February 07, 2009

片道だけでも自転車をつかう

たまに友人に誘われて山歩きに出かけることがあります。


何かの機会がなければ、あまり自分から山へ歩きに出かけることはないので、最後に行ったのは去年の秋です。その時はトレッキングと言うより、紅葉を見に行くハイキング程度のものでした。ルートは踏みならされおり、初心者向きの足元の良いコースだったので、歩くのはラクでした。

ところが翌日は、かなりの筋肉痛に見舞われてしまいました。私は普段から自転車に乗っていますし、運動不足ということはないのですが、さすがに使う足の筋肉が違うのでしょう。意外に高低差があったので、最後のほうは多少足にきていたのは確かですが、筋肉痛になるほど厳しい登りとは感じていなかったので意外でした。

山に登るとき、当然ながら上るほうが疲れます。上りは、足の筋肉を使って自分の体をより高い標高へ持ち上げるわけですから、山に登ることによって筋肉痛になると思いがちです。ところが、実は山を下ることによって筋肉痛になっているのだそうです。そう聞くと、ちょっと驚く方もあるのではないでしょうか。

筋肉は、基本的に縮むことで力を出します。しかし、下り坂での筋肉は、伸びながら使われるという通常の生活にはあまりない使われ方をします。さらに着地の衝撃は登りよりはるかに大きくなります。筋肉痛は、筋細胞が破壊されることで起きると言われますが、下りでは、まさに筋細胞が破壊されるのです。

以前、何かのテレビ番組で、高層ビルの階段を登るだけのグループと降りるだけのグループに分け、実験をしていたのを見た記憶があります。当然疲れるのは上りですが、後日ひどい筋肉痛になったのは、意外にも階段を降りる運動を行ったグループでした。筋肉痛になると、階段の下りが辛いのも同じ理由からなのでしょう。

山歩きでも、事故が起きるのは下りの時が多いと言います。下るうちに、筋肉が疲労し膝がガクガクした経験のある人も多いのではないでしょうか。下りはラクだからと気を抜くのもあるのでしょうが、なるほど転倒事故などにつながりかねないのも納得がいくところです。

せっかく週末を利用して山歩きに行っても、ひどい筋肉痛が残るようではうまくありません。週明けにオフィスで階段を下りるのも辛いようでは仕事にも影響します。ふだんマウンテンバイクに乗っている人なら、筋肉痛を避けるため、せめて下りはMTBで下れたらいいのに、なんて思うかも知れません。

The Folding Bike Bagダウンヒル専用のフォールディングバイク

そう考えて誕生したのかどうかは定かではありませんが、最近ドイツでは、新しい種類の自転車が相次いで登場しています。この“Bergmonch”の“The Folding Bike Bag”、バック型にして担いで山に登り、山から下るときに組み立てて使う、ダウンヒル専用のフォールディングバイクです。

Bergmönch

折りたたむとリュックのような形状となり、コンパクトになって運びやすくなる、折りたたみMTBというわけです。マウンテンバイクと言っても下り専用なので、サドルもギヤもチェーンもありません。ペダルの代わりにステップが後輪寄りについています。後輪が小さいことと併せ、体重が後ろにかけやすくなっています。


Bergmonch from Thomas Kaiser on Vimeo.

部品を省いたこともあり、登る時を考え軽く出来ています。山歩きを楽しんだ後、帰りは自転車で、というスタイルです。さすがに「下山時の筋肉痛防止に。」とは書いてありませんが、自転車に乗って下れば、タイヤやショックが衝撃を和らげますので、結果的に足の筋肉痛防止にも役立つでしょう。

MountainSkyversMountainSkyvers

ハイキングで上り、車輪を使って下りる、トレッキングとMTBのダウンヒルを組み合わせた新しいスポーツ、新しい楽しみ方と見ることもできます。もう一つ、“MountainSkyvers”と名付けられた、上の製品も全く別の会社のものですが、よく似たコンセプトで外観も似通っています。

MountainSkyversマウンテンバイクでダウンヒルを楽しむ人は、ゴンドラリフトやロープウェーなど機動力の使える、夏場のスキー場などに行く場合が多いと思います。クロスカントリーならともかく、重いダウンヒル用のMTBを担いで上るのは現実的ではありません。しかし、これらの製品なら、機動力のない山でもダウンヒルが楽しめるわけです。

ダウンヒルをメインに考えると、登りは単なる移動です。リフト等がない場所では4輪駆動車などを使って輸送するか、諦めて担いで登るしかありません。でも、重量を軽くし、リュック状でラクに担げるようにしたことで、上りもトレッキングとして楽しむことが出来るようになったと考えることも出来ます。

そう考えると、なかなかのアイディアです。今までなかったのが不思議なくらいにも思えてきます。果たして日本にも上陸してブレイクするかは微妙な気もしますが、新しいジャンルを切り開く可能性があります。片道だけ自転車を使うという発想、意外に盲点なのかも知れません。



まだまだ寒い日も多いですが、立春も過ぎ、梅の便りも聞かれる頃になってきました。春の訪れが待ち遠しいですが、とうとう花粉の飛散も始まったそうです。花粉症の方には辛い季節も迫っていますね。

関連記事

折りたたみ自転車の楽しみ方
折りたたみ自転車を持ち歩くためには、リュック以外の方法もある。

身体を余計に使うということ
自転車と呼ぶべきかは別として、サドルやチェーンのない乗り物も。

自転車にも乗れなくなる未来
折りたたみのマウンテンバイクはあまり見ないが、無いことも無い。


このエントリーをはてなブックマークに追加




Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。

にほんブログ村自転車ブログへ
 自転車・サイクリングの人気ブログが見られます。













この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/cycleroad/51445411
この記事へのコメント
cycleroad さん、はじめまして。
トレッキングとダウンヒルを融合させたような新しい発想、ありそうでなかったコンセプトですね。
山歩きの趣味はないのですが、持って上がってみたいなという気にさせる魅力を感じます。
日本で扱ってくれると良いんですがねぇ。
当方、自動車と自転車のよりよい相互補完関係を模索中です。
また、いろいろな自転車話題を楽しみにさせて頂きます。
応援完了です。

追伸:重症の花粉症患者なので、これからの季節が憂鬱なんです。
Posted by wari-papa at February 08, 2009 09:54
勉強になりました。 ありがとうございます。
ダウンヒルは ご褒美 あっと 言う間に終了!!ですが 気持ちが良い 言われるように 修行のような 登りをが無い乗り方は (私は 登り好きで考えられませんが)一般には非常に受け入れられやすいと 言われる通り!!。
PS私はもう花粉症で 先週からグズグズで 新鼻マスクの御世話になってます。 つらいです。
Posted by h134 at February 08, 2009 20:11
wari-papaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、担いで登れるリュック型なのは魅力的です。
日本でダウンヒルを楽しむ人は、相対的に少ないですから、日本で売り出されるかは微妙な気がします。ヨーロッパでも、まだマイナーな存在であることは間違いないので、日本に入ってくるとしても、まだ相当先のことになるでしょう。
クルマの機動力と自転車を組み合わせと合わせれば、かなり行動範囲も広がるので、いろいろな場所で、いろいろな楽しみ方が出来るのが魅力ですね。
応援ありがとうございます。
重症ですか。自転車に乗るのもつらいですね、お気の毒さまです。
Posted by cycleroad at February 09, 2009 21:42
h134さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
トレッキングも多くは山登り抜きでは考えられないでしょうから、前半は山歩きを楽しみ、後半はMTBのダウンヒルと、2種類楽しめるのも魅力なのでしょう。
今年は例年より早く、もう始まっている方も多いようですね。しかも飛散量が多いとの話ですから、つらい季節ですね。
Posted by cycleroad at February 09, 2009 21:54
 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)