March 06, 2009

ストリートの景色の先の未来

自転車に乗っていれば転倒することもあるでしょう。


それが子供ともなれば、なおさらです。でも、この写真の少年、たまたま転んでしまったところを撮影され、全世界の人がそれを見て話題にするとは思いもよらなかったに違いありません。なんと運が悪いことに、グーグルのストリートビューに撮影されてしまったため、全世界に知られることになってしまいました。

ストリートビューに載ってしまった映像

グーグルの始めたストリートビューは、さまざまな議論を巻き起こしています。日本だけでなく、世界でプライバシーや機密の問題などを巡り、否定的な意見が多々あるようです。新しいサービスだけに評価は分かれるところですが、確かにのぞき見されるようで気持ち悪い面はあります。

聞けば“Google Street View”は、360度のパノラマ写真撮影だけでなく、3Dレーザー・スキャナーという装置を使い、建物などの3Dデータを勝手に収集していると言います。これをどう使うつもりなのかよくわかりませんが、気味が悪いと言うか、いい感じがしないのは確かでしょう。

たくさんのサイトに転載され話題になった

そうした議論がある一方で、面白いサービスであるのも間違いありません。グーグルストリートビューはさまざまな話題も提供しています。ネット上では景色と共に映り込んでしまった面白いものを探そうとする人もいて、この少年も見つかってしまったというわけです。



日本では、まだ首都圏や近畿圏の一部、仙台や北海道の一部などに限られていますが、ストリートビューを見ることが出来ます。これらの場所にお住まいの方なら、まず自分の家がどう映っているか確かめたのではないでしょうか。外観は仕方ないとしても自宅の中やプライバシーが映り込んでないか確認した人も多いと思います。

Japanese Google Street View Carおそらく、今後の範囲拡大のためストリートビューの画像を撮影するクルマは、今も日本各地を走り回っているのでしょう。実際、各地でグーグル・カーが目撃されています。自宅の前でなくても、もし自転車で走行中にグーグルの撮影車に遭遇したら、ストリートビューに映り込んでしまう可能性もあるわけで、そんな例も多々見られます。

しかし、うまく活かせば便利に使えるツールです。サイクリストの中にも、ふだん利用されている方があるのではないでしょうか。例えば、通ったことのないルートの道路状況などを確認するにはもってこいです。360度の画像ですから、沿道の景色を確認することも出来るのが便利です。

実際のその場所の風景は、単なる地図では得られない情報です。間違えやすそうな曲がり角をストリートビューで見て、目印などを確認しておくことも出来るでしょう。わかりにくい場所でも、行く前にその場所の景色を見ておけば違います。あまり方向感覚に自信がない人にとっては、強い味方になるはずです。


大きな地図で見る

自転車仲間との待ち合わせ場所を画像で見て決めるなんて使い方も出来そうです。昼食場所の目星をつけたり、沿道のコンビニの有無なども見ておけます。ズームも出来ますから、帰って来てからツーリングの途中に立ち寄った店の名前を確認することだって可能かも知れません。

残念ながら、今のところクルマの走れないサイクリングロードの沿道画像はないようです。ただ、アメリカでは、撮影機材を自転車に搭載した、グーグル・カーならぬグーグル・自転車も目撃されていると言いますから、日本でもサイクリングロードの画像が追加される可能性はあります。


View Larger Map

考えてみれば、インターネットが無かった頃には思いもよらなかったことが実現しているわけで、ずいぶん便利になったものです。今後もストリートビューは拡充していくでしょうし、そのほかにもいろいろな地図情報サービスが出て来るものと思われます。

中には、今まで違い大量のライブカメラを配置してネット上から視聴可能にする計画を発表している日本企業もあります。家に居ながらにしてリアルタイムに世界中の街を見て歩くことが出来るようになっていくのかも知れません。そうなれば、自転車生活がさらに便利になると言うより、現実と仮想の境目が曖昧になっていきそうです。



目の前の大型スクリーンに映し出されるリアルタイムの実在の場所が、室内のローラー台やサイクルトレーナーに連動して動き、音も聞こえたり、前から風が送られたりすれば、現実かのような錯覚にとらわれるはずです。バーチャルなら雨でも移動できますし、事故に遭遇する心配もありません。

決してSFの世界の話とは言えません。考えてみれば、すでにテレビの前でゲーム機を使って、バーチャルなスポーツに興じたり、運動して汗を流している人は少なくありません。任天堂の「Wii Fit」や「Wii Sports」が累計数百万台も売れる時代です。ある面、近いものがあると言えそうです。


大きな地図で見る

室内で自転車に乗るのが当たり前の時代となるのは、案外遠くない将来かも知れません。ただ、そこまでいくと、さすがに味気ない気がするのは私だけではないでしょう。例え雨や事故のリスクがあろうと、落車したのをグーグルに撮られようと(笑)、私は現実の道路を走っていたい気がします。



相変わらず天気の崩れる日が多くなっています。まだまだバーチャルサイクリングには程遠いですが、グーグルストリートビューでじっくりルートの研究でもしておきますか(笑)。

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