January 03, 2010

日本から消えつつある習わし

あけましておめでとうございます。


2010年が明けました。今年も、さまざまな角度から自転車の話題を取り上げていこうと思っています。マイペースで更新していきますが、よろしければ今年もお付き合いください。記事へのご意見・ご感想や、こんな話もあるよといった情報などあれば、コメント欄に書き込んでいただければ幸いです。

あけましておめでとうございます

さて、お正月です。帰省して故郷でご覧の方もあるかも知れません。関東地方は、晴れて風もなく、実に穏やかな年明けでしたが、北日本や日本海側では大荒れの天気となったところもあったようです。とは言え各地で、これぞ日本のお正月という風景が見られたのではないでしょうか。

やはりお正月は、何かと伝統的な風物に接する機会が多く、日本人ということを実感する時期と言えるかも知れません。ただ、最近はそのお正月も変わってきています。地域によっても違いはあるのかも知れませんが、程度の差こそあれ、日本のお正月の風景が様変わりしつつあると感じる方は多いのではないでしょうか。

門松例えば、初詣などに行っても、以前と比べて和服を着ている人がずいぶん減ったように思います。昔は、普通の民家の前に飾られている門松も、もっと多かったような気がしますし、街を走るクルマのフロントグリルに、正月飾りをつけているのも見なくなりました。

昔はたくさんの凧があがっていたのに、今はほとんど見ません。広い公園にでも行けば、少しは上がっていると思いますが、それもほとんどスポーツカイトで、昔のような奴凧などには、まずお目にかかれません。羽子板で羽根つきをする子供たちは、もっと見なくなりました。

羽根つきの羽根は、蜻蛉(とんぼ)をかたどっていると言われています。その昔、蚊が媒介する疫病は恐ろしいものでした。その蚊などの害虫を食べる蜻蛉を高く飛ばすことで、疫病にかからないよう願いが込められていたわけです。凧は「上がる」縁起ものでしたし、コマは「一人立ち」など、それぞれおめでたい意味がこめられていました。

奴凧そうした遊びはテレビゲームに取って代わられ、ベーゴマがベイブレードになるのも時代の流れなのでしょう。現代の子供が正月遊びに興味を示さないのも仕方がありませんが、お正月の遊びも縁起もの、伝統を受け継ぐという面があるだけに、寂しい気がしないでもありません。

家の中の様子も変わりました。鏡餅も、今は餅がパックしてあったり、鏡餅の形にプラスチック成型された容器の中に、個別包装された角餅が入れられていたりします。確かに便利で衛生的ですが、なんだか味気なくなった気がするのは、私だけではないでしょう。その由来を知らない人も増えているはずです。

正月は本来、その年の豊穣を司る歳神様をお迎えする行事であり、門松や注連飾り(しめかざり)なども全て歳神様を歓迎するためのものでした。鏡餅も、歳神様へのお供えとして床の間に飾り、家族全員の健康を祈るという意味がありました。丸い餅なのは、元々ご神体とされた丸い青銅鏡を象ったことから来ていると言います。

羽根つきだから「鏡」餅なわけであり、地域によっていろいろな伝承や習わしがあって、餅の数や飾り方はさまざまですが、一般的に大小2つの餅を重ねるのも、福と徳が重なることを願う形と言われています。しかし今や鏡餅は、つくものではなく買ってくるものとなり、それすら飾らない人も増えています。

鏡餅の餅は、鏡開きの時に雑煮やお汁粉にして食べるわけですが、その頃にはカビが生え、乾燥してパリパリになっていたりしたものです。あまりに固くなっているので、木槌で叩いて割るのかと思えばそうではなく、鏡餅を刃物で切るのは縁起が悪いとされているので、刃物は使わないのだと教わりました。

今の子供は、餅にカビが生えているのを見ることすらないかも知れません。地域による違いがあるので一概には言えませんが、関東などでは普通1月11日が鏡開きです。餅に生えるカビは大丈夫だと言って、普通に食べていたのは、いつ頃までだったのでしょう。

鏡餅もちろん、昔ながらの鏡餅をお供えしているという方もあると思いますが、カビが生える前に食べてしまう家も多いのではないでしょうか。また、一般的には7日までが松の内で、小正月の15日にどんど焼きで、門松などの松飾りを燃やすものでしたが、そうしたしきたりも、どんどん失われていっている地域は多いと思います。

そのぶん、正月気分が抜けるのも早くなり、お正月が短くなってしまったような印象すら持ちます。そもそも今は、元日営業の商業施設も多く、街も昔の静かでのんびりした正月気分とは様変わりです。元日から外食したり、買い物も出来るので、おせち料理を作らなかったり、買ってくるだけの家も増えているに違いありません。

お正月のお膳に欠かせない、お屠蘇(とそ)を飲んだりする習慣も、すでに失われつつあるのかも知れません。屠蘇器の大中小の盃は、一献ずつ種類の違うものを天皇に献じていた名残りなのだそうですが、そもそもお屠蘇は屠蘇散と呼ばれる漢方薬を調合した薬酒のことであることなども知らない人は多いと思います。


屠蘇器
本来、お屠蘇は年少者から順番に飲むのが正式とされています。これは、年少者の若さを年長者が飲み取るという意味があるのだそうです。昔は、正月に親戚などが集まると、そうしたしきたりを年配者が教えてくれたものですが、核家族化が進行し、伝統や習わしが受け継がれる機会も減っているのは間違いないでしょう。

こうした正月の習わしは、室町時代とか鎌倉時代、あるいはそれ以前から続いてきたものも少なくないそうです。もちろん時代が移るにつれ、変わって行くものなのでしょう。しかし、日本で長い間受け継がれてきたものが、わずかここ数十年で廃れ、無くなってしまっていいのだろうかと考えずにはいられません。

日本の文化にしろ生活様式にしろ、欧米化していく一方です。経済もグローバル化する時代ですし、日本の古き良き伝統が失われていくのも寂しいですが仕方がないのかも知れません。しかし、日本のお正月の風景、雰囲気には、少しでも多く残っていってほしい気がします。


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今年はオリンピックイヤーであり、ワールドカップイヤーです。楽しみですね。今年もよろしくお願いします。

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この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。はて今年はどんな年になるのでしょうね。

まさかのリーマン破綻による世界恐慌も一段落し、地価も恐らく今年一杯で
下げ止まるのではと希望的観測を抱いております。また自転車産業においては
08年度から全体売り上げがプラスに転じているそうで、その内訳としては
低下価格帯のシェアがやや下落傾向で、逆に高価格帯のシェアが好調のようです。

その実例の一端として、興味深いのはcycleroadさんも御存知かと思いますが
日本が世界に誇る高級フレームビルダーとして名高い『東叡社』が殺到する注文に
キャパシティが追いつかず、現在オーダーストップされているそうです。
また運よくオーダーされても、一年以上先の納品となるそうでして
この突如として降って沸いたような注文の一因は、恐らくこのブログでも紹介された
あの雑誌による影響が多大ではないかと思われます。果たしてこの現象が吉と出るか
凶と出るかは判りませんが、現代の無機質で色気も愛想もない市場原理に裏打ちされた
魅力の無いクルマよりは、自転車は遥かに魅力があり部屋のインテリアの一部として
新たな用途が生まれるのかもしれませんし、既に投機対象?として欧州から※回収した
ヴィンテージ?物の自転車を現状渡しで、NET販売されているところもあるようです。

未だ旧態依然とした自転車業界には、色々な場面でビジネスチャンスが埋もれており
ある程度の資金さえあれば、新規参入する価値が充分にある魅力ある市場であると
確信しておりますが......残念なのは、私にはその先立つものが無いという事です。

本年も宜しくお願いします。

Posted by ホリゾン樽 at January 04, 2010 13:19
親戚の集まりで子供たちはDSやってました
大人がビール飲んで騒いでるので他にやることがないから仕方ないかもしれません(笑)


校長先生やってた親戚が学校で自転車教育なんてやっても大人が守ってないから無駄、講習を受けないと運転を出来ないようにすればいいと言ってました

自分は免許制みたいにするのは大変だし、免許制にしてる国はないから学校教育とか自転車イベントでの広報活動とか細かい所からやっていけばいいと思うんですが教えるだけではルールを守らないから免許制にするしかないのかな〜と正月早々考えてしまいました
Posted by 職人気取り at January 05, 2010 17:14
あけましておめでとうございます。
最近は私が子供のころに比べると物が溢れていますね。
子供の遊びも変わっていますよね。
先日子供と「凧揚げ」をしようと思い、竹ひご、糸などを買い自作しました。ふと広告をみると半値くらいで完成品が売っていました。自作の凧より良く上がるし、キャラクターも子供うけするだろうと思い複雑な気持ちになりました。
Posted by とれつく at January 05, 2010 22:05
ホリゾン樽さん、あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます。
二番底が来るのではないかと言う人もいますが、なんとか景気も上向いて欲しいところですね。
自転車ブームはスポーツバイクのブームでもあり、おっしゃるように、今までより相対的に高い価格帯の自転車が売れているのは間違いないようです。
ただ、今まで売れていたのは、圧倒的な割合でママチャリが多く、それも中国製などきわめて安い価格帯のものが溢れていましたから、自転車本来のポテンシャルや楽しさが再発見される中で、ある程度、高い価格の自転車が売れるのは当然のような気がします。
今までが安すぎたので高く見えますが、本来の価格帯のものが売れるようになったということなのかも知れません。
自転車の値段や価値に気付いた人の一部が、高級なバイクに向かうのも自然の流れなのでしょう。今までの限られた人だけの小さな市場で、その供給能力の限られたところへ、多くの新しい顧客が殺到しているのでしょうね。
自転車市場は、完成品のメーカーより部品メーカーのほうが大きいという特殊な市場で、東証一部上場しているのもシマノだけだと思います。部品を買ってくれば誰でも自転車が組めるので、新規参入が容易なのは間違いありませんね。
最近はネットで販売すれば店舗などの初期投資も省けますし、何かニッチなところを狙えば、資本が乏しくても結構いけるかも知れませんよ(笑)。
本年もよろしくお願いします。
Posted by cycleroad at January 06, 2010 12:01
職人気取りさん、あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます。
大勢でいても、一人ずつゲームやっていたりしますからね。せっかく集まっているのだから、皆で遊べばいいと思いますが、ちょっと不思議な光景です。最近は通信でつながるものもあるみたいですが..。
元校長先生の言うのは、私もその通りだと思います。私も教師をやっている友人などから聞くことがありますが、ルールの必要性を理解しているのに、必ずしも守らないと言います。必ずしも自制したり、合理的な行動をとらないのが子供ということなのでしょう。
一般は別として、学校が児童に免許制を導入するのは考えられますね。実際、東京などでも区によっては実施されているようです。
もちろん、大人も守るようになり、社会的な秩序が保たれるようになれば別なんでしょうけど。
本年もよろしくお願いします。
Posted by cycleroad at January 06, 2010 12:19
とれつくさん、あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。大人も含めてですが、物質的には、ずいぶんと豊かになったものです。
完成品が半値ですか。なんでも安くなってますからね..。
でも、最近の子供はカブトムシも買ってくるものだと思っていたりしますし、教育という観点から言えば、自作することを教えるのは重要な意味があるように思います。
売っているものが、実は自分でも作れるということに気付かない子供も多いでしょうし、自分で作り出す楽しみや、創意工夫することの面白さも学べるかも知れません。
私も子供のころは当然自作しましたが、よく飛んだ時の嬉しさは、完成品の比ではないでしょう。何でも買えば手に入る現代の子供には、味わえない喜びかも知れません。
昔も買えば手に入ったのでしょうが、完成品などでは満足せず、わざわざ自作して、人より飛ぶものを作ってやろうといった、こだわる子供もいたような気がします。
本年もよろしくお願いします。
Posted by cycleroad at January 06, 2010 12:42
 
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