March 13, 2010

子どもは単なる荷物とは違う

街では、新入学おめでとうセールといった文字が躍っています。


中には、なんでこの業種と新入学が関係あるのだろうと首をひねる店もありますが、消費不況が言われる中で、小売店からスーパー、百貨店まで、販売に力の入る時期なのでしょう。確かに、4月から新入学や入園、入社などを控えている人が新たに必要とするもの、確実に需要が見込めるものも少なくないと思います。

自転車も、新しく買う人が多い時期なのかも知れません。進学後に自転車通学を始める人もあるでしょうし、新入学のお祝いとして自転車を買ってもらう子もあるでしょう。パーツとして、子供を乗せるためのチャイルドシートなんかも、4月からの幼稚園や保育園への入園に備えて用意されるものの一つかも知れません。

前用幼乗器幼乗器

託児施設への送り迎えや買い物時など、子供を乗せる自転車が子育ての強い味方になっている人は少なくありません。海外では、子供乗せ用の自転車も見ますが、日本ではチャイルドシートをつけた自転車に子供を乗せている人が、ほとんどだと思います。

日本で見かけるチャイルドシートは、そのほとんどがママチャリ用ですが、最近はスポーツバイクに乗る人が増えていますから、今後スポーツバイクに子供を乗せる人も増えていくのかも知れません。当然、海外ではスポーツバイクにチャイルドシートを装着する人が少なくありません。

iBert セーフティシートtopeak ベビーシート

日本では、ほとんど見ることがありませんが、フォールディングバイクに取り付けるチャイルドシートなどもあります。写真は、イギリスの人気フォールディングバイク、“BROMPTON”用のチャイルドシートです。純正のパーツではありませんが、さすが人気のブランドなので、こうしたパーツも流通しているわけです。

BROMPTON

image ITchair, itchair.info

image ITchair, itchair.info

スペインの会社の製造する、この“ITchair”、シートポストとフレームをつなぐ形で取りつけられるよう工夫されています。折りたたみ自転車だからということもありますが、よくある椅子型のチャイルドシートと違い、子供はサドルにまたがることになります。位置的に親の腕の中になるので、安心感の高いポジションです。

image ITchair, itchair.infoimage ITchair, itchair.info

さて、アメリカはオレゴン州、ポートランドに住むある父親が、自分のブロンプトンにこのチャイルドシートを取り付け、息子を乗せて走っていました。しかし、子供は黙って乗るのに飽き足らず、お父さんのようにペダルをこぎたがって仕方がなかったのだそうです。そこで、このお父さん、“ITchair”を改造することにしました。

子供もペダルをこぐことの出来るチャイルドシート、名付けて“ITandem”です。チャイルドシートなのに子供とタンデムで走れる自転車になるというアイテムです。チャイルドシートに乗った状態で子供も力強くペダリング出来ます。自分もペダルをこぎたくて仕方がなかった子供は大喜びでしょう。

image clever cycles, clevercycles.com

動画を見ると、子供の力だけでも走っています。遠目には、ただのチャイルドシートですが、よく見ると子供もペダリングしているタンデム自転車とはユニークです。子供にせがまれて仕方なく作ったのでしょうけど、なかなか面白いチャイルドシートになっています。親にとっては電動アシスト自転車ならぬ、「子供アシスト」自転車です。

ずいぶん器用な人なんだろうと思えば、必ずしもそうではありません。この改造、わずか1時間ほどで完成させたと言います。アメリカでは、普通の自転車をタンデムに改造するためのキットが売られていて、簡単に手に入るのです。これをチャイルドシート用に取り付けたというわけです。



州によって違いはあるようですが、アメリカではタンデム自転車が日本のように禁止されておらず、公道を走る姿も見かけます。自転車を自分で改造する人も少なくないので、こうしたキットの需要もあるのでしょう。幼児のためにタンデムにする人は珍しいとしても、その環境は整っていると言えます。

この“ITandem”、子供が一人で乗るようになる前に、ペダルをこぐ練習にもなりそうです。ただ乗っているのと違い、自分でペダルをこぐことで、自転車に乗る感覚を覚えることにもなるでしょう。お父さんが模範になる乗り方をすれば、それを見ながら乗ることで、安全な走り方を自然と学べることになるかも知れません。

image clever cycles, clevercycles.com日本では6歳未満に限って、自転車に子供を乗せることが可能です。それ以上の年齢での自転車の二人乗りは違法であり、タンデム自転車も、ほとんどの都道府県で公道を走行出来ないことになっています。実は、その規制をクリアするようなタンデム自転車もあることはあるのですが、あまりメジャーではありません。

事実、日本ではタンデム自転車がほとんど走っておらず、2人で自転車に乗る機会は限られます。その意味で6歳までが、親子タンデムでサイクリング出来る貴重なチャンスと言えるのかも知れません。そう考えると、日本でもこんなタンデム用チャイルドシートがあってもいいような気がします。

ただ、実際に子供を乗せて走っている親からは、おとなしくこがないだろうとか、すぐ飽きる、かえって危険、あまり意味がないなど、その実用性に疑問の声が上がるかも知れません。でも教育用と考えれば、子供用の製品は、必ずしも実用性の高いものばかりではありません。

チャイルドシートの子供がペダリング出来る必要はないと言えばそれまでです。しかし、これまでチャイルドシートが、安全性とか対象年齢の広さなど、大人から見た要素しか考慮されず、製品としてアピールされて来なかったことを思えば、子供にとっての楽しさという視点は、ある意味斬新と言えるでしょう。

チャイルドシートに限らず、子供用の製品はたくさんありますが、購入する親の方しか向いていない製品も多いのではないでしょうか。大人の見方だけでなく、子供からの視点を取り入れることで従来の製品と大きく差別化出来るアイディアは、まだまだ埋もれているのかも知れません。


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しかし、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は何を考えてるんでしょうね。春場所が始まりますが、若手の奮起を望みたいものです。

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この記事へのコメント
 鉄道の小児運賃が6歳以上で未就学児を除くとなっているのに対して、自転車の補助椅子に乗れるのは6歳未満に限っています。
 4月1日生まれの子どもは保育園最終日の3月31日には6歳に達しているので3月31日は厳密には自転車送迎出来ません。4月2日生まれは4月1日に6歳に達するので年長最後の1年は厳密には自転車送迎が出来ません。年度途中で保育園自転車送迎出来なくなると困ります。自転車送迎している大概の方は違反しています。国民の多くが違反しなくてはならない規則って良いものかとつくづく思います。
 OGKのチャイルドシートは私も愛用しています。子どもを乗せる時は保育園のお迎えや病院に連れて行く時などで、子どもが疲れている時です。補助椅子でぐったり寝ている時が多いです。余り、一緒に漕ぐとか考えていませんでした。
 補助椅子は子どもを乗せていない時には荷物入れになるかも重要なポイントです。
Posted by ジャムおばさん at March 14, 2010 00:47
いっそ許可制でも二人乗りを認可しても良いのではないかと思います。
ライセンスプレートなどを付けるとかして一目で識別出来るようにしてでも。

2台を連ねるより、1台で済むことは1台で済ませた方が良い気もするのです。

自転車の免許制や登録制とも関わる問題ではありますけど。

あくまで昔の経験の話ですが、二人乗りって出来る者にとっては別に難しいことはないのですけどね。 
Posted by ひろにゃんof風琴屋 at March 14, 2010 01:34
我が家は一戸建てで庭に駐車場も有ります。都心部では自家用車を持つ事が困難になっています。脱自家用車して一番に困るのは家族が救急車を呼ぶほどで無いけど、歩くのが辛い病気の時では無いでしょうか?タクシーも時間によっては空車が無かったりします。仕方無しに自転車二人乗りする人もいると思います。

宅配便にも使われている後輪2輪の三輪自転車を改造すれば安全な二人乗り自転車出来そうな気がします。
Posted by ジャムおばさん at March 15, 2010 16:51
言われてみると後ろに乗ってるだけよりペダルを動かすほうが楽しいし、
一人で乗る時にスムーズにペダルを回す練習にもなりそうです

ただ「子供を乗せるために頑丈に作りました」っていう自転車よりこっちのほうが良さそうです
Posted by 職人気取り at March 15, 2010 20:47
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
待機児童や幼保一元化などの問題に対しても言えることですが、幼児の2人乗りの年齢制限は、現実にそぐわない規定、あるいは無意味な規制の一つと言えるのでしょう。
少子化対策の重要性が叫ばれ、子育て支援に力を入れると言いながら、現実にはいろいろな子育てに対する障壁が放置されているということなのでしょう。
実際には、子供と一緒にタンデムなんて余裕がないことも多いでしょうね。
確かに、荷物入れとして機能することは重要かも知れません。“ITchair”は、フォールディングバイク用ですから、さすがにその点には不満が残るでしょうね。
Posted by cycleroad at March 15, 2010 22:07
ひろにゃんof風琴屋さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
普通のママチャリに中高生が二人乗りして、ふらつきながら走行しているのは、危険な場合も多いと思います。実際に事故の原因となることも多いと聞きます。おそらく、禁止する理由もそのあたりにあるのでしょう。
しかし、専用のサドルを2個備えたタンデム自転車まで禁止する必要はないのではないかと、私も思います。
実際には、都道府県ごとの条例や細則で決めているだけですから、解禁するのは簡単でしょうね。
Posted by cycleroad at March 15, 2010 22:27
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、そういう緊急の場合もあるでしょうね。しかし、気持ちはわかりますが、いくら気に入らなくても、法律として決まっている以上、法治国家の市民としては遵守する義務があります。
明文化された例外規定があるわけではないので、家族の具合が悪い時ぐらい法律は破っていいだろうという理屈は通りません。タクシーが拾えないから違反していいことにはなりません。
何でもそうですが、仕方がないからと皆、法律を守らなければ、社会の秩序が維持できないのは自明です。二人乗りの禁止が良くない法律だと言うのと、守らないことを正当化するのは別です。
実際には、警察も注意するだけで摘発はしないと思いますが、救急車を呼べとは言うでしょうね。
宅配便が使っているのは、電動アシスト自転車でけん引するリヤカー、トレイラーだと思います。人が乗れるトレイラーというのは、既にありますね。
Posted by cycleroad at March 15, 2010 23:07
職人気取りさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
幼心にも、自分の力で進んでいるという実感がわくかも知れません。
親から見た実用面で言えば、不格好でも頑丈で安全なほうがいいのでしょうけど、なんとも遊び心があると言うか、シャレていると言うか、面白味があるのは確かですね。
Posted by cycleroad at March 15, 2010 23:15
 お返事有難うございます。宅配便の自転車はリヤカー牽引が多いですが、佐川急便で後輪2輪の三輪自転車を見掛けました。どうも、中村輪業社様の自転車みたいです。

 私も法律は遵守すべきと思っています。だけど6歳に達したその日から自転車送迎を止められる状況ではありませんでした。後で東京都では三輪以上の自転車で乗車装置があれば二人乗り出来ると知りました。
 タンデムで無く、子どもをお客様としてゆっくり座らせておける、合法的な二人乗り自転車が欲しいです。

Posted by ジャムおばさん at March 16, 2010 07:01
我が家の場合、自転車の規定体重をこえた時点で前の子供乗せを閉鎖、6歳になる前日に後ろの子供乗せを籠に替えして、したくても違反出来ない様にしてしまいました。子供と母親からは大反発を食らいましたが、決まりを守る大切さを話し、納得させました。移動範囲が狭目だった事もあり、なんとかなりました。
Posted by ひでさん at March 17, 2010 09:10
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
もちろん、法律違反などと責めるつもりは毛頭ありません。誕生日によって幼稚園でも送迎できなくなる点などは、法律を制定した意図から考えれば、むしろ法律の不備でしょう。実際に幼稚園児を乗せていて、厳密には6歳でなくても取り締まる警官はいないと思います。
ただ、中高生とか大人が二人乗りするような場合について、仕方がないからと言う理屈は通らないのではないかと思うだけです。
そうですね、軽車両扱いで普通自転車にならなくなりますが、専用の乗車装置があれば二人乗りも可能になります。
3輪自転車を使っている佐川急便があるんですか、知りませんでした。しかし、子供を乗せて二人乗りするなら、前乗せタイプのほうが実用的かも知れません。
私も2009年の12月16日の記事で取り上げましたが、例えばZIGOというブランドです。(http://myzigo.jp/)
2005年の10月2日の記事でも取り上げていますが、日本のメーカーでも紀洋産業(http://www.markag.co.jp/)というメーカーが、いろいろな二人乗りの自転車を製作しています。子どもをお客様としてゆっくり座らせておける、合法的な二人乗り自転車も見つかるかも知れません。
人が乗るように出来ていますから、荷物を乗せる3輪の自転車を改造するなどより、安全性も高いと思います。
Posted by cycleroad at March 17, 2010 20:48
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに体重などによっては、年齢によらず危険な場合もあるかも知れません。安全面から考えて、危険が考えられるようなら、違反にならなくても止めるのは、賢明な選択肢ですね。
怪我をしたり、子供に怪我をさせてからでは遅いですしね。
Posted by cycleroad at March 17, 2010 21:04
 
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