December 21, 2007

ペダルパワーで地球を動かせ

“SPECIALIZED”というアメリカのメジャーな自転車メーカーがあります。


スポーツバイクに乗っている方ならよくご存じでしょう。このスペシャライズド社が、グーグルなどの協賛を得て、自転車のペダルで動く機械のアイデアを募集するコンテストを実施しました。その名も"Innovate or Die Pedal-Powered Machine contest"、米国や日本のほか世界10ケ国の18歳以上を対象としたコンテストです。

早い話が、地球温暖化を少しでも緩和するために、自転車のペダルを動力として駆動する機械が出来ないかというものです。自転車メーカーならではの企画と言えるでしょう。応募はYouTubeの特設コーナーに、動画でアイディアをアップするというのもユニークです。応募は先週締め切られ、結果は来月発表されます。

Innovate or Dieエントリーされた作品は、現在もYouTube上で見ることが出来ますが、少なくとも日本では、一部の自転車好き以外、一般にはほとんど話題にも上らなかったイベントかも知れません。開始当初は応募も少なく、地元アメリカでも関心が低いのかと思っていましたが、最終的には多くのエントリーが集まりました。

今さら、人がペダルをこぐ力なんてローテクで何が出来るのかと、ピンと来ない人も多いのかもしれません。しかし、電気や動力を使わない、人力をうまく使った機械が出来るなら、環境への負荷低減に貢献します。そしてローテクのようでペダルパワーは、実は高効率ということもあります。

"Innovate or Die Pedal-Powered Machine contest"のサイトでも、自転車は効率的なエネルギーの使用という点で、ほかのすべての交通手段を圧倒していると主張されています。私も以前調べたことがありますが(関連記事参照)、この点は間違いありません。

自転車を使えば、時速約4.8キロで歩くのと同じエネルギー消費量で時速約16〜24キロで移動可能だとも書かれています。自転車は地球環境に最も配慮した技術の一つであるという主催者の主張は決して誇張ではありません。エネルギー効率的には極めて優れているのです。

意外なことに、ほとんどの動物よりも人はエネルギー効率に優れています。さらに自転車に乗ると5倍も効率がアップします。これは同じ重さを同じ距離動かすエネルギー量で比較すると、人間の作った、クルマやジェット機などすべての乗り物の中でも断トツの効率の良さなのです。

もちろん、化石燃料を使わず、空気を汚さないことも、更に自転車が優れている点として挙げられます。呼吸しますので全くのゼロとはいきませんが、温暖化ガスの排出も少なく、環境に対するインパクトが極めて低いことは言うまでもありません。

しかし、これはあくまで移動に関して比較した場合です。自転車は移動用に出来ていますから、移動に使う分には優れた効率を発揮しますが、使い方によっては必ずしも効率がいいとは限りません。例えば、ペダルをこいで、リムの回転で発電をし、その電力で何かするといった場合はエネルギーのロスも大きいわけです。

このコンテストの高邁なコンセプトにケチをつけるつもりはありませんが、やはり自転車は移動に使ってこそ、一番その効率の良さを活かせるのも間違いありません。効率だけが大切なわけではありませんが、実用を考えると、ペダルの力を移動以外でうまく使うのは結構難しいのも確かでしょう。

ペダルを使うと、どうしてもある程度、場所をとる機械になってしまうのも難点かも知れません。ただ一方で、腕などを使うより大きな力が出せます。クランクの回転運動を、なるべくなら一旦電気にするのではなく、直接伝えられると効果的と言えそうです。

応募作は、優れたものから可笑しなものまで、中にはコンテストの意図から外れたものも含めて玉石混交といった感じです。たくさんありますが、時間がある時にご覧になってはいかがでしょう。ここでは、その中からいくつかユーモラスなものなどをピックアップして転載してみようと思います。

Innovate or Die Announcement Video


Pedal Powered LGB Train


Pedal Powered Tennis Ball Launcher


PPPM: Pedal Powered Hacksaw


PPPM: Pedal Powered 12 Volt DC Drill


Bicycle Ice Cream Maker


The Pedal Powered Blender


Get naked for the mean clean green machine


Mayapedal Washing Machine- Innovate or Die competition


sisyphish - pedal powered zoetrope v 1.0


sisyphish - pedal powered zoetrope v 1.0


Aquaduct: Mobile Filtration Vehicle


スペシャライズド社の社長マイク・シンヤードさんは、自転車の可能性を信じていると話しています。「自転車は地球温暖化の進行を阻止し、環境を改善します。未来の世代のために世界をより良い場所にする解決策となると信じている。」とも語っています。

サイトには真面目に取り組んだ作品もたくさんあります。ただ、ちょっと無理のあるものも少なくありません。地球を救う、画期的なペダル駆動マシンを発明するのは、そう簡単なことではありません。でも、身の回りには、よく考えると動力を使うまでもないものが溢れています。

優秀なアイディアを募ることもさることながら、これを機会にエネルギーの無駄使いに気づくこと、当たり前のように使ってきたことを疑問に思うこと、自分たちの環境のために何とか出来ないかと考えることこそが、このコンテストの大きな意義と言えるのかも知れません。



明日から3連休という方も多いでしょう。クリスマスに年末年始と慌ただしい季節になってきました。そんな時に限って風邪をひいたり、事故に遭ったり..なんてことのないよう気をつけたいものですね。

関連記事

本当は凄い自転車の実力とは
グラフをクリックし、いかに自転車の効率が優れているか確かめてほしい。

身近なエコには気がつかない
以前取り上げたアレックスさんも、このコンテストにエントリーしていた。

最先端でなくふさわしい技術
アプロプリエイトテクノロジーという考え方で以前から取り組む人達もいる。



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