April 30, 2010

ただあるだけでは意味がない

殺人などの罪の時効が廃止されました。


改正法成立・即日施行今回の刑事訴訟法の改正により、最高刑が死刑に当たる罪については時効が廃止され、最高が無期懲役・禁錮に当たる罪については、これまでの倍の30年にするなど、大幅に引き上げられました。殺人の時効はこれまで25年でしたが、2004年までは15年でしたから、あまりに短いと感じる人は多かったと思います。

殺人などの罪を犯しても、時効を過ぎれば逃げ得となってしまう状態は容認できないという、被害者遺族の強い要望と、それを支持する国民感情が成立の背景にあります。冤罪を生む可能性や、捜査延長の負担なども指摘されていますが、この改正は妥当だと感じる人が多いのではないでしょうか。

時効廃止法が成立しかし、本当に求められるのは犯人の逮捕・起訴です。時効が延長されたからといって、すぐに容疑者の逮捕につながるわけではありません。時効が延びたことにより、逃げ切れないと観念して犯人が自首する可能性もないとは言いませんが、あまり期待出来ません。もっとほかに犯人の逮捕につながる方策が必要でしょう。

ただ、警察の捜査にも人員や予算の限りがあります。警察の捜査にだけ過重な期待をすることは出来ません。時効の廃止が犯人にどのくらい精神的負担を加えるのかわかりませんが、捜査の手が身近に迫っていると感じなさせければ、犯人にプレッシャーもかけられないでしょう。従来の捜査以外に何か別の仕組みは出来ないものでしょうか。

DNA鑑定による照合を随時認めるというのはどうでしょう。例えば、いま病院にかかっている人の中から無作為に抽出し、殺人犯のDNAと一致する人がいないか調べるのです。犯罪捜査とは別に、犯人検挙の可能性が出てきます。殺人犯は、自らの病気やケガで病院に行けなくなり、自首を促すことになるかも知れません。

逃げ得許さぬもちろん、DNAは究極の個人情報と言いますから、取り扱いは慎重にしなければなりません。DNAの情報を調べるのではなく、一致するかどうかのみ、第三者機関に判定を依頼するわけです。予算的な問題があるので、たくさんは照合できないでしょうが、犯人にはプレッシャーがかかるのではないでしょうか。

この方法には、冤罪を生む可能性や、その他もろもろの問題点があると思います。そこまでするのは行き過ぎと言われればそうでしょう。これは例であり、必ずしもこの方法がいいというわけではありません。でも、何か時効の延長とは別の、検挙率を上げるための方策が必要ではないでしょうか。

時効撤廃の論議の中で、長い逃亡生活そのものが犯人に対する罰だという意見があります。いつ逮捕されるかと怯えながら過ごすのは、確かに苦痛でしょう。しかし、近くに捜査の手が迫らない限り、慣れて平気な人もいるに違いありません。本当の刑罰を受けさせるため、もっと追いつめるための仕組みが求められます。

絶対に犯人を捕まえてほしい近年、刑事罰については、全体として厳罰化の方向に進んでいます。例えば飲酒運転の厳罰化は抑止につながりました。でも、一般に厳罰化だけでは、必ずしも犯罪は抑止されません。厳罰化に加え、検挙率のアップがなければ犯罪の抑止につながらないのは、振り込め詐欺などの例を見ても明らかでしょう。

もう一つ、刑の適用の問題もあります。日本では、被告人の更生やその前途に配慮して、より寛大な刑が適用される傾向にあると言われています。これが法の執行を甘く見る傾向を招いています。寛大な措置が必ずしも悪いとは言いませんが、現実には、諸外国と比べて非常に高い再犯率につながっていることが指摘されています。

特に前途ある若い被告には寛大な場合が多いです。寛大さを良しとする日本的な心情もあるのでしょうが、そのことが若年層の再犯率を高めています。更生を期待するのはわかりますが、中には関係者の過大で根拠のない期待もあると言わざるを得ません。これが、治安の悪化につながっていることも厳粛に受け止めるべきです。

逮捕に向けて徹底捜査を裁判員制度も始まりましたが、いまだ一般的な国民感情と乖離した判決も少なくありません。例えば個人的には、人を2人以上殺さないと死刑にならないことには疑問を感じます。このことが、殺人に踏み切らせる場合もあることは、過去に起きた事件の被告の供述からも明らかになっています。

過去の判例も尊重されるべきでしょうが、やはり厳正に刑罰を適用する必要もあると思います。法律に違反しても、つかまらない、刑が軽い、刑罰が厳正に執行されないということになれば、法律の抑止力が減じられてしまうのは明らかです。逆に助長してしまう場合すらあります。

身近な例では、自転車の交通ルールなどもその一つではないでしょうか。車道の逆走、並進、無灯火、2人乗り、携帯を使いながら、傘をさしながらの走行など、違法行為が常態化しています。警察官は注意はしても、滅多に取り締まりません。ほとんど法律に抑止効果はないと言っても過言ではありません。

犯罪抑止望むもちろん、自転車の違反を確認したからと言って、全て取り締まるのは、現実問題として難しいということもあるでしょう。自転車には、クルマの場合と違って反則金制度がないので、いきなり赤キップであり刑事罰が下されます。これが、クルマの違反と比べて著しくバランスを欠くという問題もあります。

結果として事故は増加しており、警察も事故防止の観点から、自転車の交通ルールの徹底に力を入れています。しかし、交通ルール遵守を呼び掛けたり、啓発キャンペーンを展開するだけでは、効果が薄いのは明らかです。悪質な事例は検挙もしていますが、全体としては刑罰の抑止力が効いている状態とは言えません。

道路交通法に抑止力を持たせるため、何らかの方策が必要であることは、サイクリストも含め、多くの方が感じているのではないでしょうか。ただ、クルマと同じような反則金制度を取り入れるといった手法は、一方で免許制度の導入が必要になりますから、現実的ではありません。

一日も早い解決を例えば、もっと簡易な形で、交通ルールを守らないと経済的な不利益を被るような仕組みは作れないでしょうか。違法に駐輪すると、撤去・移送されてしまい、返還には手数料や保管料が取られます。新しく買うとしても経済的に不利益を被るので、それならば違法駐輪をやめようという抑止力が働きます。

同じように、交通ルールを守らないと、何らかの金銭的な不利益、ペナルティが課される形にするわけです。具体的なやり方について書くのは別の機会に譲りますが、電子的な課金方法など現代の技術を使うなどして、これまでの制度や従来の考え方にとらわれなければ、やり方はあるはずです。

交通ルールを守ることは、事故を防ぐことであり、本人の為にもなります。安全の向上は社会全体の利益であり、今のような状態を放置しておくべきではありません。今回の公訴時効の改正もそうですが、社会の秩序を維持し、不幸な事態を減らすためにも、もっと法律の抑止力を高める現実的な方法を考えていく必要があると思います。


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ゴールデンウィークが始まりました。気温も上がってきましたし、天気もおおむね良さそうです。ただ、あちこちで混みそうですね。

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この記事へのコメント
自転車先進国だと日本みたいに違反をする人は滅多にいないと本に書いてありましたがモラルが高いというより取り締まりが厳しいんでしょうか

Posted by 職人気取 at May 02, 2010 17:33
職人気取さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
国によっても事情は違うと思うので、一概には言えませんが、自転車のルールを守るのが、誰にとっても得であることが市民に浸透しているのでしょう。長年の積み重ねもあって、秩序が出来ているということが大きいのではないでしょうか。
Posted by cycleroad at May 02, 2010 22:08
 
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