November 28, 2009

祖先と子孫が融合するカタチ

ビーチクルーザーと呼ばれるタイプの自転車です。


日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカの特に西海岸では人気のある自転車です。もともとあった実用タイプの自転車を、アメリカ西海岸のサーファー達がビーチへ行くための気軽なアシにするため改造したものが由来とされています。砂地にも強い太めのタイヤが特徴です。

ビーチクルーザー実はマウンテンバイクの元になった自転車でもあります。このビーチクルーザーで山道を駆け下りて遊んでいた人たちが、だんだん改良を重ねて誕生したのがMTBです。MTBより古いばかりか、いろいろな自転車のルーツであるという意味でも、伝統のある自転車なわけです。

アメリカ西海岸へ行くと多いですし、今でもアメリカ人には人気があります。フレームのトップチューブ部分が、オートバイのタンクを思わせるようなデザインも多く、おそらくデザイン的に意識しているのでしょう。オートバイの中でも、ハーレーダビッドソンのようなタイプを連想させます。

つまり、前傾姿勢で乗るようなヨーロピアンタイプのオートバイではなく、どっかりと腰を下ろすような姿勢で乗るアメリカンタイプ、ホースパックライディングと言われるようなタイプのオートバイです。アメリカの西部開拓時代からの乗馬の姿勢の伝統から来ているのでしょう。

チョッパー型アメリカ人が好きな形

前輪のサスペンションや、ハンドルを大きく伸ばし、シートに背もたれをつけて反り返った姿勢で乗るような、いわゆるチョッパータイプに自転車を改造するのを好むのもアメリカ人独特と言えるかも知れません。アメリカンタイプのオートバイのデザインの影響がその中に見出せる気がします。

こちら、“Derringer Cycle”は、少しイメージが違って、1920年代のオートバイに似せたデザインです。ペダルやB.B、チェーンなどがありますから自転車とわかりますが、タンクにエンジンまであって、まさにオートバイかと見まごうようなデザインです。

Derringer CycleDerringer Cycle

たまにオートバイに似せた子供用の自転車などがありますが、これもそのような、いわゆるフェイクの自転車かと思えば、実はそうではありません。1920年代のオートバイに似たデザインですが、実は本当にオートバイなのです。つまり、ガソリンエンジンでも動く自転車です。

ペダルをこいで人力でも走れますし、50CCのエンジンだけで走行することも出来る、言わばハイブリッド自転車です。よく見ると、エンジンの方からもチェーンが伸びています。切り替えて、どちらとしても使える自転車、もしくはオートバイというわけです。ちなみにエンジンはホンダ製などが使われています。

Derringer CycleDerringer Cycle

オートバイは、元々自転車にモーターを載せるところから始まったわけですから、先祖がえりと見ることも出来ますが、オートバイにペダルをつけたと考えてもユニークです。普段は自転車として乗り、疲れた時とか、向かい風の厳しい時、坂道を登るときだけオートバイとして乗る、なんて乗り方も出来ます。

電動アシスト自転車は、あくまでペダルをこぐ必要がありますが、こちらはエンジンだけでも走れます。自転車は疲れるからイヤだと敬遠している人でも、これなら気が向いた時だけ自転車として乗ることも出来ます。見ようによっては、省エネ型のオートバイと考えることも可能でしょう。



ただし、いくらペダルだけで走行出来たとしても、日本では原動機付き自転車の扱いになります。このままでは公道を走れません。原付免許が必要ですし、ナンバーを取得し、ヘッドライトやウィンカー、バックミラーなど必要な装備を装着する必要があります。また、自転車モードであっても歩道は走れません。

このユニークなコンセプトの“Derringer Cycle”、レトロなデザインですが、新しく出来たブランドです。しかし、実はこうしたスタイル自体は、決して新しいわけではなく、昔からあったものなのです。日本では現在ほとんど普及していませんが、モペット(モペッド)とか、ペダル付きオートバイとして、以前からあったカテゴリーです。

エンジン付き自転車私は生まれていないので詳しくは知りませんが、日本でも1950年代頃には、自転車にエンジンをつけたモペットと呼ばれる、ペダル付きの自転車が流行っていたそうです。ただ、その後本格的な原付バイクが主流となって廃れてしまいました。現在は海外からの輸入と、日本のメーカーの欧州への輸出向けが一部国内販売されています。

欧米では免許が不要な国などもあって、モペットが身近な国もありますが、日本ではペダル付きオートバイも原付自転車としてナンバー取得が必要になります。自賠責保険の加入も必要になるので、原付と比べてメリットがあるわけではないのも普及しない原因でしょう。

最近、大阪などではペダル付電動オートバイが海外から輸入されて、一部で出回っているようです。モペットの電動モーター版です。これも電動だけで走行出来ますので原付バイクなのですが、無登録で公道走行する人があって問題となっています。大阪府警が、全国初の本格的取締りに乗り出したと報道されています。

「自転車だとばかり…」こうして違法に使われるのでは問題ですが、例えば通勤にクルマを使っていた人がオートバイや原付に乗り換えるのであれば、環境負荷を減らすことになります。もちろん自転車に乗り換えるほうが効果は高いとしても、誰もが自転車通勤できるわけではありません。ペダル付きオートバイという選択肢があっても悪くはないでしょう。

電動のモペットなら、ガソリンエンジンより環境負荷が低くていいわけですが、やはり航続距離などの点に難があります。電動アシスト自転車もそうですが航続距離が短く、バッテリーが切れると、ただの重い自転車になってしまいます。近場で使うにはいいですが、すこし遠くなると使えません。

電気自動車がなかなか普及しないのも、バッテリーの能力や大きさがネックです。実際、ガソリン燃料とバッテリーの体積あたりのエネルギー効率の違いには、まだ大きな差があります。クルマメーカーも、ガソリン燃料の持つエネルギー的なポテンシャルに、まだまだバッテリーがかなわないことがわかっています。

将来的に電気自転車をにらみつつも、ハイブリッドカーを開発しているのは、そのあたりの事情があるわけです。オートバイにもバッテリーの性能が向上するまでは、ハイブリッドという手が考えられます。そしてオートバイのハイブリッドは、ガソリンと電気ではなく、ガソリンと人力でいいのかも知れません。


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事業仕分けが終わりました。いろいろと問題も指摘されていますが、国民の関心を集めたのも事実でしょう。何千と存在する「独立法人仕分け」も是非やってほしいところです。

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この記事へのコメント
はじめまして。自転車は国によっても違うということかよくわかりました。ちなみに私は苦手です。また私のブログにも遊びに来てください。
Posted by yiyiytity at November 29, 2009 18:24
MTBのルーツがビーチクルーザーだと分かってはいますけれど・・・
実際に山でビーチクルーザーに出会ったらびっくりするだろうなあ (^^;
まあビーチクルーザーで山走ってる人なんて、今ではいないと思いますけど・・・(いたりして)

Derringer Cycleのサイト見てきました。
どのバイクも、カラーリングが素敵ですね!
でも、漕ぎにくそうに見えます。
タンクとか機材が脚に干渉しそうで・・・
Posted by youshookme at November 29, 2009 20:03
なんだかアッケラカンとしていい感じのバイクですね♪

世界経済はいまやドバイ・ショックで戦々恐々としてますが
アメリカは良くも悪くも不思議な国家だと思ってみたりしますが
じゃあマトモな国って何処なのかと尋ねられても?ですけど

昨日も愛車でノンベンダラリンとポタっておりましたら
疾風の如く真横をロードレーサーが通り抜けて行きました。
〜狭い日本そんなに急いで何処へ行く〜はもはや死語なのか?
いくら体幹筋を鍛えようとも事故ったらヘッタクレも無いのに
何をそんなに飛ばす必要があるのか?私には全く理解不能ですが

経済発展とスピードを是とする価値基準に異を唱えてみても
この世界的潮流の螺旋から抜け出すのは容易ではないですし
一旦速度を上げたなら停止させるのも容易ではないですし
話をもとに戻すのも容易ではなさそうなので・・・

今宵は書き逃げさせて頂きます--------------------→シュワッ!

Posted by ホリゾン樽 at November 29, 2009 20:38
yiyiytityさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
地形や歴史、国民性などによって、意外に差は大きいかも知れませんね。拝見させていただきます。
Posted by cycleroad at November 30, 2009 23:13
youshookmeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
MTBがない頃、ビーチクルーザーでダウンヒルをしていたのがルーツと言いますから、今でもダウンヒルだったら、やって出来ないことはないでしょう。
でも今は、いいMTBがありますし、山道の走破性は比べものになりませんから、さすがにビーチクルーザーで山へ行く人はいないでしょうね。
確かにペダリングには、タンクなどが邪魔しそうに見えます。こぎにくい為、オートバイオンリーになるなら、わざわざペダルを付ける意味は乏しいと言わざるを得ません。
1920年代のオートバイに似せたデザインを優先すると、自転車としては乗りにくくなってしまうというジレンマを抱えているのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at November 30, 2009 23:28
ホリゾン樽さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃるように、レトロで独特の味わいがある自転車ですね。
広い国ですから気候風土も違いますし、自転車ひとつとっても多様性に富んでいるのがアメリカの面白いところなのでしょう。

日本はアメリカのような人種のるつぼではありませんが、自転車乗りだけとってもいろんな人がいるということでしょうね。
必ずしも急いでいなくても、スピードが魅力という人もいるでしょうし、途中の景色を楽しみながらポタリング派もいます。
実用一辺倒からファッショナブルなものや趣味性の高いものまで、自転車の種類や乗り方、使い方も多様なところが、また面白いところでもあるのではないでしょうか。
Posted by cycleroad at November 30, 2009 23:47
自転車と一言で言ってもいろいろな種類があるんですね〜
意外と自転車って奥が深い!
Posted by 職人気取り at December 01, 2009 09:09
職人気取りさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、日本では圧倒的にママチャリを見る機会が多いので意外な気がしますが、いろんな種類があるものです。
奥も深いし、幅も広いって感じでしょうか。
Posted by cycleroad at December 02, 2009 12:14
 
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