September 19, 2008

子供のころに楽しかったこと

08091901私がたまに通る道沿いに、小さな公園があります。


こじんまりとした児童公園なのですが、先日久しぶりに通った時に、なんとなく雰囲気が違うのでスピードを落としてみると、遊具がすっかり撤去され、更地のようになってガラーンとしていました。遊具が古かったからでしょうけど、入れ替えで新しく設置する予定はないらしく、土台も外され、きれいに整地されています。

公園というより広場になってしまっていますが、そのくせボール遊びは一切禁止です。最近は公園遊具で子供が怪我をすると大きく報道されますし、行政の管理責任が問われることも多いので、自治体としても仕方のないことなのかも知れません。ただ、施設がベンチだけでは子供も面白くないでしょう。

遊具だけでなく、連れ去り事件なども心配ですから、死角をなくすために生け垣などが取り払われ、衛生上問題だと砂場も閉鎖、落ちたら困ると池の水は抜かれ、近隣とのトラブル防止でポール遊びも禁止です。最近は、子供が外で遊ばなくなっていますが、その一方で、身近に魅力的な外の遊び場が減っているのも確かなようです。

考えてみれば、昔は滑り台にプランコ、ジャングルジムに鉄棒、雲梯にシーソー、登り棒に砂場、古タイヤに土管に、そのほかモニュメントや名前がわからない遊具もたくさんありました。もちろん今でも残っているところは多いでしょうし、地域差も大きいのでしょうけど、全体としては減る傾向にあるようです。

グローブジャングルそうそう、ジャングルジムのようなパイプで出来た球形の遊具で、回転するものもありました。当時名前は知りませんでしたが、グローブジャングルと言うそうです。グルグル回して飛び乗ったり、友達同士で回しあったりするわけですが、今にして思えば、何が楽しかったのか不思議な感じもします。

遠い記憶で、あまり覚えていませんが、後に親に聞いた話では、飽きずにグルグル回っていたようです(笑)。ひたすら回転するだけですが、景色が回るだけで楽しかったのでしょう。遊園地やデパートの屋上などにあった回転木馬やメリーゴーランドもそうですが、回ると、なぜか楽しくなるものなのでしょうか。

ブランコだってスイングするだけですし、シーソーは上がったり下がったり、滑り台は登ったり滑り降りたりするだけです。ジャングルシムだって、登って降りて、あとは多少眺めがいいくらいです。どれもシンプルで、大人ならすぐ飽きてしまうような単純な動作に過ぎません。

でも子供の頃、それも、かなり幼い頃は、そんな単純な動作が楽しかったり、感覚が刺激的だったりするものなのでしょう。疲れも覚えずに、ひたすら同じ遊びに熱中してしまう、あるいは熱中できる時期とも言えます。忘れてしまった遠い感覚ですが、なんとなく懐かしい感じがしないでもありません。

ところで、そんな感覚をすっかり忘れてしまった大人をターゲットにした作品を生みだした人がいます。ロサンジェルス在住のアーティスト、Robert Wechslerさんです。9台の自転車をリサイクルして作ったモジュールを回転木馬のような構造に連結した環状自転車、Circular Bikeです。

The best circular bikeThe best circular bike

自転車は移動する乗り物と考えている普通の人には、自転車をループにするなんて、ちょっと出来ない発想かも知れません。常識を裏切る意外感があります。この作品は、多くの人が集まり、その目にとまるような公共の場に置かれると言います。

子供が乗るには多少サイズが大きいので、やはり大人用ですが、街で見かけたら、果たしてどれだけの人が乗ってみるでしょうか。子供だったら何の迷いもなく飛び乗るでしょうが、見栄とか体裁とか、恥とか外聞とか、たくさんのものを身につけてしまった『大人』は笑って通り過ぎるだけかも知れません。

いくらペダルをこいでも、その場で回るだけの自転車です。意味がないと言ってしまえばそれまでですが、思い切って乗ってみれば、童心にかえって、案外楽しいものなのかも知れません。幼い頃に感じた感覚を思い出して、懐かしく感じる可能性もあります。

話は変わって、こちらはインド・ニューデリーのスクールバスならぬスクール自転車、スクールトライシクル(三輪車)です。いくら、ここのところ経済成長の著しいインドとは言っても、スクールバスに、当たり前のようにバスを利用できない地区もあるわけです。

via Mandelrotこんな小さなカゴの中に大勢の子供を押し込んで、児童虐待だと目をむく人があるかも知れません。確かにインドは児童労働が問題になっている国でもあり、その連想も働きます。でも、乗っている子供は笑っていたりして、どこか楽しそうにも見えます。

この人力スクールバスのこぎ手にしてみれば、自分の足で歩いて行けと言うどころか、運んでやってラクをさせてやるわけですから、多少の狭さなんか問題ではないのでしょう。パッと見た感じでは、異様に映る感じもありますが、考えてみれば、それほどおかしな話ではないような気もします。

欧米の親だって、荷物といっしょに子供をトレイラーで運んだりしますし、どのくらいの距離を走るのかわかりませんが、自転車で済むくらいなら自転車で十分です。わざわざ化石燃料を使って温暖化ガスを排出するバスにすることもありません。多少人数が多いとは言え、自転車で子供を運ぶのはリーズナブルとも言えます。

私にも覚えがありますが、むしろ子供は狭い場所が好きだったりします。押入れとか、納戸とかの狭い空間に潜り込んで遊んだ記憶のある方も多いでしょう。秘密基地ごっこで、わざわざ狭いところへ友達と入り込んだり、狭い隙間を通りぬけようとして頭が抜けなくなる子供(笑)なんかもいました。

このスクール自転車も、そんな狭い空間の楽しさや、「おしくらまんじゅう」的な楽しさがあるかも知れません。「踏むなよー。」とか、「もっと、そっちへ行けよ」などと言いながら、子供心に、実は結構楽しかったりするのではないかと想像してしまいます。後から思い出せば、いい思い出だったりします。

日本でも、こんな自転車を導入しても良さそうなものですが、おそらく多くの保護者はうんとは言わないでしょう。冷暖房完備のスクールバスで、一人一つの座席があるのが当たり前である日本の子供が、こんな経験をすることは、一生ないのかも知れません。

The best circular bikeThe best circular bike

最近、子供の運動能力が驚くほど低下していると言います。鉄棒や跳び箱どころか、まともに走ることさえ出来ず、転ぶと顔から落ちてしまう子供もいると言います。外で遊ぶことが少なくなっており、遊具で遊ぶことにより、さまざまな運動能力が身につく機会が減っていることとも無縁ではないでしょう。

また、一人でゲームをすることが多いせいか、対人関係をうまく築けない子供も増えていると言います。子供の頃からそうなら、大人になってもその影響は及ぶでしょう。友達とスキンシップをはかるような機会が、何かと減っているのも一因と思われます。

そうした影響もさることながら、子供の頃しか経験できないような様々な感覚を、今の子供が味わえないのは気の毒な気がします。遊具やおしくらまんじゅうだけでなく、木に登るとか、土の上を裸足で走りまわるとか、文字通り泥んこになるとか、橋の上から川に飛び込むとか、子供の頃しか出来ないような体験はたくさんあります。

そう考えると、子供が文字通り童心で遊べるような機会、子供の頃しか味わえない感覚を体験する機会は、例え大人にとっては意味のないことであっても、もっと大切にしてやりたいものです。外で遊べば怪我をすることもあるでしょうけど、そこから学ぶことも小さくないはずです。

子供のことを思って、便利・快適にしてやるのもいいですが、過保護になることで失われる機会も少なくないでしょう。塾や習い事も大切だとは思いますが、もっとほかにも貴重なこと、大事なことがある気がします。失われつつあることに気づきにくい、そんなものを見直してみるのも必要なのではないでしょうか。



ノリなど工業用に使うとされていた例の汚染米ですが、実は米はパサついて糊には使えないそうです。小麦やコーンスターチが使われており、糊の製造組合に加盟する会社で米を使うのは一社もないとか。当然農林水産省は知っていたはずです。今になって送り返すとか言ってますが、そもそも汚染米なんて輸入するのも変です。工業用米をフード会社に売り渡すのもおかしいですし、農水省の責任は相当重大ですね。

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この記事へのコメント
初めまして。
写真の使い方や記事の書き方を参考にさせていただきます。
Posted by 修行する社員 at September 21, 2008 20:34
修行する社員さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
中身、つまり自転車に関連する話題については参考にしていただけるものもあるかも知れませんが、写真や記事の書き方については、あまり参考になるようなものではないと思います。それでも何かの役に立つのであれば幸いです。
Posted by cycleroad at September 22, 2008 21:46
 
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