February 22, 2009

自転車盗防止に秘策はあるか

盗まれていたランス・アームストロングのロードバイクが発見されました。


念のため、ご存じない方のために説明しておきますと、ランス・アームストロングは、がんを克服し、自転車ロードレースの最高峰、ツール・ド・フランス7連覇という前人未到の偉業を成し遂げたアメリカの国民的スター選手です。その後引退したのですが、昨年末に現役復帰しました。今年のツール・ド・フランスの参戦を目指しています。



今月14日、そのランス・アームストロングがツアー・オブ・カリフォルニア2009というロードレース参戦中に、タイムトライアル用のロードバイクを盗まれるという事件が発生しました。サクラメント市内に駐車していたアスタナのチームトラックから盗まれたのですが、そのバイクが18日に発見されたことを警察が発表しています。

アームストロングの盗難バイクが見つかる【2月19日 AFP】ネット上では、市民が盗まれた自転車を探そうと呼びかける動きが広がっていたと言います。さすが国民的な人気を誇るヒーローです。ただ、トラックから盗むわけですから犯人も確信犯でしょうし、道端にとめておくはずもないので、いくら市民が探しても見つかるとは限りません。

警察は、ロードバイクの発見とアームストロングを支援するためのオンライン上での運動には明確な関連性はないとしています。警察に届けた人物が、どのように入手したのか、いきさつは明らかになっていませんが、犯人が売りさばきにくくなることはあったのかも知れません。

プロのトップ選手ではなくても趣味のサイクリストなら、高価なスポーツバイクに乗っている人は少なくないと思います。自転車の盗難は他人事ではありません。金額は別にしても、愛車が盗まれて悔しい思いをしたことがある人もいるでしょう。窃盗犯に対して、怒りを覚える自転車乗りは多いはずです。



Instructables”というサイトでは、自転車泥棒をなぜ追跡しないのか、なぜ借りを返さないのかと呼びかけている人がいます。日本で言うプリペイド携帯とスタンガンを使った改造機器で、自転車泥棒の居場所を突き止めると共に、電気ショックを与えようと言うのです。個人でキットや完成品も売っています。

心情的には、わからないでもありません。自転車泥棒は最低の奴らだと言うのも理解できます。アメリカでは、日本では考えられないほど太い鎖やチェーンなどを使って盗難防止をしていますが、それでも盗まれることがあると言います。はらわたが煮えくりかえる思いの人もいるに違いありません。

How To End Bike TheftHow To End Bike Theft

スタンガンの攻撃を浴びたことがないので、どれほどの衝撃があるのか知りませんが、憎き自転車泥棒にせめて一矢報いたいということなのでしょう。ただ個人的には、追跡はともかく報復というのはどうかと思います。自転車盗が悪いのは疑う余地がないとしても、報復によって刑事責任を問われることはないのでしょうか。

突然の電気ショックで転倒し、クルマに轢かれれば、相手が結果として死亡することだって考えられます。GPS機能によって、道路にいる間には衝撃は与えないように出来るとしていますが、そうすると逆にスタンガンを搭載する意味がないような気もします。指令を送った時、犯人がハンドルを握っているとは限りません。

忘れてスイッチを入れたままにし、プリペイド携帯に間違い電話がかかるなどして誤作動すれば、自分で電気ショックを受けてしまいそうです。窃盗犯は、まず最初に目印になりそうなボトルを捨てそうな気もしますし、そもそも手袋をしていたら効果はありません。追跡と奪回を優先にした方がいいような気がします。

犯人に痛い思いをさせて、以後自転車盗を思いとどまらせたいとの意図もあるようです。うまくいけば、こうした装置の存在が広く知れ渡り、社会的な抑止効果が得られるかも知れないと考えているようですが、単に学習されてしまうだけとも考えられます。



犯人に一矢報いるなら、こちらの動画のほうが、より単純です。金属チューブで出来たロックを切断しようとすると、中の液体が飛び出す仕組みです。銀行強盗に投げつけて飛び散らせ、犯人の目印にする落ちにくいインクがあるそうですが、そんな液体ならば、逃走中に犯行がすぐわかることになります。

落ちにくいインクが自転車の車体にもついてしまうのが欠点ですが、ある程度の抑止効果も見込めるかも知れません。ただ、これも知られてしまえば、布か何かで防御して切断されるだけのような気もします。結局、いたちごっこになってしまうことには変わりありません。



個人的にちょっと気になっているのが、Amazonで売られているアラーム付きのロックです。仕組みがよくわからないのですが、盗難されそうになった時、アラームが鳴るようです。コンビニやカフェに立ち寄っているくらいなら聞こえそうですし、犯行の阻止に間に合うかも知れません。(使ってらっしゃる方があったら教えて下さい。)

PROMART(プロマート) アラームロック AL3防犯アラーム ロックアラーム ブラック SEA-112

ただ、これも離れた場所にいたり、人気のない駐輪場では効果が見込めないでしょうし、普及すればアラームを解除されてしまったりするのでしょう。普通のものでも厳重にロックしてあれば、そう簡単には盗まれないと思いますが、それでも盗む輩はいます。なかなか自転車の盗難防止の切り札はないと言えそうです。

持ち去られた自転車を発見トッププロや著名人でもない限り市民が支援してくれるはずもなく、一旦盗まれたら取り戻すことは困難です。ネット上にも盗難に遭った自転車の発見を呼びかけるサイトがありますが、必ずしも威力を発揮するとは言えないでしょう。岐阜では、盗難自転車を発見した新人巡査がニュースになっていますが、そんなケースは多くありません。

鍵かけ運動 実る日本ではママチャリが大多数で、簡単なカギしかついていないので、自転車が比較的盗まれやすいのは間違いないでしょう。その鍵すらかけない人も少なくないと言います。結果として自転車盗を誘発し、未成年はおろか、ときには警官まで自転車盗で捕まります。

立派な窃盗にもかかわらず、微罪のように思っている人が多いのも確かでしょう。こうした風潮が、特に青少年の自転車盗に対する心理的なハードルを下げ、自転車盗の件数を増やし、社会の防犯コストを高めることになります。たかが自転車盗と思って看過すれば、青少年の非行につながり、治安の悪化を招くことも知られています。

島根では「鍵かけ運動」が功を奏し、乗り物盗が減ったと報道されています。やはり、自転車盗に対し簡単に盗ませない、盗むのに時間をかけさせることでリスクをとらせる必要があるということでしょう。完璧な方法はないにしても、ふだんから地道に盗難防止を心がけていくのが重要と言えそうです。



そういえば、駐輪した時にブレーキのワイヤーを外しておくという話も聞いたことがありますが、果たして意味があるんでしょうか..。

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この記事へのコメント
相互リンクしませんか?
御返事、お待ちしてます。
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Posted by kame9260 at February 25, 2009 14:37
kame9260さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車関係のリンクは作ろうと思っているのですが、これまでも相互リンクという形はお断りしてきていますので、ご要望には添えません。あしからずご了承ください。
Posted by cycleroad at February 26, 2009 22:38
こんにちは。ご無沙汰しております。本当に毎日のように自転車、特にスポーツ車の盗難が起きていますね。さすがにスタンガンはやり過ぎだと思いますが、気持ちはわかります。私も基本的には、「可視範囲外に置かない」事を徹底しています。
紹介されている2種類のアラームですが、「SEA-112 」は振動には対応してないとレビューがありますし、PROMARTのほうは説明が無いので買う気になれませんね(高いので期待できそうですが…)。私は「自転車用防犯機」なるアラームを使っていますが、9V電池を使うので重いのと、解除する時にも大音量で注目されるのが玉にキズ、でしょうか。ただ振動・切断いずれに対しても作動するので、ちょっとした駐輪時には重宝しています。それでも、5分以上は停めないように気をつけています。

Posted by nori at March 27, 2009 11:10
noriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
最近は、ネットオークションなどで換金することができるので、高価な自転車ばかりを狙う犯行もあるらしいですし、油断大敵ですね。おっしゃるように、なるべく盗まれる可能性をつぶしていくしかないのでしょう。
私も実物を見たわけではないので、いまいちその有効性がわからず手を出していません。アラーム、使ってらっしゃいますか。なるほど、重さの点もありますね。いちいち大音量というのも、確かに鬱陶しい部分でしょう。
どんなロックでも破ろうと思えば破られるのでしょうから、やはり、なるべくその機会を与えないのが一番ですね。
Posted by cycleroad at March 28, 2009 22:31
一度自転車を盗まれて以来、SEA-112を使っています。振動には反応しませんが、ワイヤーの切断を検知して、大音響で音を轟かせます。切断しないと反応しないので、自転車を地球ロックしないと、自転車ごと持ち去られる場合は効果がありません。警告音は非常に大きいです。撃退効果は十分にあると思います。誤動作が心配ですが、今のところは一度も誤動作したことはありません。
なお、防水「ではない」ので、大雨に降られるとアウトでしょう。
何かの参考になれば…。
Posted by K at September 07, 2010 00:57
Kさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
SEA-112、使ってらっしゃいますか。
振動には反応せず、切断にのみ感知するというのは、考え方によっては、いいかも知れませんね。
警告音が大きいとのことですが、周囲を何かが通過した振動などで、いちいち大音響が轟くのでは、近所迷惑で、かえって使えないこともありそうです。
防水でないのは欠点でしょうが、誤動作がないというのは、得点が高いですね。
とても有意義な実例を教えていただき、感謝いたします。とても参考になります。ありがとうごさいました。
Posted by cycleroad at September 07, 2010 22:08
 
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