October 19, 2008

サイクリストに支持を広げる

アメリカ大統領選は、オバマ氏の優勢が伝えられています。


最近のアメリカが間違った方向へ進んでいると多数のアメリカ国民が感じ、「経験」より「変革」を求めていると分析されています。共和党の現ブッシュ大統領の支持率は23%と歴代大統領の最低を記録し、多くの有権者が経済政策を重視する中、未曾有の金融危機に陥っていることもマケイン候補への逆風となっているようです。

史上初の黒人大統領となる可能性があるオバマ氏ですが、そのカリスマ的な人気に、民主党支持者の中にはあのケネディの再来と期待する人も少なくありません。同氏は若く経験は浅いものの、それがかえってワシントンの古い政治とは一線を画し、人々の変革への期待を集めていると言えるでしょう。

Barack Obamaもはや単なる大統領候補という枠を超え、社会的な現象を引き起こしています。マスコミにも、「オバマニア」「オバマメンタム」「オバマ・ママ」「オバマボット」「オバマネーション」「オバミカン」「オバマラマ」「バラクヘッド」「バラクノフォビア」など、最近の流行や現象を表すたくさんの造語があふれています。

よく指摘されるように、マケイン候補や民主党予備選でのヒラリー上院議員が、従来のような大口の献金に頼ったのに対し、オバマ氏は草の根の小口献金を広く集め、献金の額でも圧倒しました。これだけでも、オバマ氏の支持者が、若い世代を含む多くの層に広がっていることを物語っています。

小口献金はネットなどを通じて行われるほか、ボランティアや支持者のネットワークを通して集められます。例えば、学生が自らのウェブサイトで献金を募るとか、主婦が十数ドルで参加出来る交流会を主催するといった草の根の活動です。こうした動きは全米に広がり、今回の大統領選で初めて献金をしたという人も少なくないようです。

いろいろな献金手段の一つに、オバマ氏のスポークカードを買うという選択肢もあります。このカードは一枚わずか1ドルです。まさに小口献金の最たるものと言えるかも知れません。注文は10枚以上ですが、オバマ氏のイラストと裏にシンボルマークが描かれた、シンプルなスポークカードが送られてきます。

Obama Bike Spoke Cardsオバマ・スポークカード

このスポークカードとは、自転車のホイールにつけるカードのことです。スポークが2本交差している部分を使ってホイールに挟み込むます。献金すると共に、この“Barack Obama Spoke Card”を自分の自転車のスポークに挿すことで、同氏への支持をアピールすることにもなります。(タイヤが止まっている時しか見えませんが..。)

日本でも、たまに何かのスポークカードを装着している自転車が街角に停めてあるのを見ることがあります。このスポークカード、元はアメリカのメッセンジャー達がつけたのが由来とされています。メッセンジャーたちの間で開かれるレースで、選手を特定するために用いられるものでした。

最初は、タロットカードなどにレースや選手の番号を書いて、スポークにはさんで使っていました。レースと言っても、多くは公道で、独自のルールの下に行われるものです。背中にゼッケンをつけたり、自転車のフレームに番号のステッカーを貼り付けたのでは、不必要に目立ってしまいます。

観客に識別させる必要はなく、目立たせてることで、わざわざ警察に咎められることもありません。第一、あまり「クール」とは言えません。カードなら安価ですし、手軽です。自分たちの間だけで通用すればいいので、レースの参加章やゼッケンなどの代わりに、こうしたカードが使われることになったのでしょう。

Spoke Card Photo by Lynt,Creative Commons 3.0Spoke Card Photo by Ray Tracing,Creative Commons 3.0

このカードを、レースに参加した証しやメッセンジャーたちの間での一種のステイタスとして、そのまま自分のピストバイクにつけたままにする人が現れました。メッセンジャー文化のある種の象徴のような扱いを受けるようになり、レースごとにオリジナルに作成されたカードが使われるようになったのが始まりと言われています。

今では、チームでお揃いのカードを作成したり、イベントの記念に印刷するなど、さまざまなスポークカードが作られています。雑誌や、ステッカー、ポストカードなどを切り取ってラミネートすれば、個人でも好みのスポークカードが簡単に作れます。ピスト系の自転車乗りなどを中心に一種のファッションのようになっています。

このスポークカードをオリジナルに作成して、献金や支持を広げるという発想、手法は他の候補者には無いものです。少なくともマケイン候補や予備選で戦ったヒラリークリントン上院議員のカードは見当たりません。このあたりも、オバマ陣営の選挙キャンペーンのユニークさ、支持者の広がりを感じさせるところです。

Obama Spoke Cardsオバマ・スポークカード

オバマ氏は、自身の選挙公約の中で、大統領となったら公共交通機関へ投資することを表明しています。彼のこれまでの上院での活動でも、多くの都市で環境に対する負荷のより小さい自転車や徒歩を人々が選択するインセンティブを与えるための政策を進めて来ました。

こうした取り組みや公共の大量輸送機関に投資することは、より住みやすいコミュニティをつくることにもなります。同時に移動に要する時間を短縮し、大気汚染や公衆衛生を改善すると共に温室効果ガスを削減します。これらは、持続可能な成長を考える上でも重要な要素です。

このあたりをアピールしながら献金を呼びかけることで、サイクリスト、あるいは環境への関心が高い人への支持を広げ、あるいはイメージアップにつなげようという目論見があるのでしょう。もちろん、スポークカードという若者文化を取り入れることで、政治に関心の薄い若い層に浸透出来るという利点もありそうです。

Barack Obama自転車に乗るオバマ候補

アメリカでは子供の肥満が大きな問題となっていますが、彼らの大部分はパスを含めたクルマで通学しています。排気ガスによる大気汚染も悪化していることから、オバマ氏は以前から、学生たちに自転車での通学を勧めています。彼自身も、普通に自転車に乗っている姿が目撃されています。

ブッシュ大統領も自転車好きですし、自転車に乗るのが珍しいわけではありませんが、自転車産業や関係者との会合でも、大統領になったら、自転車プロジェクトに投資することを表明したと報じられています。環境問題は別としても、比較的自転車に対する理解や関心が高い人なのかも知れません。

もちろん、環境や都市交通だけが大統領選の焦点ではありませんし、経済政策や安全保障に比べれば、むしろ人々の関心の高くない部分でしょう。当然ながら自転車に対する政策だけで支持を決めるわけではありませんが、このスポークカード一つとっても、自転車乗りならオバマ氏に対する親しみがわくのではないでしょうか。



アメリカ大統領選のニュースは、日本でも連日報道されています。私たちに投票権があるわけではありませんが、アメリカの政策は世界を左右します。外交や安全保障政策だけでなく、その経済運営も含めて大統領選の行方が日本にも影響してくるのは間違いありません。

例えば、ブッシュ大統領がイラク戦争を始めたことで、自衛隊派遣や原油価格など、いろいろな形で私達にも負担がまわってきているのは、いまさら言うまでもありません。経済政策の結果としての今回の金融危機は、日本へも大きな影響が及び始めています。そう考えると、日本人にも投票権が欲しいくらいです。

少なくとも今後4年間の世界の行方を占う意味で、我々も無関心ではいられないわけですが、それとは別に、このオバマ旋風の行方、オバマ氏という政治家にも興味が沸きます。前回のような開票段階での大混乱も含め、まだまだ何が起きるかわからないことを思えば、最後までアメリカ大統領選には目が離せそうにありません。



日本の総選挙も来月になるのでしょうか。まあ、麻生カードや小沢カードは出ないと思いますけど..(笑)。

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