October 29, 2009

より安全便利に活用を広げる

この秋は、全国的に天気の良い日が続いています。


短期的には数日の周期で変わるものの、全体的には高気圧におおわれて晴れる日が多く、この秋は日照時間が長いのが特徴のようです。台風は来るものの、全般に低気圧があまり発達せず、秋雨前線の活動が弱かったので、全国的にもかなりの少雨となったようです。自転車を使う人にとっては願ってもない天気です。

ただ、急な雨に備えて傘を携行する人は少なくないと思います。傘をさしての自転車は禁止ですが、未だによく見ます。雨に備え、ビニール傘などをママチャリのフレームに挟んで走行している人も見ます。そんな人に気になる報道がありました。今日は、最近の自転車関連のニュースからいくつか話題を取り上げてみようと思います。


自転車スポークに傘や袋、転倒で大事故増加

自転車スポークに傘や袋、転倒で大事故増加経済産業省の委託で工業製品の欠陥などを調べている独立行政法人「製品評価技術基盤機構」は14日、自転車の誤った乗り方や整備の不備によって、この13年間に15人が死亡するなど重大な事故が増加していると発表した。

年間20件程度だった自転車絡みの事故は、2007年が45件、08年が67件、今年に入ってからも8月までに37件と、例年を上回るペースで増えていることから、同機構は「たかが自転車と軽く見ず、正しい乗り方や整備を徹底してほしい」と注意を呼びかけている。

同機構によると、自転車に欠陥があった場合などを除いて、乗った人が負傷するなどした事故は1996年4月以降、289件が確認された。このうち死亡事故が15件で、骨折など重傷事故も66件に上った。前かごにぶら下げた傘や袋がスポークに絡まり、前輪がロックされて、転倒する事故が多かったほか、ギアのさびつきでチェーンがはずれる、ねじのゆるみでハンドルが取れるなど整備不良によって転倒するケースも目立っている。(2009年10月14日 読売新聞)


自転車の車輪に異物巻き込む事故増、注意をこのニュース、テレビや新聞で目にした人も多いと思いますが、事故が増えており、死亡者が出るほどだとは知らなかった人も多いのではないでしょうか。確かに、回転しているタイヤに傘などが挟まれば、急にタイヤがロックする形となって転倒したり、前に投げ出されるなど、非常に危険な目に遭う可能性があります。

言われてみれば当たり前ですが、ふだん、あまりそんなことは意識せずに乗っている人がほとんどでしょう。天気が変わって雨が降り出した時のために、傘を携行したい気持ちはわかりますが、ふとしたはずみでタイヤに挟まらないとも限りません。重傷、死亡まであるそのリスクを軽視せず、充分注意すべきでしょう。


コミュニティーサイクル:都心移動に共用自転車 随所の「拠点」で借り、返却

◇全国で実験開始

都心移動に共用自転車 随所の「拠点」で借り、返却自動車から自転車へ−−。都市部の手軽な移動手段として、自転車を共同利用する「コミュニティーサイクル」が注目を集めている。二酸化炭素(CO2)の排出を抑え健康づくりにも役立つとして、パリやバルセロナなど欧州の都市では既に定着している。国内でも今秋から、東京や札幌、横浜など8都市で日本型の「コミュニティーサイクル」を模索する社会実験が始まった。

コミュニティーサイクルは、都心までは鉄道やバスなどの公共交通機関を利用し、街中の移動に自転車を共用するシステム。従来のレンタサイクルと異なり、借りた場所に自転車を返す必要はなく、約300メートル間隔に設置されているポート(拠点)で返却したり、借りることができる。都市部の自動車交通量を抑える環境対策として、欧州では現在、12カ国の80都市以上で導入されている。(後略)(‎2009年10月27日‎ 毎日新聞)


最近のニュースで言えば、全国8都市で始まった、「コミュニティーサイクル」の社会実験が、マスコミでもあちこちで取り上げられ、注目を浴びています。過去にも何度か取り上げましたが、報道によると、実験の地区周辺で働く人などを中心に、おおむね好評のようです。

ただ、原則としてポートの専用ラック以外に駐輪できないため、鍵がついていないのが少し不便です。基本的に、貸出や返却をするポート間の利用ということなのでしょうが、途中の店に立ち寄ったり、用事を済ませたいこともあるはずです。盗難や管理、稼働上の理由もあると思いますが、やはり便利さを損なっている気がします。

都心移動に共用自転車自分の家の近所では自転車を利用している人でも、都心部では乗ったことが無い人も多いはずです。誰もが職場まで自転車通勤出来るわけではありませんし、例え折りたたみ自転車でも、通勤電車に持ち込んで毎日持ち運ぶのは無理があります。こんな貸し自転車があれば便利なのは間違いありません。

ふだん、地下鉄などでしか移動しない人だと、例えば東京で言えば、大手町と有楽町が意外と近いことに驚くかも知れません。地下鉄を乗り継ぐより、よっぽど速いのは間違いありません。実験とはいえ、限られたごく狭い範囲でしか実施されていないのが残念です。

出張などで来た人や観光客の足としても有効なはずです。こうした取り組みが成功し、一般に認知されるようになれば、自転車が都市交通としても有効利用できることが理解され、その活用が拡大し、インフラの整備などにもつながるでしょう。もちろん温暖化ガス削減にも貢献します。

環境省による実験が札幌、国交省による実験が東京、横浜、茅ケ崎、名古屋、広島市、松山、北九州の7都市ですが、この8箇所以外にも、各地でレンタル自転車を導入する動きが広がっています。その一つ、長野県の飯田市では、電動アシスト自転車や、クロスバイクやマウンテンバイクなどを貸すというシステムがスタートしています。


電動アシスト自転車を無料貸し出し 環境モデル都市飯田

マウンテンバイクやクロスバイクまで無料貸し出し国の「環境モデル都市」に選ばれている飯田市は26日、電動アシスト自転車など計130台の自転車を市民や観光客、事業所などに無料で貸し出す「自転車市民共同利用システム」を始めた。温室効果ガス排出の少ない乗り物への転換を促し、自転車を楽しむ生活スタイルの普及を図る狙いだ。

中学生以上が対象の一般貸し出し用は当面、中心市街地の市役所や公民館など拠点9カ所に38台を配置。市役所などで事前に発行を受けた利用証を提示すると、午前9時から午後5時まで利用できる。観光客は、平日は各拠点、休日は市役所か「まちなかインフォメーションセンター」で申し込むと借りられる。10月27日(火)

利用証は電動アシスト自転車だけに乗れる白色利用証と、マウンテンバイクやクロスバイクにも乗れる青色利用証がある。青色の取得にはタイヤの着脱など、一定の経験や知識が必要。また、一般に貸し出す以外の約90台は、市内の宿泊施設や事業所、竜東中学校で利用してもらう。(後略)(10月27日 信濃毎日新聞)


今まで自治体が行ってきた貸し自転車事業は、放置自転車をなくすため、あるいは、放置自転車をただ捨てるのがもったいないから、というのが多かったように思います。みんなで共有すれば台数が少なくて済む、結果として駅前の放置自転車が減るだろうというものでした。

しかし、放置自転車の再利用では快適性が低く、整備も行き届いていない場合が少なくありませんでした。どこかに乗り捨てられて台数が減ってしまったり、回収のために多大なコストがかかるなど、結局うまくいかずに廃止になったり、いつの間にかフェイドアウトしてしまうものがほとんどでした。

名チャリ社会実験自宅と最寄駅の間の利用だと、必ずしもレンタサイクルの利便性は高いとは言えません。使いたい時に空きがなくても困ります。たまたま、その街に来た人には便利ですが、既に自分の自転車を持っている人は、わざわざ借りません。駅前にあふれる自転車は減るどころか、レンタサイクルのぶん増えてしまい、目的も達せられませんでした。

今回の都市中心部での自転車レンタルシステムは、そうした例とは違います。自宅から最寄駅の場合と違い、都心部で自転車を利用出来る人はごく一部です。まだ実験段階ですが、整備された自転車を街角ごとに配置することで、ビジネスや観光の足として使ってもらい、その小回りのきく利便性を上手に活用してもらおうというものです。

誰もが自分の自転車を持ち、既に需要が満たされている場所ではなく、自転車があれば便利だけど使えなかった、言わば空白地帯を埋める形と言えるかも知れません。まだ実験段階ですから一概に評価は下せないものの、従来のような住宅街型と、今回のような都心型は分けて考える必要があると思います。

こうした、自転車の活用推進に関心が高まる中、そのインフラ整備を進めようという動きも出てきています。国交省や警察庁の方針を受け、全国で自転車レーンを設置する実験です。区間はごく一部で、きわめて限定的ではあるものの、歩行者との事故増加という状況もあって、自転車の走行空間の整備につながることが期待されます。


自転車走行レーン試行 岐阜・金華橋通りなど2キロ

自転車走行レーン試行岐阜市の金華橋通りや御鮨街道に自転車走行レーンを総延長2キロにわたって設ける社会実験が年内の1カ月間、行われることになった。自転車利用者と歩行者を分けて接触事故を防ぐのが目的。市は実験結果を、双方が安心して過ごせるまちづくりに生かす。

実験は、行政や公共交通事業者、学識経験者でつくる市総合交通協議会が行う。環境に優しい交通として自転車利用が増えており、長良橋通りの自転車利用者を、並行する金華橋通りと御鮨街道に誘導する狙いがある。

片側4車線の金華橋通りでは、530メートルにわたり上下線の各1車線を自転車走行レーンとする。パイロンを置き、車道と区別する。御鮨街道は幅1・5メートル、総延長550メートルにわたりカラー舗装で走行レーンを設置。東西に横切る一方通行2車線の長住町線は、車道北側に220メートルにわたり、幅2メートルの走行レーンを設ける。(後略)(2009年10月24日 中日新聞)




名古屋・桜通に自転車レーンを実験設置

国土交通省名古屋国道事務所は26日、名古屋市中区のオフィス街で車道の一部を自転車専用レーンとする社会実験を始めた。歩行者と自転車の混雑により、歩道が危険で通りにくくなっているのを解消する狙い。

自転車レーンを実験設置レーンが設けられたのは、国道19号の通称「桜通」の北側車道で、桜通本町−桜通呉服の両交差点間の320メートル。11月22日までの毎日午前7時〜午後7時に実施する。歩道は幅3・5メートルあるものの、通勤時間帯を中心に込み合って危険な状態になっているといい、同事務所が昨年、通行者200人を対象に行ったアンケートで、67%の人が歩行者と自転車の分離に賛成した。

4車線ある車道を3車線に減らし、歩道寄りの1車線を幅1・4メートルずつに分割。自転車が行き来できるようにする。区間両端と交差点には誘導員を置く。警察庁のまとめでは、自転車と歩行者の接触事故は最近10年で4・5倍に増加している。歩行者と自転車を分離する取り組みは、2008年7月から同区内の同じ国道19号の通称「伏見通」で、歩道に自転車専用レーンを設ける方法でも実施されている。(2009年10月27日 中日新聞)


温暖化ガス対策もあって、自転車の活用に注目が高まっているのは世界的な傾向ですが、日本でも遅ればせながら、ようやくそうした動きが目立ってきたと言えるでしょう。レンタサイクルなど、都心部でも自転車が利用され、改めてその利便性が見直されつつあります。ただ、日本の自転車走行環境は恵まれたものとは言えません。

自転車に歩道を通らせるよう道路がつくられてきた結果、多くの人にとっては車道は通りにくい場所になっています。一方、歩道では歩行者との事故が増加していますし、そもそも歩道を通らせるのはナンセンスです。これまでのクルマ優先、歩行者と自転車混在の交通行政を抜本的に見直す時期にきているのではないでしょうか。

そのほか、自転車の活用の為には駅前の駐輪場などの整備も必要となるでしょう。せっかく、世界に誇れる鉄道網があり、特に都市とその近郊を結ぶ公共交通は充実しているのですから、温暖化対策から言っても駐輪場を整備し、自転車と鉄道という組み合わせを推進しない手はありません。

日本は3日に1日は雨が降るという雨の多い国でありながら、自転車保有台数が多く、世界でも有数の自転車大国です。せっかくこれだけ所有されているのですから、もっと上手に活用すべきです。ようやくここにきて、それが広く認識され始めたと言えるのかも知れません。願わくば、このまま拡大していってほしいものです。


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天気がいいのは助かるのですが、体感気温は結構変わりますね。意外に紫外線も強いようです。

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この記事へのコメント
傘とかを持って走ると危ないですよね。
自転車によっては傘が差し込める穴が付いてたりしますが、あれを作った人は傘さし運転はダメって知らないんですかね?

レンタル自転車は貸し出す時に自転車ルールを教えるようにすればいいと思います
自転車だけ増えると事故が増えそうで怖いですから。

自転車レーンは正直微妙かも・・・
近所に次から次へと作られるレーンはどれも妙な設計で有効活用されてないですから。

でも自転車に注目されてるのは良いことですね。
車中心になってしまって高齢者の運転の問題とか歩行者ないがしろの問題が出てきてしまったから、そろそろ見直す時期ですね。
Posted by 職人気取り at November 01, 2009 17:26
職人気取りさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
傘を携行するための穴でしょうか。おそらく、携行するだけなら禁止ではない、自転車を降りた後に傘をさすため、と言われたら反論できなさそうな気がします(笑)。
確かに、ふだん自転車に乗らない人もレンタルなら利用する場合がありそうです。
そうでなくても自転車乗車時のルールを知らない人は多いですから、問題となるかも知れませんね。
自転車レーンを、ふだん自転車に乗らない人がつくっているのが問題なのでしょう。現状に、ちょっと手直しするだけの、あり合わせか、急場しのぎのようなものも多いですから。もっと根本的に変えていく必要がありそうです。
Posted by cycleroad at November 01, 2009 23:58
 
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