April 03, 2010

好きな時に出かけられる手段

ようやく春が感じられる陽気となって来ました。


つい先日までは雪が降るなど、寒い日が続いたりしていましたが、4月に入って、さすがに気温も上がってきました。新年度が始まり、東京などでは桜も満開となっています。これから陽気もどんどん良くなり、野外活動にもいい季節になってきます。

春の到来陽気につられて、旅に出たくなるという人も多いのではないでしょうか。気がつけば、もう今月の末からはゴールデンウィークです。いろいろ計画を立てている方も多いことでしょう。中には、足の向くまま、気の向くまま、ふらりと一人旅に出ようかな、なんていう人もあるかも知れません。

しかし、問題となるのは宿や交通機関の予約です。平日に有休でもとれればいいですが、なかなかそうもいきません。簡単には会社や学校を休むわけにもいかないので、どうしても旅行するのは土日、祝日がらみになってしまうのが、多くの日本人とっての実情だと思います。

渋滞最近は、休日の分散化などという話もありますが、実現したとしてもまだ先の話です。人気の観光地ともなれば、相当以前から予約が埋まっており、今からゴールデンウィークの予約をとるのは、かなり困難な話でしょう。ましてや一人旅なんて言ったら繁忙期には嫌われますし、そもそも警戒して泊めてくれないところもあります。

列車や飛行機の予約も満杯でしょうし、クルマで行けば大渋滞は免れません。ワークライフバランスなんて言葉もよく聞くようになりましたが、せめて旅行くらい手軽に出かけられるよう、好きな時に休みがとれれば、と感じている人は多いに違いありません。

しかし、普通にイメージするような、日本人的な「旅行」は難しいとしても、発想を変えれば、繁忙期にも旅に出かける方法はあるはずです。そのうちの一つの答えが、アメリカ・ワシントン州スタンウッドに住む、Paul W. Elkinsさんの作ったトレイラー、その名も“Bicycle Camper”です。

Image Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.comImage Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.com

キャンプ場の予約は厳しいと思いますが、どこでも野宿する気になれば、例え連休であろうと好きな場所に泊まることが出来ます。自転車ですから渋滞も関係ありません。遠くへ行くには時間がかかるのが欠点と言えば欠点ですが、予約の時間までに宿へ到着する必要はありませんから、疲れたらそこで泊まればいいだけです。

このトレイラー、荷物を運ぶのではなく、そのままテント代わりになります。つまり、キャンピングーカーならぬ、キャンピングバイク、キャンピング自転車というわけです。自転車でけん引して走行し、適当な場所を見つけたら駐輪して、この中で寝るというスタイルが可能です。それこそ足の向くまま、気の向くままです。

以前、自転車自体をキャンピングバイクに改造した人を取り上げたことがありますが、それと比べれば、自作するにも敷居は低そうです。何より、トレイラー形式の利点は、着脱が自在なことです。ふだん使っている自転車に、必要な時だけ連結し、引っ張って出かけられます。

重さは45キロほどあるそうですが、テントやキャンプ用品を自転車にくくりつけ、リュックを背中に担いで走行するより、かえって牽引したほうが快適かも知れません。野営地に着いてから、このトレイラーの部分だけを置いて、買い出しなどに出かけることも出来ます。

Image Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.comImage Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.com

何もキャンピングバイクでなくても、汎用のトレイラーにテントを積んで運んでも良さそうにも思うかも知れません。でも、テント泊をした経験がある方ならわかると思いますが、テントで寝袋で寝るのは必ずしも快適ではありません。慣れないと、地面が固かったり、石などでデコボコしているだけで、背中が痛くて眠れません。

そのためにマットやらコット(キャンプ用のベッドのこと)など、いろいろな装備が欲しくなります。結果、荷物も増えてしまうことになります。それならば、最初からキャンピングトレイラーをけん引するというのは、十分賢明な選択と言うことが出来るでしょう。

私も家族や友人と、テントを張ってキャンプをしたことが何度もありますが、意外にテントの設営というのは時間がかかったりします。夜露に濡れたテントを乾かすなど、撤収にも手間がかかります。設営と撤収に時間をとられて、特に同じ場所に連泊しない場合は、慌ただしくなってしまったりするものです。

キャンピングトレイラーなら、テントと違って設営や撤収の手間がかからないという点も長所と言えるでしょう。自転車でけん引出来る大きさということで、さすがに狭いですが、一人で寝るには十分と言えそうです。しかも、写真にあるように、いろいろな工夫が凝らされています。

Image Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.comImage Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.com

Elkins さんは、ネバダ州の砂漠で行われる夏の野外イベントに参加して、そこで一週間ほど寝泊まりするために、この“Bicycle Camper”を作りました。ベッドとしてだけでなく、デッキチェアのように、くつろいで座ることも出来るようになっています。ずっと足を伸ばしたまま座るのでは疲れますから、うまい工夫です。

扇風機もついていますし、簡単なライティングデスクも設置出来るようになっています。コンロで調理も出来て、太陽の熱で温める温水シャワーまで備わっています。小さいながらもシンク(流し)も付いており、氷を入れるクーラーボックスや食物を乾燥させる脱水装置まで完備しています。

本棚や収納棚、食品貯蔵箱に汚れた洗濯物を入れるバスケットまで内臓されていると言いますから、ずいぶんコンパクトに収納が工夫されているようです。バッテリーも搭載されているだけでなく、自作の風力発電用の風車までついています。そのほかにも、滞在を快適にするような装備は、トイレを除いてほとんど揃っていると言います。

半球形の窓の部分には、寝る時ちょうど頭が入ります。空一面の星空を眺めながら眠ることが出来るという工夫です。これは素敵なアイディアです。狭いことによる圧迫感を軽減する効果もありそうですし、都会住まいで星なんてほとんど見ない人にとっては、これだけでも旅に出た甲斐があったと感じられるかも知れません。

Image Bicycle Camper, highmileagetrikes.blogspot.com
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狭い空間ですが、遊び心も満載で、なんだか楽しそうに見えてきます。子供の頃に、身の回りのものやオモチャを運び込んで、「秘密基地ごっこ」をしたことがある人も多いのではないでしょうか。何か、そんな子供の頃の遊びとも通じるものがあるような気がします。

ただ、実際に日本国内でこのキャンピング自転車でキャンプをしていたら、かなり好奇の目を集めてしまいそうです。トレイラー自体、あまり走っていませんし、クルマから邪魔だとクラクションを鳴らされてしまうかも知れません。そうした点を除けば、こんな旅も面白いかなと思わせるものがあります。

この Elkins さんの“Bicycle Camper”は評判を呼び、あちこちのサイトで取り上げられました。多くのコメントも寄せられましたが、その中で多かったのが、「ホームレスの人のために、このカート版を作ったらいいのではないか。」というものでした。

さらに彼は、過去にネット上で“Shelter-in-a-cart”というコンテストが行われたことがあるのを知ります。ホームレスの人が使う、スーパーなどのショッピングカートに代わるカートのアイディアやデザインを募集するものです。これに触発され、キャンパーをカート版にした“Homeless Shelter”も製作しています。

Image Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.comImage Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.com

私もいくつかの都市で見たことがありますが、アメリカの都市部のホームレスの人は、路上でショッピングカートを押している場合が少なくありません。一般の観光客が行くような場所では、あまり見ることがないかも知れませんが、確かにカートを押しているので、それとわかります。

アメリカでは州にもよりますが、公園などが夜間クローズされる場合も多く、日本のように勝手に仮設の小屋などを建てて居座ることが厳しく取り締まられることも少なくないと言います。そこで、ホームレスの人は、スーパーのショッピングカートなどに身の回りの品を積んで移動する場合が多くなるわけです。

空き缶を集めて換金したりするのにもカートがあると便利ですし、置いておくと処分されかねないので、身の回りの品をカートに積んで移動しながら生活するわけです。このショッピングカートに何か工夫出来ないかというコンテストでした。カートに簡易テントを装着するなど、雨風を避けて眠るスペースを付けたりするわけです。

Image Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.comImage Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.com

ただ、本当に必要なのはカートではなく、行政による生活支援や就労支援などのはずです。その意味からすれば、カートをデザインしても仕方がないような気がします。しかし、支援が必要なのに、実際にはそれから漏れている人が大勢いるのも事実です。

支援が行き届かない人のために、ダンポールの寝床に比べれば、当座の便宜を図ることが出来るという考え方なのです。また、スーパーマーケットのショッピングカートも安いものではありません。勝手に持ち出して犯罪として摘発される人もあるわけで、それを防ぐことにも貢献します。

実際に、こうしたカートを何十台も製作し、無償で提供する慈善家もあるそうです。炊き出しをする人もいれば、精神的なケアをする人もいて、いろいろな形の支援がある中での一つのやり方なのかも知れません。一時的に宿泊費を節約したい人の助けにもなるのでしょう。

Image Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.comImage Homeless Shelter, highmileagetrikes.blogspot.com

そのコンテストへ応募された作品に比べても、この“Homeless Shelter”、ずいぶんと凝った造りになっています。扉を閉めればプライバシーも保てます。災害などで避難生活をおくる時にも、プライバシーが保てず苦労すると言いますから、これが一台あれば、調理も出来たりして便利かも知れません。

考えてみると、案外日常生活に必要なものなんて、本当はわずかなものなのかも知れません。コンパクトかつシンプルにまとめられた、“Bicycle Camper”や“Homeless Shelter”を見ていると、普段の生活が、いかに無駄なものに囲まれているか、改めて思い知らされる感じがしないでもありません。

“Bicycle Camper”で、気ままな一人旅をしてみるのも悪くなさそうです。たまには自炊しながら、シンプルな生活をしてみるのもいいでしょう。災害時などのサバイバル能力も鍛えられそうです。そして、ふだんの暮らしを見つめなおす意味でも、自転車キャンプ生活というのは一興かも知れません。


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いま桜が満開の地域では、この土日は花見客でに混雑しそうです。少し人が少なそうな穴場を狙って出かけてみようかと思っています。

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