世界初の五大陸最高峰登頂や、世界初の北極圏単独到達などを成功させ、国民栄誉賞も受賞しました。その植村直己を記念して設けられた「植村直己冒険賞」が、一人のサイクリストに贈られることに決まったと報じられています。産経新聞の記事より引用します。
11年かけ自転車で地球2周 植村直己冒険賞に中西さん
受賞会見で喜びを語る中西大輔さん=12日午後、東京都千代田区神田小川町の明治大学 世界的冒険家、故植村直己さんをたたえ創設された「植村直己冒険賞」(兵庫県豊岡市主催)の第14回受賞者が12日、11年かけて自転車で地球を2周した兵庫県川西市のサイクリスト、中西大輔さん(39)に決まった。
中西さんは12日、東京都内で開かれた受賞会見で、「あこがれ、尊敬する方の賞。大きな賞だと思っている」と喜びを語った。豊岡市によると、中村さんは平成10年7月〜21年10月、アラスカ・アンカレジを皮切りに130カ国を自転車で走破。走行距離は約15万キロに及ぶという。(2010.2.12 産経新聞)
もともとは、6大陸走破しての自転車世界一周を目指し、3年半で60カ国を巡る予定で出発したと言います。しかし世界一周した後、もっと違う世界を見たい、もっと多くの人と出会いたいと更に一周、結局約11年で、130カ国、15万キロ、走行距離は、およそ地球4周分にも及ぶという冒険旅行になりました。

重さ70キロもの装備品を積んで標高5千3百メートルの山越えをし、強風と闘い、途中マラリアにかかったり、荷物の盗難に遭ったりもしたそうです。自転車は1台で済んだものの、パンク修理は300回以上、タイヤ交換は82本、チェーン15回、ペダル5回、サドル4回それぞれ交換したといいますから、大変な旅です。
さまざまな苦労もあったことでしょう。もちろん、誰にでも出来ることではありません。ただ、自転車乗りにしてみれば、冒険と言っても、冬山登山や北極単独行よりは実感がわきますし、親近感もわく方が多いのではないでしょうか。あるいは、うらやましい、自分も挑戦してみたいと感じる人もあるかも知れません。
世界一周するだけなら、交通手段はいくらでもあります。しかし、自分の足だけで世界を走破するには徒歩か自転車しかありません。徒歩だと装備を運ぶのも大変ですし、やはり自転車でしょう。ひとこぎ、ひとこぎ積み重ねて、自分の足だけで世界を一周する達成感、充実感はいかばかりでしょうか。
中西さんはサイクリング好きの父親の影響で、中学生のころから乗り始め、高校時代に片道10キロの道のりを自転車通学したのが原点だそうです。普通の人だったら、毎日決まった道を通ると思いますが、彼は毎日ルートを変え、知らない道を走るのが楽しかったと言いますから、その頃から冒険好きの要素があったようです。

大学ではサイクリング部に入り、海外ツーリングにも5度行きました。卒業後は6年間働き、約6百万円を貯めて会社を辞め、子どもの頃からの夢、念願の世界一周に旅立ちました。そして途中3回の一時帰国をはさみ11年間に及ぶ旅を、昨年完結させたわけです。旅をしてみて地球は意外と小さいのではないかと感じたと語っています。
休日サイクリストでも、1日100キロくらいはラクに走るという人は少なくないでしょう。自転車で走るのが好きな人なら、毎日でも乗れるはずです。実際、年間に相当の距離を走っている人もいます。中西さんのような11年に及ぶ冒険は別としても、体力や脚力的には世界一周の旅に出るのが可能な人は大勢いると思います。
毎日自転車に乗って旅をして、いろいろな風景を見たり、さまざまな経験が出来たら最高です。休暇を利用して少しずつ出かける手もあります。出来るものなら世界を一周してみたいという人も多いのではないでしょうか。ただ、実際に世界一周に出かける人は多くありません。
同じ時期にもう一人、冒険家の話題が報道されています。読売新聞から引用します。
自転車で世界一周、完結だ…冒険家が5日出発
自転車での世界一周を目指し、2003年から6度にわたり旅を続けている鳥取県米子市の冒険家・加藤彰さん(40)が、ユーラシア大陸37か国を1年半かけて横断する〈最後の旅〉へ出発することになり、3日、米子市の県西部総合事務所を表敬訪問した。河原正彦所長から激励を受けた加藤さんは「まだ見ぬ土地で新たな出会いを重ね、次の新たな人生の糧にしたい」と張り切っている。
元中国電力社員。自転車旅行が好きで、社会人になってから国内各地を訪れていたが、01年9月11日、米同時テロの発生をテレビニュースで見て、「人間の一生ははかない。思い残したことをやっておこう」と思い立ち、退職。03年7月、南米大陸を手始めに世界旅行を始めた。
テントや毛布、食料、水など50キロの荷物を自転車に積み、1日に30〜160キロを走る気ままな旅は、一時帰国しながらアフリカ、北米、オーストラリア、ヨーロッパと進み、68か国8万9667キロを走破。歩行者とぶつかって転倒して肩を骨折したほか、ピストル強盗に遭遇しながらも別の車が通りかかって難を逃れるなど、トラブルに見舞われることもあったという。旅行費用は、貯金を取り崩したほか、一時帰国中にアルバイトをしてまかなった。
7度目の旅となる今回は、5日に境港市を国際定期貨客船で出発。韓国・東海(トンヘ)市から中国に渡り東南アジアへ。いったん中国に戻ってタクラマカン砂漠を横断し、中央アジアを経てヨーロッパへ。モナコ公国で折り返してトルコ、インドなど37か国を通過して来年の秋、中国・上海にゴールする。
これまでの旅の思い出や今回の計画の説明を聞いた河原所長は「行く先々で苦労があると思いますが、大願を成就して下さい」と励まし、友人ら20人が寄せ書きしたジャージーに「祈!笑顔で完走」としたためた。加藤さんは「この旅で自分が描いた世界一周達成になる。様々な人に出会いながら、生きていくために何が必要かを考えたい」と話していた。(2010年2月4日12時06分 読売新聞)

この加藤さんの場合、アメリカの911のテロをテレビで見たことが冒険へ踏み出すきっかけになったようです。先の中西さんも、半分冗談かも知れませんが、世界一周で一番勇気が必要だったのは、会社に辞表を出す時だったとも語ってらっしゃいます。冒険は、まずやろうと決断するのが一番難しいのかも知れません。
私は海外ツーリングの経験が多少あるだけで、偉そうなことを言える立場ではありません。ただ、ふだんのツーリングから発展して日本各地へ出かけ、さらにその延長で海外ツーリングへ出かける人が、もっといてもいい気がします。そもそも最近は、特に若い世代の海外旅行離れが顕著で、日本に閉じこもる人が多いと言われています。
世界一周とは比べようもありませんが、私も欧米やアジアのあちこちの国で自転車に乗った経験があります。多少長い距離をツーリングしたこともあり、カナダなどでは自転車での旅行者も多く気候や道路状況もいいので、日にちがあれば、北米大陸横断くらいなら出来そうだなと感じたこともあります。
いきなり世界一周でなくても、まず海外へ出かけ、見聞を広めてみるのも悪くないと思います。世界一周なんて無理、自分とは無関係と、考えたこともない人も多いかも知れませんが、海外ツーリングに何回か出かけてみれば、考えが変わらないとも限りません。今どきは旅費も安いですし、自転車はレンタルすることも出来ます。

確かに、誰でも簡単に会社を辞められるわけではありません。安定した生活を捨て、冒険に出るばかりがいいと言うつもりもありません。しかし、最初から冒険なんて無理と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。もちろん冒険と言っても、なにも何年もかけて世界一周することだけが冒険ではありません。
毎日の生活や、今までの人生にはない領域へ踏み出してみるという意味で、冒険は人それぞれ、いろいろあると思います。今まで、自分の人生には全く無縁、自分がそんな生活をするなんて思いもよらなかったことでも、加藤さんのように、人生は一度きりということを痛感して、一歩を踏み出すことになるかも知れません。
冒険に出るどころか、挑戦するという選択肢があることすら忘れている人も多いような気がします。すなわち、いつの間にか常識や固定観念、世間体、周囲の意見などに埋もれてしまい、自分の可能性を閉ざしていまっていることもあります。時には植村直己のような冒険家の精神にふれ、触発されることも必要なのかも知れません。







男子スピード500M、やりましたね。カーリングも始まりました。録画して夜見る人にとっては、寝不足の季節到来という感じでしょうか。
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子供のころの経験が、その後の生き方に影響を与えることもある。
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冬山登山を、それも何と自転車を使って登ろうという人たちもいる。
誰もが日本一周に旅立てる日
日本を一周するのだって決して簡単でなく、危険が伴うこともある。
Posted by cycleroad at 23:30│
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自転車の旅って以外と冒険をしているような気分が味わえます。ちょっとした遠出や違った道を走ってみるとなかなかおもしろいですよ。旅に出てみれば以外に知らないことが次々とわかって新たな発見がたくさんあります。