November 22, 2009

乗り換え不要というスタイル

自転車は、人力では最も効率のよい移動手段です。



リカンベント
このことに異論のある人は少ないでしょう。実際、他の乗り物や動物と比べても、人間と自転車の組み合わせによるエネルギー効率は、抜きん出て優れていることがわかっています。人間が自転車に乗ることで、歩くのと比べ5分の1のエネルギーですみますし、5倍のスピードで移動出来ます。

(注:右の写真はリカンベントタイプの自転車。もちろんエネルギー効率に優れるのは自転車全般に言えることで、リカンベントに限るという意味ではありません。)

ただ当然ながら、陸上での話です。水上で自転車にあたるものと言えば、カヌーやカヤック、ボートといった人力で進む舟ということになるでしょうか。人間が泳ぐよりもラクに移動出来て、より速いスピードが出せます。公園の池にあるような手こぎボートはあまり速くありませんが、カヌーなど滑るように進む舟もあります。

カヌーと言うと、乗る部分、すなわちデッキがオープンになっており、パドルは片方だけでこぐタイプ、カヤックは、乗る部分に覆いがかけられ、パドルは両端でこげるタイプというイメージがあります。両者とも前進するタイプなのに対し、固定されたオールでこぐボートは、後ろに進むものという理解が一般的でしょうか。

カヤックしかし、実はカヌーと言うのは一般的な呼称であって、その範囲は幅広く、そう単純に分類できるものではないようです。自転車にもいろいろなタイプがあり、呼び方があるのと同様に、カヌーやカヤック、ボートも含め様々な種類があって、その厳密な分類や定義は素人には難しい部分があります。


私も、沖縄や海外などで、カヌーやシーカヤックには何度か乗ったことがあります。もちろん普通のボートもありますが、一般的な手こぎボートと比べると軽快で楽しく、スポーツやレジャーとして人気があるのも納得がいきます。ただ、適した湖沼や河川などが近くにない都会に住んでいると、あまり縁がないスポーツという気がします。

ところが最近は、必ずしもそうとは限らないようです。例えば東京湾にシーカヤックでこぎ出し、シーバスフィッシングなどを楽しむのが、ちょっとしたブームになっていると言います。陸からは届かない沖だけど、釣り船に乗るよりは近くの海や、釣り船の入れない浅瀬などにも行けて、釣果があがって面白いのだそうです。

インフレータブルなものも。私はやったことがないので、詳しい部分はわかりませんが、川を下ったり、カヤックをスポーツとして楽しむだけでなく、釣りなどで使う移動手段としても当然役立つでしょう。インフレータブルな機種もありますし、東京などに住んでいてもカヤックを所有し、趣味として楽しむ人が増えているようです。

もう一つ、カナディアンカヌーなどを自作して楽しむ人もいます。かなり特殊な人かと思えば、意外に多いらしく、本格的にカヌーの世界に魅せられると、自分で製作したくなる人も多いようです。子供の頃にプラモデルや模型作りに熱中したのと同じように、大人が熱中する趣味のモノ作りの世界があるのでしょう。

考えてみれば、はるか原始の時代から人類は木を削り、舟をつくり続けてきました。それは人間のDNAに刷り込まれた部分なのかも知れません。原始時代と違って今なら道具も格段に違いますし、材料も簡単に手に入ります。自分で設計してもいいですが、昔からの知恵が蓄積された設計図を手に入れることも出来ます。

おそらくは、自分なりの使い勝手や、軽さ、速さ、美しさなどを求めて自作するのでしょうが、なかには利便性や新しいアイディア、人とは違ったスタイルに価値観を置く人もあるに違いありません。海外でもそれは同じなようで、“Autocanoe”という名の新しい分野のカヌーを開発してしまう人もいます。

Autocanoe路上走行可能

一言で言えば、3輪のリカンベントとカヌーを合体させたような乗り物です。でも、単なる足でこげるペダルカヌーではありません。なんと道路も走れるカヌーであり、水上も進めるリカンベントタイプの自転車でもあります。つまり水陸両用車ですが、このオートカヌーが優れているのは、陸と水面を継ぎ目なく行き来出来るという点です。

道路を走行してきたリカンベントが、そのまま入水してカヌーとして航行できます。水から上がる場合も、そのまま上陸して道路へ走って出られます。水上はともかく、陸上では取り回ししにくそうに見えますが、意外に小さな回転半径で軽快に転回することも出来ます。下の動画をご覧になると、よくわかります。

水陸両用自転車




動画へ←クリックで動画が再生。


シートに座ったまま、シームレスに水陸を行き来できるというわけですが、このことには大きな利点があります。通常のタイプのカナディアンカヌーであれば、クルマなどに搭載し、水辺まで運んで来なければなりません。そこでカヌーを下ろして荷物を載せ、水上へと押し出し、乗りこむという手間が必要になります。

この“Autocanoe”であれば、海や湖沼、川など水辺の近くに住んでいれば、走ってきてそのまま入水、沖へこぎ出せるという便利さです。カヌーのデッキなら、単なるリカンベントに比べて、荷物もたくさん積めます。釣りはもちろん、無人島へ渡ってのキャンプやバーベキューなどにも活躍しそうです。

陸上から水上へ水上から陸上へ

Autocanoe社では、カヌービルダーに向けて、このオートカヌーの設計図を販売しています。一般的な技術と普通に手に入る材料を使い、容易に製作できるよう説明されていると記されています。おそらく、普通のカヌーがつくれる人なら問題ないのでしょう。近く、電動アシスト付きのオートカヌーも発表される予定と言います。

路上も走行できるカヌーというのはユニークなアイディアです。カヌーがそれ自体の陸上での運搬手段まで備えているのは便利です。一方、自転車として考えても、カヌーのボディを持つことで、その積載能力が大きく高まることになります。荷物運搬用に、「カヌー自転車」という手も使えるかも知れません。


NEC ノート(LaVie G タイプL (a))    高島屋
    


新型インフルエンザのワクチン接種、希望者が殺到するなど混乱があるようです。そんな折、カナダからは副作用で使用中止のニュースも入っているのが、気になるところです。

関連記事

ブックオフオンラインこの都市と言えばこの自転車
自転車で水の上にこぎ出したいと思うのは、洋の東西を問わない。

よくばりな人や一直線な人に
手持ちの自転車が水陸両用に変身するという手軽なキットもある。

ペダルをこぐとは限らない
陸上でボートをこいでいるように見える自転車というのも存在する。

自転車通勤する距離とコース
実際に自転車で水上を行ければ便利な場合も多いかも知れない。


このエントリーをはてなブックマークに追加




Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。

にほんブログ村自転車ブログへ
 自転車・サイクリングの人気ブログが見られます。













この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/cycleroad/51582171
この記事へのコメント
いつも鋭い視点と自転車愛に満ちたブログ、楽しみに拝読しております。
最近、自分自身もブログを始め、それがきっかけでいろいろ自転車について考えることも増えました。(なにより走ることも増えたのですが)

ブログ(上記URL)の方で、リンクをさせていただきました。
引き続き、楽しい、示唆に富む、時々辛口なブログの新着記事を心待ちにしております。
Posted by やがた なおみ at November 23, 2009 13:54
こんにちは。

昨今、自転車には健康という共通認識としての付加価値が世間一般に流布し
どれほど情熱を注ぎ込んでも『趣味』の領域として認知される様に思います。

がしかしこれがカヌーとなると一般人にはまだまだ未知の領域で
それに心血を注ぐとなると『趣味』の領域とは別領域の『道楽』として
カテゴライズされるんでしょうね。『趣味』と『道楽』似て非なるもの

『趣味人』かたや『道楽者』後者はなんだか後ろめたい気分にさせます。
個人的にはこの後ろめたさこそが・・・背徳の美の二歩手前な感がし密かに憧れます。
世の中から『趣味人』はさておき『道楽者』が居なくなればお終いです。

また『道楽』の領域を『趣味』の領域がじわじわと侵食するのは、なんとなく寂しい気分になります。

------------------------------------------------------------------------------------------

さて新型(豚)インフルエンザの件について

厚生労働省は国内ワクチンを2700万人分しか備蓄しておらず、4950万人分のワクチンをスイスの
「ノルバティス社」とイギリスの「グラクソ・スミスクライン社」の2社から輸入する契約を結んだのですが
このワクチンには免疫を強化する成分「アジュバント」が添加されてまして。この「アジュバント」こそが
「副反応の発生する確率が高い物質」とされており、欧米では医師本人が接種を拒否している例も多いそうです。

タミフルタミフル・・・ルルルルルなんて言ってる場合じゃないですね(失礼しました。
Posted by ホリゾン樽 at November 24, 2009 11:23
やがた なおみさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
プログ、始められましたか。プログを始めると、自転車について、あらためて考えたり、違う面に興味が出たり、という方も多いかも知れませんね。
確かに辛口と言いますか、勝手なことを書いてます(笑)。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at November 24, 2009 20:56
ホリゾン樽さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど、道楽ですか。確かにカヌーを自作するところまでいくと、周りには道楽と見られるのは避けられないかも知れませんね。
ただ、私の知り合いにもいるのですが、あくまでスポーツ、あるいは釣りなどの道具として使っているだけで、カヌーやカヤックそのものにこだわると言うより、海や川など、水を楽しむアイテムとして、存在感を増している部分があるようです。
それこそ、自転車に乗って出かけるのに近い感覚で、インフレータブルなシーカヤックに乗って釣りに出かけたりしています。
全体からすれば少ない割合だとは思いますが、マスコミなどでも取り上げられ、ちょっとしたブームとして増えているのは間違いないようです。

そうなんですか。インフルエンザワクチンについては、あまり詳しく知らない人が大多数だと思いますが、海外ではギランバレー症候群を引き起こしている、などという報道もあるようなので、いろいろと気になりますね。
Posted by cycleroad at November 24, 2009 21:15
カナディアンカヌーに自転車を積んで川を下り、船を適当なところにつないで、自転車で車を取りに戻る。というあそびかたをしている人もいますよ。完全に一人でできる遊びで、少しさびしいのですが、何とも言えない自由があり、好きです。ただ、景色のいい川のわきの道は急坂ばかりなので、つらいです。電動がほしい。
Posted by くらうど at November 25, 2009 23:51
くらうどさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、急な川だと元の場所にカヌーでは戻れないでしょうね。クルマ+カヌー+自転車という使い方もあるわけですか。
何かあった場合に、一人だと困ることもあるでしょうが、釣りをする人なんかも一人で行動する人は多いと思います。自転車でも集団走行する場合がありますが、基本は一人ですので、その自由さは、わかる気がします。
電動アシストだとペダルは軽いですが、全体の重量が重くなるのが難点ですね。
Posted by cycleroad at November 27, 2009 21:56
老婆心かもしれませんが、東京湾は、
1 衝突予防法
2 交通安全法
3 港則法
の3つの海上交通に関する法律が適用される海域で、
非常に混雑する海域です。そこに一般的な海上交通に
不慣れな素人が操船する船舶が動力船より優先権がある
現状で多々入ってくる事には絶対に反対です。
プレジャーボートのマナーの悪さ、法律無視での操船、
そして保安庁の事なかれ主義が横行し商船だけが
割を食う現状の法運用では東京湾が無法地帯になります。
Posted by 末席 at June 28, 2011 13:09
末席さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、タンカーや貨物船、フェリーや軍用艦からプレジャーボート、屋形船に至るまで、数多くの船が行き交う東京湾で、個人のボートが増えたら収拾がつかなくなりそうですね。
ただ、東京湾でも千葉の木更津のほうなどではポートで釣りをさせたりしているところもありますし、個人でカヤックなどに乗る人が最近増えているとも聞きます。
現状がどういう規制になっているのか、よく知りませんが、沿岸から離れない範囲で、場所を決めて楽しむようにしなければいけませんね。
Posted by cycleroad at June 28, 2011 23:11
 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)