているような気がします。ある程度不便を押してもクリーンエネルギーを利用しようといった意識の高い人は、増えているのかも知れませんが、まだ少ないのが現状でしょう。ZETA兇里茲Δ兵転車を輸入販売するような試みがあると面白いとも思うのですが..。
なるほど(笑)。災害で使うような場面は、出来れば来て欲しくないですが、イザという時には役立つでしょうね。普段でも、アウトドアシーンで活躍するかも知れませんね。
Posted by cycleroad at December 24, 2007 00:40
突然のご連絡申し訳ございません。
九州朝日放送の江良と申します。
ホームページのソーラー自転車の写真の使用許可のお願いでご連絡しました。
今度番組の企画でソーラー自転車を作るのですが、最近ソーラー自転車が注目されているという具体例での撮影をさせていただきたいのです。

許可頂けるでしょうか?
Posted by 江良和也 at June 26, 2009 17:29
江良和也さん、こんにちは。
この記事は、私が世界中で自転車にソーラーパネルを載せている例を集め、紹介したものです。文中の写真は、それぞれのサイトへのリンクとなっています。クリックすると、そのリンク先へ飛びます。
各々の写真はリンク先のサイトに著作権があり、私には許可する権限はありません。各リンク先に申し込んでいただけますようお願いします。
Posted by cycleroad at June 27, 2009 08:20
電動自転車ではなく電動アシスト自転車にソーラーパネルをつけてみました。名付けて、「ソーラーアシスト電動アシスト自転車」。世界初かも。なーんて。
ソーラーパワーの発電を電動アシスト自転車の充電池に補充電。青空駐輪して充電。これで航続距離を延ばすことが出来ます。
まだまだ改良の余地があるけれど、ひとまず初公開です。
http://schnap.it/okdnw1
Posted by たっきー at November 06, 2011 20:30
たっきーさん、こんにちは。
自作のソーラーアシスト自転車ですか。この記事は2007年のもので古いのですが、私の知る範囲でも、ソーラーパネルを取り付けた電動アシスト自転車は、すでに多数存在しています。
過去に、大手企業が太陽電池などの素材開発の一環で製作したモデルを、記事で取り上げたことがありますし、個人で改造する人も少なくありません。
自作のソーラー電動アシスト自転車でユーラシア大陸横断をした人までいます。
特に海外のサイトをチェックすると、いろいろ見つかると思いますよ。
Posted by cycleroad at November 07, 2011 23:12
 
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