長崎県の対馬と韓国の間は、わずか50キロしかありません。
グリーンエネルギーや温暖化ガス排出削減など、地球環境問題に対する取り組みにしても、欧米の事例は比較的よく紹介されますが、韓国の例が話題になることは多くありません。都市交通に自転車の活用を推進しようとする事例が注目されるのも、アメリカやヨーロッパに集中しています。
李大統領「自転車時代、遅れないよう急ぐべき」
李明博(イ・ミョンバク)大統領は20日「自転車はグリーン成功のパートナー」とし「自転車が走るのが遅すぎれば転んでしまうように、“自転車時代”へと進むのが遅すぎないよう急ぐべきだ」と強調した。
李大統領は同午前に放送されたラジオ演説で「炭素を排出しない自転車を主要交通手段として復活させることが、われわれが進むべき道」とし、このように述べた。
李大統領は自転車利用の活性化について「街で安全かつ便利に自転車に乗れるようにするためには、道路を再整備しなければいけない」とし、
▽中心部では自転車道路と歩道を区分する
▽地下鉄の最後の1車両を自転車持ち込み専用車両にする−−
など制度を補完すべきだと強調した。
また、李大統領は国内の自転車生産が途絶えた状態であることについて「残念だ」とし「高付加価値のハイブリッド自転車を生産し、国内でも使い、輸出もできればどれほど良いか」と話した。 (後略)(中央日報 2009.04.21)
李大統領も「自転車出勤」、グリーンライフを実践
李明博(イ・ミョンバク)大統領が、青瓦台(大統領府)内官邸から本館執務室まで移動する際に電気自転車を利用する考えを示したと伝えられた。
ある側近が12日に聯合ニュースの電話取材で明らかにしたところによると、李大統領は10日朝、電気自転車で本館に向かい、その後の移動にも自転車を利用した。ここ数日は雨のため利用していないが、李大統領は「楽しく、楽だ」と、今後も自転車の利用を続けると話したという。
最近は「自出族」と呼ばれる、自転車で出勤する会社員が増えている。李大統領が「自転車出勤」を宣言したのも、現政府が中核国政課題として掲げる「低炭素グリーン成長」を、自ら体で実践しようという意志によるものとみられる。
李大統領は10日の第21回ラジオ・インターネット演説で、時間と費用がかかるグリーン技術より、まずはだれでもすぐにできるグリーンライフが重要だと述べている。
青瓦台関係者は「李大統領は昨年9月22日の『車のない日』を機に自転車を利用しており、最近も折を見て青瓦台内で自転車に乗っている。グリーンライフを率先する考えだ」と話した。(聯合ニュース 2009.8.12)
李明博大統領はビジネスマン出身で、ソウル市長時代には公共交通システムを再編し、ソウルの森の造成といったインフラ整備を積極的に進めたことで知られています。そして清渓川を都会のドブ川から市民の憩いの場として復元したことで有名であり、今でも高く評価されています。
自転車産業の雇用創出は自動車の4.5倍
国民が自転車に多く乗ると雇用創出、観光収入増加、交通難解消などで数兆ウォンに達する経済的利益を得られることがわかった。
今年初めにフランス環境省は外部機関に依頼して自転車利用が部門別に国の経済に及ぼす影響を調査した。パリ市が2007年に無人貸し自転車システムの「ベリブ」を導入した後、フランス全域で自転車ブームが起きていることが契機となった。自転車業界の売上と雇用の増大、観光客の誘致など、自転車利用活性化による直接・間接的経済効果などを計数化した。韓国の環境部はこれを基に「フランスでの自転車経済効果」と題する報告書をまとめた。
◆雇用増大=まず自転車利用は雇用増大効果をもたらした。昨年フランスでの自転車総販売額は14億3000万ユーロ、自転車生産に携わる人数は1万400人となった。報告書は「自転車生産には手間がかかるため雇用創出効果が大きい」と強調した。売上に対する雇用効果は自動車産業に比べ自転車のほうが4.5倍高かった。また中小都市に「ベリブ」が拡散したことから地方の雇用創出効果も大きかった。
◆観光産業の発展=各国の旅行ガイドブックは「ベリブ」をパリの名物として紹介し、利用方法とパリ市内の主要観光地付近の貸し自転車の場所を掲載している。
これによりフランスはオランダやデンマークなど元祖自転車王国を抑え昨年は世界最大の自転車観光国に浮上した。昨年に自転車観光を目的にフランスを訪れた旅行客の宿泊日数は述べ170万泊だった。このおかげで観光産業も上り坂となった。ホテルとレストランは自転車のおかげで12億4200万ユーロの追加収入を得たとこの報告書は集計している。観光業界の雇用も増え1万2800人が自転車効果でホテルなどに働き口を得た。
◆間接経済効果=フランスの都市は自動車駐車場の用地を他の用途に転換して年間4億5000万ユーロの収入を上げた。「自転車通勤族」が増え交通混雑も減った。このおかげでエネルギーと時間の浪費が大きく減り、金銭的には1億2800万ユーロを節約したと分析される。二酸化炭素を減らすための環境予算が年間約1億ユーロ節約された計算となる。
◆大腸がん・高血圧減少=この報告書は世界保健機関(WHO)がフランスなど欧州5カ国の国民を対象に調査した自転車が健康に及ぼす影響も紹介した。毎日自転車に30分以上乗る人はそうでない人に比べ結腸がんの発病率が60%以上低く、高血圧・糖尿・肥満も30%減ったことが示された。その結果、自転車に乗ることは健康費用の減少にもつながった。フランス国民は自転車で年間44億キロメートルを移動し、これを通じて病院費29億ウォンを節約した。 (中央日報 2009.07.08)
韓国では、これまで自転車に乗ることを軽蔑するような風潮があり、利用率も低く留まっています。クルマ、しかも大型車を良しとするような風潮があって、市民に自転車の活用を説くには甚だ不利な風土、慣習があるにも関わらず、果敢に市民の啓蒙に挑み、「世界的な流れである。」として道路の再整備にまで踏み込んでいるのです。
有名になったソウルの清渓川(チョンゲチョン)復元事業も、単なる市民の憩いの場だけではありません。道路の老朽化による安全の懸念を払しょくし、スラム化による都市環境の悪化を防ぎ、自然環境を再生し、古都の歴史と文化を回復させ、また地域の産業構造を転換し、都心の経済活性化の起爆剤として機能させる事業です。


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