January 05, 2008

北京オリンピックに期待する

今年は8月に北京オリンピックがあります。


今後も各競技で代表選手が決まっていき、オリンピック本番に向けて盛り上がりを見せていくことでしょう。何といっても世界的なビッグイベントです。今回も多くの感動的な場面が繰り広げられることと思います。公式サイトなどを見る限り、施設の建設などの準備も順調のようですし、今から楽しみです。

環境に不安大気汚染の心配

ただ、急激な経済成長で北京の大気汚染がひどいため、マラソンや自転車ロードレースなどの屋外種目への影響が危惧されているのが気になります。IOCのロゲ会長も競技の延期などの可能性を示唆していますし、各国選手団は試合日程直前まで北京入りせず、日本など周辺諸国で合宿を張るなどの対応に追われています。

おそらく中国政府は、クルマの利用制限や工場の強制的な操業停止などを行い、国の威信にかけてスモッグを抑え込むでしょう。しかし、光化学スモッグの原因としてだけでなく、猛暑そのものや水不足も不安視されていますし、昨年は中国産の食品の信頼性にも不安を抱かせるニュースが相次ぎましたので、健康被害も心配されます。

大気汚染対策にも自転車レンタル自転車を5万台用意

大気汚染対策の一環として、観光客向けを含めてレンタル自転車を5万台という規模で用意するとも報道されています。最近は、北京でも自家用車が当たり前のように走っていますが、オリンピック期間中、各会場周辺や市内の一部では、20年前のような自転車が道路に溢れる光景が再現されるかも知れません。

当局は、その自転車の盗難防止対策にも力を入れています。ふだんから自転車の盗難が心配されますので、多くの外国人の訪れるオリンピック期間中の混乱を避けるためにも厳重な警戒を行うとしています。盗難防止のため、イラストのような五重の施錠、「五輪ロック」も意外に現実的かもしれません。

ロックも五輪でオウムも自転車に

鳥が自転車に乗れるとは知りませんでしたが、オウムも五輪を盛り上げています。市民もオリンピック歓迎ムードですが、中でも下の、孟傑(Meng Jie)さんの「五輪車(五輪自転車)」はユニークです。期間中はオリンピックを盛り上げるため、会場周辺を走り回るということですので、日本のテレビ中継にも登場するかも知れません。

開会が近づいても、反日デモが吹き荒れることはないでしょうが、若干不安な面はあります。一党独裁体制の共産主義国でオリンピックはモスクワ以来ですし、ダルフール紛争への対応やミャンマー軍事政権への加担、チベット問題など国際的な批判もあります。世界的に注目が集まる以上、テロの危険性も無視できません。

まさに五輪車、実は二輪車
五輪自転車

急激な経済成長でさまざまな歪みや格差が生まれ、市民の不満も一部には鬱積していると聞きます。報道や言論の自由も保証されず、インターネットなどにも検閲が入る国であることは間違いありません。選手にとっては、4年に一度のチャンスですから、何事もなく無事に開催されることを祈りたいものです。

「中東の笛」で再試合が行われることになったハンドボール予選、女子マラソンの代表選考、公式種目として最後となる野球の星野ジャパン、サッカーの反町ジャパン、五輪三連覇を目指す谷亮子選手や、女子レスリングにバドミントン、水泳や体操などなど、話題には事欠きません。日本選手の活躍が楽しみです。

日本ではあまり人気がなく、前評判も高くありませんが、オリンピックにはもちろん自転車競技もあります。アテネと比べ、一部の種目が減らされたのは残念ですが、ロードレース、トラック競技、マウンテンバイク、そして今大会からBMXも追加されました。

BMX会場も着々とテストするライダー

実績のある男子のトラック競技が出場枠獲得に苦戦していますが、そのほかの種目と合わせ自転車競技全体で10人を超える出場が期待されています。新種目BMXや男子MTBへの日本人選手の出場は難しい状況ですが、今後の大会での逆転に望みを託しています。

オリンピックのような大舞台で日本人選手が活躍すれば、日本中の注目が集まります。トリノオリンピックのカーリングのように、オリンピックをきっかけにポピュラーになるものもあります。日本では競輪などを除けば、どうしてもマイナーな感が否めない自転車競技ですが、その意味でも健闘を期待したいところです。

自転車文化の違いや交通行政の影響もあってか、日本では自転車競技への関心は低く、多くの日本人にとって、自転車は身近なぶん、かえってスポーツとして考えない傾向があります。自転車というとママチャリしか知らない、乗ったことがないという人が圧倒的に多いのも要因でしょう。

メインスタジアムの「鳥の巣」日本選手団に期待

別にママチャリでも悪いわけではありませんが、自転車本来のポテンシャルは発揮出来ません。実際にスポーツタイプの自転車に乗って驚く人は少なくありません。ふだん、自転車競技を見る可能性のない圧倒的多数の日本人にとって、オリンピックは、スポーツバイクのパフォーマンスを感じることのできる貴重な機会でもあります。

正確に言うと、競技用の自転車とスポーツバイクは違う部分もありますが、オリンピック中継やスポーツニュースで映像を見ることが、スポーツとしての自転車に興味を持つきっかけになるかも知れません。身の回りにも存在するママチャリ以外の自転車に気付く人も増えるでしょう。

毎回オリンピックがあるたびに、触発されて何かのスポーツを始めようという気になる人は少なくありません。願わくば、自転車を選んで、そのポテンシャルや本来の実用性の高さ、そして何より、もっと楽しいものだということを知る人が増えて欲しいものです。そんなオリンピック効果にも期待したいと思います。



個人的には、オリンピック期間中、各局がオリンピックのテーマソングに決めた曲を延々、耳にタコが出来るくらい聞かされるのが嫌いです。演出として理解は出来るのですが、あまりにしつこく使うのは音楽の暴力のような気がして..。

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