また悲惨な事件が起きました。
殺された方の無念、残された家族の方の怒りや悲しみは察するに余りあります。犯人にいかなる事情があったのかはわかりません。しかし、例え世を厭い、将来に絶望して死にたかったとしても、全く無関係で罪もない人々を殺すことで死刑になろうとするなんて言語道断、斟酌出来る事情なんてないと誰もが憤るに違いありません。
官房長官はナイフ所持の規制強化に言及しています。しかし、現状でも刃渡り6センチを超えるものは正当な理由なしに携帯出来ないことになっています。街中で、いちいちその所持を調べる方法もありませんし、ナイフだけが凶器ではなく、問題の解決にならないことは明らかです。むしろ官房長官の認識の低さを物語るコメントです。
自殺防止のための相談やカウンセラーの配置などの対策は、そのほとんどがNPOやボランティアによるものであり、多くが資金難に直面していますが、行政の支援体制は整っていません。政治家の危機感も薄いのが現状です。自殺は個人の勝手と見るような風潮が背景にあるのかも知れません。
また例えば、被害が無関係な人にまで及ぶくらいなら、いっそのこと、自殺願望を持ち、ネットでその方法を探すような人たちに、その手段を与える施設をつくって、自殺を決意した人を1箇所に集めることが出来るなら、その後自殺を思いとどまらせたり、カウンセリングなどの対策をとることも可能かも知れません。
自殺の理由はさまざまでしょう。いじめや失恋、健康上の理由や肉親の死などの喪失感も少なくないでしょうが、学業や就職、進路などの問題、失業、借金など経済的な理由も多いようです。つまり将来に対する不安が、絶望や厭世となり、自殺の背景となっていると言えそうです。
日本人は特に他人と違うこと、孤立を恐れます。他人と比べて幸福を手に出来ない、劣っている、自分だけついていけない、取り残されるといった劣等感や絶望感、屈辱、挫折といった感情、あるいはプレッシャーに晒され、それに耐えきれなくなって自殺する傾向が認めらます。
他人と違ってもいいし、ステレオタイプな成功だけが幸福ではないといった価値観の見直しも必要かも知れません。自殺を防ぐ直接的な対策として雇用関連への取り組みも急務ですし、犯罪や自殺による社会損失を考えれば、直接的な救済や、雇用機会の提供なども考えられるでしょう。
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