June 06, 2008

化粧やアクセサリーの延長か

以前と比べて、ずいぶん意識が変わってきたのかなと思うことがあります。


そんな例は多々あると思いますが、「刺青」もその一つではないでしょうか。昨シーズン、久しぶりに海水浴へ行く機会があったのですが、若い世代で刺青をしている人が目につきました。もちろん、普通の人です。たまたまの部分もあるかも知れませんが、最近確実に増えていると感じる人は少なくないでしょう。

日本で刺青と言えば、いわゆる「その筋」の人の目印と思っている人は、老若男女を問わず少なくないと思います。江戸時代には「入れ墨」として刑罰として使われ、罪人の目印となっていたこともありますし、博徒などのイメージもあって、一般的にいい印象を持っていない人は多いと思います。

911しかし、そんな意識の薄い人が近年増えつつあるのでしょう。刺青、「タトゥー」を一種のファッションとして、気軽に入れる人が増えています。おそらく多くの人にあると思われる刺青に対する先入観もなく、周囲の人もしているからと、化粧や服、アクセサリーを身につける延長のような意識でタトゥーを入れています。

特に若年層は、単に見た目やおしゃれさなどを基準に図柄を選び、たいして躊躇もせずに彫っていまう人も少なくないと言います。私は入れるつもりはありませんが、個人の自由ですから、とやかく言うものではありません。ふだんは見えないだけで、身の回りにもタトゥーを入れている人は増えているのかも知れません。

タトゥーや刺青など呼び方はともかく、身体に紋様を彫る行為は古くから世界中にあります。実は、その中で日本の刺青は海外でも高く評価されているそうです。しかし、今流行っているのは、日本の伝統的な刺青より、欧米風のタトゥーです。欧米人がしているタトゥーをカッコいいと思うところから始まっているのでしょう。

その欧米のタトゥーもいろいろなタイプがあるようです。やはり日本とは背景となる文化や歴史も違いますし、入れる人の感覚も違うでしょう。日本では、あまり考えられないと思いますが、政治的な意図や主張を刺青にする人もいます。一方で、ファッション的な要素やデザイン性を優先する人もいます。





アメリカなどでは流行りなのでしょうが、漢字のタトゥーを入れている人もいます。単に字の形がクールというだけで選ばれていたりして、意味不明なもの、笑ってしまうようなものもあります。もちろん自転車好きやメッセンジャーなどの職業の人なら、自転車のタトゥーを入れたくなるでしょう。

bicycle tattoos”や、“CYCLING TATTOO GALLERY”、“chainwheel tattoo project”といったサイトに、自転車のタトゥーの写真が多数掲載されています。シンプルなワンポイントから凝った大作まで、思い思いの自転車タトゥーを身体に入れています。





さまざまな意匠のものがありますが、チェーンホイール(チェーンリング)やクランクといった自転車を象徴するようなパーツのタトゥーも人気があるようです。シンプルでさり気なく、クールなデザインということになるのでしょうか。どれも同じギアのようで、よく見ると違います。







最近の市販の量販モデルのチェーンホイールは、大手パーツメーカーの寡占化ということもあって、どれも似たデザインだったりしますが、過去のモデルにはいろいろな形のチェーンホイール、特徴のあるものも少なくありません。マニアならではのこだわりもあるでしょう。









ちょっと日本のサイクリストとは違うノリです。おそらく、多くの日本のサイクリストは、いくら自転車好きだからと言っても、自転車のタトゥーを入れたいとは思わないでしょう。でも、タトゥーを入れることに抵抗のない世代のサイクリストの間では、今後出てくるのかも知れません。









今回は自転車のタトゥーを取り上げてみました。単に事実として、自転車のタトゥーを入れる人もいるということで取り上げてみたわけですが、これを見て自分も入れたいと思う未成年の人がいるかも知れません。蛇足ながら断っておきますが、決してタトゥーを推奨するものではありません。

分別のある大人が自分の判断で刺青をするのは個人の自由ですので、とやかく言うべきものではありません。しかし、未成年が、一時的な興味や気分でタトゥーを入れるのは避けるべきです。未成年者に入れ墨を入れるのは、自治体の青少年保護育成条例などによって禁止されており、発覚すれば彫った人が処罰される行為です。

タトゥーを入れるのは個人の自由であり、その権利を認めるべきだという主張はもっともですが、いい悪いは別として、日本では社会通念上、受け入れられていないのも現実です。不利な扱いをされる場合もあります。依然として温泉やスーパー銭湯、サウナなどの施設で、刺青をした人の入場が断られたりするのも間違いありません。

実際に暴力団の組員に刺青をしている人が多いのも事実であり、刺青が堅気の社会からの離脱と組織への帰属や忠誠心、あるいは痛みに耐える覚悟を表しているとされています。また、一般の人に向け、威圧する手段として利用される場合もあるでしょう。

こうした事実は日本の「ヤクザ」として海外にも知れわたっています。刺青をしているだけで間違われかねません。海外旅行の際にイミグレーションで入国拒否されたり、拘束されて取り調べを受けるなどの事例もあると言います。他にもいろいろ不利益なことがありうると覚悟しなければなりません。

近年の流行でにわかに出来た施設で、刺青を入れる技術の未熟な施設も少なくないと言います。刺青を入れる際の針によって、HIVやB型、C型肝炎などの感染症にかかる危険性も指摘されています。通常の殺菌処理では、血液からのウイルス感染を防げないそうです。そうした知識もなく、不衛生な設備で刺青を入れている施設もあります。

気軽に刺青を入れられる業者が増加している一方で、刺青を消すための施設の広告も溢れています。後悔して消す人が多いことの証左でしょう。刺青を完全に消すのは、技術的に非常に難しいと言われています。何度も手術が必要だったり、跡が残ったり、費用もかかる難治療とされていることにも留意すべきでしょう。

若い世代が刺青を入れるというのは、ある意味で反抗期の反発だったり、未成年の飲酒や喫煙などに似てカッコをつけたい部分なのかも知れません。しかし、後悔先に立たずと言います。もちろん自分の身体をどうしようと自由ではありますが、様々なリスクがあることを十分知った上で、よくよく考えて行動してほしいものです。



水泳のジャパンオープンで日本新記録連発ですか。当然のことながら、レーザーレーサーのオリンピックでの使用を認めるべきでしょう。国内各社は失策を認めて潔く同意してほしいものですね。

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この記事へのコメント
こんにちは。これは、ショッキングな内容でした。確かに、若年層などサブカルチャーの影響を受け易い世代では、流行する恐れがありますね。一部のカリスマといわれる人たちが、ピストのようにカッコイイと謳えば抵抗は無くなるでしょう。話が逸れますが、私の知人の関係者が、ピストに乗車中事故にあって亡くなったそうです。相手は高級車、自転車側は当然ブレーキは未装着でヘッドフォンをしていたとか。状況が不明なだけに、一概に被害者が悪いとは言えませんが、少なくとも二つの大きな違反を犯していたというのが、残念です。もっと周囲に正しいロード乗りが居て教えてあげられればと…悔やまれてなりません。
Posted by nori at June 08, 2008 10:09
noriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
タトゥーは若年層を中心に確実に増えているようですが、今のところ日本では、自転車と密着した存在ということではなさそうです。
ただ、おっしゃるように、アメリカのバイク文化が一部に波及する傾向は今までもありましたし、自転車とタトゥーという組み合わせで流行る可能性は確かにあります。
そうですか。痛ましいことですが、もしかしたら過信もあったのかも知れませんね。ブレーキやヘッドフォンもそうですが、万一の時のために、安全のための備えを怠らない謙虚さも重要ですね。
Posted by cycleroad at June 09, 2008 00:51
 
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